こんにちは、マネージドサービス部の駒井です。
re:Invent 2024 にて発表された 「Announcing scenarios analysis capability of Amazon Q in QuickSight (preview) - AWS」がすごいです。
この機能を使用すると、ユーザーが QuickSight にインポートしたデータに基づいて、Amazon Q が質問に答えたり、視覚的な分析結果を提供したりできます。
Amazon Q in QuickSight とは
2023年にプレビュー版として発表された Amazon Q in QuickSight は、2024年には正式版 (GA) としてリリースされ、現在は 5つのリージョンで利用可能です。
主な機能は次のとおりです。
1. 自然言語での命令に基づくダッシュボード作成
- 構造化データを基に視覚的なインサイトを生成。例:「新潟県の米の生産量の推移をグラフにして」「新潟県と北海道の米の生産量が全国の何割か計算して」などの指示が可能
2. エグゼクティブサマリーの生成
- ダッシュボードデータを解析し、重要なポイントを要約。データ分析にかかる時間を短縮します
3. データストーリーの提供
- このデータに基づいた予測、傾向分析、改善提案などを自動的に生成するレポート機能
アップデート: シナリオ分析機能について
Amazon QuickSight の中で、シナリオ(ベータ)という項目が増えています。
こちらから、すでに QuickSight にインポートしているデータ、もしくは新たにデータファイルをアップロードして即座に分析をかけることができます。
データをインポートすると、質問のプロンプトの候補がいくつかサジェストされ、このデータを元にどんなことを聞きたいのかを聞いてくれます。
例えば、商品管理データをインポートしたとして、「毎月の不良在庫が 5%を超えている商品は?」といった質問をすると、それに関連するビジュアルや分析結果を出力してくれるような形です。
シナリオは連続して質問を続けることもできますし、新たにシナリオを作り直して全く別の質問・分析を開始することも可能です。
また、「不良在庫を減らすために有用な方法は?」といった質問も、関連データがあれば上手く分析・予測してくれます。
データは持っているけどどうやって分析しようか悩んでる…みたいな方には刺さりそうですね。
個人的には、QuickSight 側で色々とビジュアライズしてから分析するのではなく、直接データをアップロードして即座に分析・質問を投げかけられるというところがスピーディで好みです。
実際の Amazon QuickSight 内のビジュアル付きの解説は、下記公式ブログをご参照ください。
注意点
- こちらはプレビュー機能となっている他、Amazon Q in QuickSight の利用には Pro アカウントが必要です
- Pro ユーザを 1つでも所有するアカウントはユーザ料金とは別に、個別の有効化料金(250 USD/month)が発生します
- 少なくとも 1 名の Pro ユーザーまたは少なくとも 1 個の Amazon Q トピックを持つアカウントには、アカウントごとに 250 USD/月の Amazon Q 有効化料金が適用されます。
そして、現状はシナリオ分析で利用できるデータに制限があります。
- データソースは最大10個
- データソースは最大100万行
- ダッシュボードからは一度に最大20個のビジュアルを選択可能
- アップロードされるファイルは
.xlsx
または.csv
形式である必要があり、1 GB 超えるファイルは不可
引用元: https://docs.aws.amazon.com/quicksight/latest/user/scenarios-create.html
対応リージョンもオレゴンとバージニア北部に限定されています。
感想
今回は Amazon Q in QuickSight の新機能拡張についてのご紹介でした。
劇的に成長・機能拡充を続けている Amazon Q ですが、QuickSight との連携面でもその影響力は留まるところを知りません。
実は本機能を re:Invent の workshop にて実際に触れていたのですが、あまりの賢さに驚きを禁じ得ませんでした…
構造化データ・非構造化データと人間がにらめっこして日が暮れるような事案は AI によって、どんどんと減っていくのかもしれませんね。
今後の Amazon Q のアップデートにも目が離せません!
補足情報
また、Amazon QuickSight のアップデートには、Amazon Q Business と連携することで非構造化データ(ドキュメント、Wiki、メール、画像)を統合できるようになる新機能もありました(こちらもプレビュー機能)。