Claude Platform on AWS vs Claude in Bedrock|料金の仕組みと選択基準を徹底解説

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はじめに

2026年5月、AnthropicがAWS上でClaudeを利用できる新サービス「Claude Platform on AWS」の一般提供を開始しました。これまで「AWS上でClaude を使う=Amazon Bedrock」一択だった状況が変わり、「どちらを選べばよいのか?料金はどう違うのか?」という問い合わせが増えています。

本記事では、トークン単価・請求方式・隠れコスト・機能差の4つの観点から両サービスを比較し、コスト担当者・IT担当者が意思決定しやすいよう整理します。

先に結論をお伝えすると:

  • 基本のトークン単価は同じ(Claude Sonnet 4.6 なら入力 $3/MTok・出力 $15/MTok)
  • Bedrockはリージョン指定で+10%プレミアムが発生する(Sonnet 4.5以降のモデル)
  • Claude Platform on AWSはManaged Agentsなど最新機能が使えるが、セッション料金が別途発生する
  • AWSコンプライアンス要件(HIPAA等)の有無とデータ居住地要件が選択の分岐点になる

2つのサービスの概要

まず、それぞれのサービスが「誰が運営しているか」を押さえることが重要です。

項目 Claude Platform on AWS Amazon Bedrock上のClaude
運営者 Anthropic(AWS Marketplace経由で請求) AWS
データ処理場所 Anthropicのインフラ(AWS外部) AWSインフラ内
利用開始 AWS マネジメントコンソールのClaudeサービスページから Bedrock サービスコンソールから
認証方法 AWS IAM AWS IAM
最新機能の反映 直接APIと通常は同日に提供(一部機能を除く) Bedrockのリリーススケジュールに準拠
AWSコンプライアンス適用 Anthropicのポリシーに準拠 HIPAA・FedRAMP等AWS適用可

【注記】Claude Platform on AWSで現在利用できない機能(2026年5月時点) 公式ドキュメントに記載されている以下の機能は、現時点では提供されていません:

  • HIPAA readiness:AnthropicのHIPAA対応プログラムは非対応(HIPAA要件がある場合はAmazon Bedrockを使用)
  • Admin API(一部):組織・ワークスペースメンバー管理、招待、使用状況レポート等のエンドポイント
  • ワークスペースレベルの推論地域設定allowed_inference_geosdefault_inference_geoは未対応(リクエストごとのinference_geoで代替)
  • Claude Codeワークスペース:自動レート制限付きのClaude Code専用ワークスペース機能
  • Fast mode:Opus 4.6/4.7 向けの高速出力モード(標準料金の6倍)は利用不可(参照:Fast mode pricing

Claude Platform on AWS は、AnthropicのネイティブAPIをAWSのIAM認証と請求に乗せた形で提供するサービスです。Anthropicのアカウントを別途持つ必要がなく、既存のAWS予算管理やCloudTrailによる監査証跡がそのまま使えます。

Amazon Bedrock は、AWSが管理するフルマネージドのAI基盤サービスです。GuardrailsやKnowledge Basesといった独自のAWSサービスとの統合が強みですが、Anthropicの最新機能のリリースが数週間〜数ヶ月遅れることがあります。


基本料金:トークン単価の比較

両サービスともAnthropicのClaudeモデルを使用するため、グローバルエンドポイント利用時の基本トークン単価は同じです(2026年5月時点)。

オンデマンド料金(グローバルエンドポイント)

モデル 入力 出力
Claude Opus 4.7 / 4.6 $5.00 / MTok $25.00 / MTok
Claude Sonnet 4.6 / 4.5 $3.00 / MTok $15.00 / MTok
Claude Haiku 4.5 $1.00 / MTok $5.00 / MTok

MTok = 100万トークン。日本語は英語と比べてトークン効率が低い傾向があります(日本語の場合、英語の約1.5〜2倍のトークン数になるケースがあります)。実際の利用コスト試算は日本語テキストで検証することをお勧めします。

バッチ処理(50%割引)

時間的余裕のある大量処理にはバッチAPIが利用できます。オンデマンド料金の50%で処理できます。

モデル バッチ入力 バッチ出力
Claude Opus 4.7 / 4.6 $2.50 / MTok $12.50 / MTok
Claude Sonnet 4.6 / 4.5 $1.50 / MTok $7.50 / MTok
Claude Haiku 4.5 $0.50 / MTok $2.50 / MTok

請求方式の違い

トークン単価が同じでも、請求の仕組みには違いがあります。

Claude Platform on AWS:Claude Consumption Unit(CCU)方式

Claude Platform on AWSでは、Claude Consumption Unit(CCU) という独自の課金単位を使います。

仕組みは以下のとおりです:

  1. トークン使用量を上記のモデル料金でUSD換算する
  2. 1 CCU = $0.01 として CCU 数に変換する(100 CCU = $1.00)
  3. AWS Marketplaceに時間単位でメータリング報告
  4. AWS請求書に「CCUの行項目」として一本化して表示

Claude Consoleでリアルタイムのコスト内訳を確認でき、AWS Cost ExplorerではCCUの集計を確認できます。なお、プリペイドクレジット(前払い)には対応しておらず、すべて後払いです。

ボリュームディスカウントを持つ既存のAnthropicプライベートオファーがある場合は、CCUへの変換前に割引が適用されます。既存のAmazon Bedrockプライベートオファーがある場合は、移行前に担当者へ確認が必要です(割引の遡及適用はできません)。(参照:Claude Platform on AWS pricing

Amazon Bedrock:トークン直接課金

Bedrockはトークン直接課金です。利用した(入力/出力)トークン数 × 単価がそのままAWSの月次請求に加算されます。


要注意:リージョン料金という隠れコスト

Claude Sonnet 4.5以降の新しいモデルから、Bedrockではグローバルエンドポイントリージョナルエンドポイントの2種類が提供されています。

エンドポイント種別 特徴 料金
グローバル(デフォルト) 動的ルーティングで可用性を最大化 標準料金
リージョナル データを特定リージョン内のみで処理することを保証 標準料金 × 1.1(+10%)

「データが必ずアジアパシフィック(東京)リージョン内で処理されることを保証したい」場合はリージョナルエンドポイントの使用が必要になり、全トークン料金が10%高くなります。また、クロスリージョン推論(可用性向上のため複数リージョンに動的ルーティング)を使う場合も同様に+10%の追加料金が発生します。(参照:Claude in Amazon Bedrock — Regions

Claude Platform on AWSでのデータ局所化

Claude Platform on AWSでもinference_geo: "us"パラメータで米国内推論を指定できますが、この場合もトークン料金に1.1倍の乗数が掛かります。グローバルルーティング(デフォルト)では標準料金が適用されます。(参照:Data residency pricing


機能差とそれに伴う追加料金

ここが両サービスの最大の違いです。Claude Platform on AWSは直接APIと通常は同日に新機能・新モデルが利用可能(一部機能を除く)なのに対し、BedrockはAWSのリリーススケジュールに準拠するため遅れが生じることがあります(2026年5月時点)。

Claude Platform on AWS で利用できる機能と追加料金

機能 追加料金
Claude Managed Agents $0.08/session-hour(実行中時間のみ)+トークン料金
Webサーチツール $10 / 1,000回 +トークン料金
Webフェッチツール 追加料金なし(トークン料金のみ)
プロンプトキャッシュ 書き込み:1.25〜2x、読み取り:0.1x(標準入力トークン料金比)
バッチAPI 50%割引

Managed Agentsのセッション料金について

Managed Agentsは「実行中(running)ステータス」の時間のみ課金されます。ユーザーの入力待ち(idle)や終了済みは課金対象外です。(参照:Claude Managed Agents pricing

計算例:Claude Sonnet 4.6 を使った1時間のAgentセッション

項目 計算 コスト
入力トークン 50,000 50,000 × $3 / 1,000,000 $0.15
出力トークン 15,000 15,000 × $15 / 1,000,000 $0.225
セッション実行時間 1h 1.0h × $0.08 $0.08
合計 $0.455

Amazon Bedrock の制約(2026年5月時点)

BedrockはClaude 4.x モデルのベース推論には対応していますが、以下の機能はまだ提供されていません:

  • ❌ Claude Managed Agents(Anthropicネイティブ)
  • ❌ ネイティブWebサーチ / Webフェッチツール
  • ❌ AnthropicのConsole(プロンプト評価・改善機能等)

一方、BedrockにはAWS独自の機能があります:

  • ✅ Bedrock Agents(AWS独自のエージェント機能)
  • ✅ Knowledge Bases(RAG構築機能)
  • ✅ Guardrails(コンテンツフィルタリング)
  • ✅ プロビジョンドスループット(安定負荷向けの容量確保型契約)

コスト削減のテクニック

両サービスで使えるもの

① プロンプトキャッシュ

同じシステムプロンプトや長文ドキュメントを繰り返し使う場合に特に効果的です。

キャッシュ操作 料金倍率 有効期間
キャッシュ書き込み(5分) 標準入力の1.25倍 5分間
キャッシュ書き込み(1時間) 標準入力の2倍 1時間
キャッシュ読み取り 標準入力の0.1倍(90%削減) 上記に準拠

5分キャッシュなら「1回書き込み+1回読み取り」で元が取れます。チャットボットのシステムプロンプトや、大量のRAG処理で毎回同じコンテキストを添付するケースで大幅な削減が期待できます。(参照:Prompt caching pricing

② モデル選択の最適化

すべての処理に最高性能モデルを使う必要はありません。

ユースケース 推奨モデル Sonnet比のコスト
単純な分類・要約・翻訳 Haiku 4.5 約1/3
標準的な推論・文章生成 Sonnet 4.6 基準
高度な推論・複雑なコーディング Opus 4.6/4.7 約1.7倍

③ バッチAPIの活用

分類・評価・データ変換など、即時応答が不要な大量処理にはバッチAPIが有効です。すべてのトークン料金が50%になります。

Amazon Bedrock のみ


どちらを選ぶべきか

コスト面の比較が主軸ですが、最終的な選択はコスト以外の要因も左右します。以下のフローで判断することをお勧めします。

AWS上でClaudeを利用したい
    │
    ├─ 医療・金融等でAWSのコンプライアンス認定(HIPAA/FedRAMP等)が必要?
    │   または、データを必ずAWSインフラ内で処理することが必須?
    │       YES → Amazon Bedrock(リージョナルエンドポイント)
    │
    ├─ Bedrock Guardrails / Knowledge Bases / Bedrock Agentsを活用したい?
    │       YES → Amazon Bedrock
    │
    ├─ Claude Managed AgentsやWebサーチ等の最新Agent機能が必要?
    │       YES → Claude Platform on AWS
    │
    ├─ 既存のAnthropicプライベートオファー(割引契約)がある?
    │       YES → 移行前にアカウント担当者に確認(割引の引き継ぎ要確認)
    │
    └─ それ以外(シンプルな推論、テキスト生成、AWS統合請求したい)
              → どちらでも可(機能差を確認しながら試験運用を推奨)

コストだけで比較した場合のポイント:

  • グローバルエンドポイントを使う限り、トークン単価は同じ
  • リージョン保証が必要な場合:どちらも +10%
  • Managed Agentsを多用する場合:Claude Platform on AWSで +セッション料金が加算
  • 大量バッチ処理:どちらも50%割引で同じ

まとめ

観点 Claude Platform on AWS Amazon Bedrock
基本トークン料金 ✅ Direct APIと同額 ✅ 同額(グローバルエンドポイント)
リージョン保証 △ +10% △ +10%
最新Agent機能 ✅ 直接APIと通常は同日(一部機能を除く) ❌ AWSリリーススケジュールに準拠(未提供機能あり)
データ処理場所 Anthropicインフラ AWSインフラ内
AWSコンプライアンス Anthropicポリシーに準拠 HIPAA・FedRAMP等AWS適用可
請求方式 CCU(AWS Marketplace経由) 通常トークン課金(AWS請求)
Bedrock Guardrails等

「どちらが安いか」という問いに対するシンプルな答えは、基本的なテキスト推論ワークロードなら実質同じです。コスト差を生むのは「リージョン保証の有無」と「Managed Agentsの利用頻度」です。

2026年5月時点では、最新のAgent機能やWebサーチ・フェッチが必要ならClaude Platform on AWS、AWSのコンプライアンス認定やGuardrails統合が優先ならAmazon Bedrockが適切な選択です。

まずはグローバルエンドポイントで小規模な試験運用を行い、実際のトークン消費量とユースケースに合わせて最適な構成を選ぶことをお勧めします。


料金は頻繁に更新されます。最新情報は以下の公式ページでご確認ください:


検証日:2026年5月13日
本記事の料金情報はAnthropicおよびAWS公式ドキュメントに基づいています。料金は予告なく変更される場合があります。

ロータッヘイ(執筆記事の一覧)

24卒入社の香港人です。
2025 Japan All AWS Certifications Engineers
リンゴちゃん(デボンレックス)にいつも癒されています。