
はじめに
こんにちは、サーバーワークスの福田です。
AWS re:Invent 2025 にて、AWS DevOps Agent が発表されました。
個人的に気になったのは New Relic との連携 です。 早速、AWS DevOps Agent の Agent Spaces を設定し、New Relic をデータソースとした Investigation機能を試してみましたので、その設定手順と挙動をご紹介します。
AWS DevOps Agent とは?
AWS DevOps Agent は、自然言語での対話を通じて、アプリケーションやインフラストラクチャの問題解決、運用タスクの自動化を支援するサービスです。
詳細は弊社メンバーのブログをご覧ください。
今回、このエージェントにオブザーバビリティプラットフォームである New Relic を連携させることで、エージェントが New Relic 上のメトリクスやログを直接参照し、障害調査や原因特定に活用できるようになります。
設定手順
設定は大きく分けて 「Telemetry(テレメトリ)」 と 「MCP Server」 の2箇所で行います。
1. Telemetry の設定
まず、Agent が調査を行う際に参照するデータソースとして、New Relic を登録します。
AWS コンソールの Agent Spaces 設定画面にある Telemetry セクションから設定を行います。

APIキーなどの必要情報を入力し、登録します。

この際、Webhook URLなどの情報 が生成されます。これは後ほど New Relic 側の設定で使用するため、メモしておきます。
※New Relic側の設定で使用するのでverify data schemaの内容もメモしておいてもいいかもしれません。

New Relic 側の Webhook 設定
続いて、New Relic 側でも Webhook の設定を行い、AWS 側との連携設定を実施します。 Destination として Webhook を作成し、先ほど発行された URL を指定します。

ペイロードの設定
AWS DevOps Agent がデータを受け取れるよう、Payload Template を設定します。 New Relic のデフォルトテンプレートのままでは上手くいかなかったので 以下のように AWS の仕様(verify data schema の内容を参考)に合わせた調整が必要そうです。

設定例
{ "eventType": "incident", "incidentId": {{ json issueId }}, "action": "created", "priority": {{ json priority }}, "title": {{ json annotations.title.[0] }}, "description": {{ json issuePageUrl }}, "timestamp": "{{ createdAt }}", "service": "New Relic", "data": { "issueUrl": {{ json issuePageUrl }} } }
2. MCP Server の設定
次に、MCP Server セクションで NewRelicMCP を追加しました。
これにより、DevOps Agent が Model Context Protocol (MCP) を介して New Relic のツール群を利用できるようになります。


検証1:自動生成される Investigation 機能
設定が完了したので、実際に Investigation 機能を試してみます。 まずは New Relic 側のワークフローからのテスト通知をトリガーにして、自動的に調査が走るか確認します。 ペイロード設定時のテスト送信機能を使用しました。

自動生成された調査レポートを確認する
本項目の画面はデフォルト表示(英語表示)ではなくブラウザ表示を日本語にすることで日本語で表示されるようにしております
Webhook 連携により、New Relic から通知が飛ぶと自動的に AWS DevOps Agent 側でも Investigationが開始されます。 Incident Response Dashboard を確認すると、該当の通知に対する調査結果が生成されていました。



調査結果:障害原因の特定(自動分析)
本項目の画面はデフォルト表示(英語表示)ではなくブラウザ表示を日本語にすることで日本語で表示されるようにしております
エージェントによる自動分析の結果が表示されました。内容は以下の通りです。


緩和策の提案 (Mitigation Plan)
本項目の画面はデフォルト表示(英語表示)ではなくブラウザ表示を日本語にすることで日本語で表示されるようにしております
続いて、エージェントは復旧案も提示してくれます。

ログを一つ一つ確認することなく、ここまで明確に「何が起きたか」を提示してくれました。
検証2:対話的な調査
今度は AWS DevOps Agent のコンソールから自然言語で別の事象について調査を依頼してみます。
検証用環境として、New Relic 上で以下のようなアラートが発生している状況(検証1とは別のエラー)を用意しました。

現時点で日本語対応は未定のようなので、以下の英語プロンプトで質問を投げました。

provide the root cause of the alert currently triggered in New Relic account {New RelicアカウントID}. (New Relicアカウントで発生しているアラートの根本原因を教えてください)
すると、 MCP Server (NewRelicMCP) のツール群を活用して、エージェントが New Relic 内の情報を調査し始めます。

エージェントが複数のツールを実行して情報を集めている様子が確認できます。



調査結果:コードレベルの原因特定
エージェントによる調査結果が表示されました。

調査サマリー
- 概要: 「NRDemo FastAPI Demo Service」にて、決済エラーによる CRITICAL アラートが発生。
- 根本原因: アプリケーションコード(
/app/main.py)内で意図的な 「Code error mode」が有効化 されたことによる。 - 詳細: 決済計算処理中に
ZeroDivisionError(ゼロ除算)が発生しており、エンドポイント/api/paymentのトランザクションが 100% 失敗している。 - 判断根拠: 直近24時間のデプロイはなく、機能フラグ等のランタイム設定変更がトリガーであると特定。
こちらでも「何が起きたか」「何が原因なのか」を提示してくれました。
改善提案:Mitigation Plan
さらに、エージェントは復旧手順も提案してくれます。

提案内容は 「ECSサービスの強制デプロイ(Force new deployment)」 でした。
- 現状確認: タスク定義と稼働タスクの記録。
- 適用:
aws ecs update-service ... --force-new-deploymentを実行し、タスクを入れ替えることで環境要因(Code error mode)をリセットする。 - 事後確認: New Relic アラートの回復を確認する。
原因が「コードの修正が必要なバグ」ではなく「ランタイム設定の変更」にあると判断し、再デプロイによるクリーンな状態への復旧を提案してくれました。
補足
調査結果はデフォルト表示は英語表示ですが以下の弊社ブログにも記載がありますがWEB ページを日本語翻訳することで 調査結果も日本語で表示することが出来ます。(本ブログの「検証1」の内容もWEBページを日本語訳して表示しております)
気になった点
検証を通して、いくつか気になった点もありました。
- APIキーの管理: 現状の設定では API キーを直接入力する必要があります。セキュリティの観点から、AWS Secrets Manager と連携できるようになるといいなと思いました。
- 言語対応: 現状日本語対応していないので、プロンプトは英語で入力する必要があります。
- 調査、分析処理が自動で進む: 自動調査は便利ですが、MCP Server のツール実行が確認なしに自動で進む点には少し怖さを感じました。基本的には参照系(Read)の操作が中心かと思いますが、万が一、更新系(Write)の操作が含まれる場合のリスクもゼロではありません。 「ツールの実行前にユーザーの承認(Yes/No)を挟む」といったオプション設定があると、個人的には嬉しいなと思いました
まとめ
AWS DevOps Agent と New Relic の連携は、想像以上にスムーズに設定できました。 まだ日本語対応はしていませんが、AWS 上から New Relic などのSaaS の情報をシームレスに分析できる内容は非常に魅力的でした。
今回は軽く触っただけなので引き続き、どのようなユースケースで活用できるかより検証を続けていきたいと思います。
・福田 圭(記事一覧)
・マネージドサービス部 所属・X(Twitter):@soundsoon25
2023 New Relic Partner Trailblazer。New Relic Trailblazer of the Year 2025受賞。New Relic User Group運営。