こんにちは、マネージドサービス部テクニカルサポート課の坂口です。
今回は現地で AWS re:Invent 2024 に参加しており、AWS Well-Architected フレームワークに基づいた Amazon ECS と AWS Fargate のベストプラクティスに関する Chalk Talk セッションに参加しました。
Chalk Talk とは
Chalk Talk とは、スピーカーと参加者が双方向に対話しながら進めるセッション形式で、講義ではなく議論や質問を中心に進行するセッションを指します。
Chalk Talk セッション参加の経緯
私は英語が得意ではないため、今回の Chalk Talk は「聞き専」および「スライドを見る専」として参加することにしました。
しかし、それだけでは内容を十分に理解できない可能性があると考え、文字起こしアプリ「Notta」のリアルタイム翻訳を活用することにしました。
このアプリを使えば、英語で行われるセッションの内容を日本語で把握できると期待して参加しました。
概要
AWS Well-Architected フレームワークに基づいた Amazon ECS と AWS Fargate のベストプラクティスに関して解説された内容をまとめます。
主にセキュリティ、信頼性、パフォーマンス、運用の観点から、実践的な知見が議論されておりました。
セッションタイトル
SVS332-R | Build secure & performant apps easily with Amazon ECS & AWS Fargate [REPEAT]
内容
セキュリティ面での考慮事項
- Secrets Manager と Parameter Store の使い分け
- キーローテーションが必要な場合は Secrets Manager を推奨
- 設定値の保存だけであれば Parameter Store で十分
- 最小権限の原則に基づく IAM 設定
- S3 や DynamoDB へのアクセスは必要最小限の権限で制御
- セキュリティグループの適切な設定
- ECS Service Connect による安全な通信
- AWS Private Certificate Authority を使用して TLS 通信を実装し、サービス間通信を暗号化
パフォーマンスの最適化
- コンテナ起動の高速化
- SOCI を使用した遅延ロード
- イメージサイズの最適化
- EFS の活用
- 適切なリソース設定
- Apache Bench などを使用した負荷テスト
- CPU・メモリの適切なサイジング
運用効率の向上
- デプロイの最適化
- ELB ヘルスチェックの調整(インターバルを30秒から5秒に)
- Connection Draining 時間の短縮(300秒から50秒に)
※ デフォルト設定は安全性を重視しているため、調整時にはシステムの規模や特性の考慮が必要
- モニタリングとオブザーバビリティ
- CloudWatch メトリクスやログの活用
- X-Ray の活用
感想
このセッションでは、ECSを使用する上での実践的なベストプラクティスが包括的に紹介され、現在の顧客環境とのギャップについても質問がありました。
また、運用面での細かい設定の最適化が全体的なパフォーマンスに大きく影響することがわかりました。
実際の現場で活用できる具体的なTipsが多く共有され、特にコンテナ起動の高速化やセキュリティ設定に関する内容は、即座に実践できる有用な情報でした。
ただし、これらの設定は自分のワークロードに合わせて適切に調整する必要があることも強調されていました。
英語が得意でなくても、スライドと文字起こしアプリを使えば、なんとなく理解できることがわかりました。
ぜひ、怖がらずに参加してみてください。