Amazon Q Business と Amazon QuickSight を連携させる

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こんにちは、やまぐちです。

概要

今回は、Amazon Q Business と Amazon QuickSight を連携させます。

Amazon QuickSight と連携することで、Amazon Q Business の Web experience 上でグラフなどの視覚的なデータが表示可能となります。
構造化データをデータセットに設定して可視化する QuickSight と非構造化データをデータソースにできる Amazon Q Business を掛け合わせできることが大きなメリットだと思います。

今回は、構造化データを CSV ファイル、その情報を補う非構造化データを Word ファイルとして以下のように設定していきます。

QuickSight のユーザ権限について

QuickSight には以下 6 パターンのユーザロールが用意されております。

  • Admin
  • Admin Pro
  • Author
  • Author Pro
  • Reader
  • Reader Pro

利用用途にもよりますが、Pro がついているユーザロールであれば基本的に Q の利用が可能となっています。 aws.amazon.com

設定時には、Admin Pro のユーザロールが必要な点については注意が必要です。

やってみた

Amazon Q Business 側の設定

まずは、Amazon Q Business 側の設定からやっていきます。

データソースの設定

QuickSight との連携設定を行う前に、インデックスとデータソースを作成しておきます。

今回は、以下の Word ファイルをデータソースとします。
※QuickSight のデータセットでアップロードする CSV ファイルの内容を補足する内容となっています。

インデックスとデータソースを作成する手順は、以下ブログをご参照ください。

blog.serverworks.co.jp

データソースを設定して、同期まで完了したら Amazon Q Busiess 側の設定は完了です。

QuickSight との連携設定

Application 内にある「Amazon QuickSight」の画面に移動して「Create QuickSight account」を選択します。

必要な情報を記載して「Next」へと進めると QuickSight のアカウントが作成されます。
※ QuickSight の Admin Pro の権限を Identity Center ユーザやグループに割り当てる必要があります。

IAM ロールを指定して、「Authorize」を押下します。

ここまで進めるとキャプチャのように画面が変わり、Amazon Q Business 側の設定は完了になります。

Amazon QuickSight 側の設定

では、次に Amazon QuickSight 側の設定を実施します。

データセットとトピックの作成

先ほど作成した QuickSight アカウントに Identity Center のユーザでログインします。

「データセット」-「新しいデータセット」からデータセットを設定していきます。

今回は AI に作成してもらった売上データに関する CSV ファイルをアップロードします。
該当ファイルをアップロードして「次へ」に進みます。

内容に問題ないことを確認して「視覚化する」を押下します。
データセット一覧に作成したデータセットが表示されます。
余談ですが、分析用のダッシュボードを作成するとグラフで視覚化ができます。

次に、Amazon Q Business と連携させるために必要なトピックの作成を実施します。
「トピック」から「NEW TOPIC」を選択します。
トピック名を指定して、次に進めます。
先ほど作成したデータセットを指定して作成します。
トピックが作成されたら、Amazon Q Business 側にデータセットやトピック数が連携されていることが確認できます。

※トピックを作成したユーザーとは別のユーザが本機能を利用する場合は、トピックの画面から SHARE しておく必要があります。

管理画面から連携設定を実施

次に、QuickSight の管理画面から Amazon Q Business との連携を設定を行います。

管理画面に遷移して、「セキュリティとアクセス許可」内にある「QuickSight の AWS のサービスへのアクセス」から設定を行います。

Amazon Q Business にチェックを入れて、対象の Application を指定して「Done」を押下します。
これで、QuickSight 側の設定も完了です!

チャットで質問する

それでは、Web experience から質問してみます。

視覚データがチャット上で表示されました!
Word ファイルに記載されている内容を質問すると、正しい回答が返ってきました!

Amazon Q in QuickSight からも同様に質問してみる

Amazon Q in QuickSight からも Word ファイル(非構造データ)の内容を回答してくれるかを試してみます。

QuickSight の画面、右上のマークからチャットを開きます。
まずは、CSV ファイルの内容をもとにグラフを出してくれるか試します。
こちらは想定通りグラフが表示されます。
では、Word ファイルに記載されている内容について質問してみます。
なんとグラフで回答がきました…!
Amazon Q Business にデータソースとして設定した内容は、Amazon Q in QuickSight の回答には反映されないことがわかりました。

質問履歴の確認

QuickSight のトピック内にある「User Activity」タブよりユーザの質問履歴は確認できます。
もちろん、Amazon Q Business 側でログの設定をすれば履歴を確認することも可能です! blog.serverworks.co.jp

まとめ

今回は、Amazon Q Business と Amazon QuickSight を連携させました。

構造化データと非構造化データの両方の情報をもとにグラフを作成してくれたり、回答してくれるのは非常に有用だと感じました。
また、設定自体も複雑なものではなく簡単に実施できましたので気軽に始められる点もメリットだなと思いました。

それでは、またどこかで~

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