CTI Adapter for SalesforceによってAmazon Connect と セールスフォースを統合した場合の連携機能設定を行い、動作確認をします。
概要
前回はCTI Adapterによる新規「ケース」入力フォームを自動的に開く設定をしてみました。
今回は通話中に別のオペレータさんへ引き継ぐ状況を想定した設定を行います。
環境
過去の記事の状態まで設定された前提とします。下記のような環境で設定を試します。
- Salesforce Developer Edition
- Amazon Connect CTI Adapter for Salesforce v5.19
- Lightning サービスコンソールアプリでの利用
利用シナリオ
- 最初のオペレータがお客様からの電話を受けます
- この際に、自動的にケースレコードを作成、オペレータはケースを修正する形で情報を追記します
- ケースを保存し、別のオペレータへ電話を転送します
- 転送を受けたオペレータの画面には最初のオペレータが登録したケースレコードがポップアップされ、通話を引き継ぎます
仕様
- 電話着信時、問い合わせ属性
SfdcCaseId
を確認しますSfdcCaseId
がセットされていれば、該当ケースレコードをポップアップしますSfdcCaseId
がセットされていなければ、電話番号による取引先責任者検索を実行し、マッチレコードをポップアップします
- 通話開始操作時、問い合わせ属性
SfdcCaseId
を確認しますSfdcCaseId
がセットされていなければ、新規ケースレコードを作成し、ポップアップします
電話着信イベントは顧客からの着信、オペレータ間転送による着信、どちらの場合もトリガーされますので、問い合わせ属性 SfdcCaseId
の内容によってポップアップする情報を切り替えます。
また、通話開始操作イベント時に新規ケースレコードを作成することで最初に顧客と通話したオペレータがケースの所有者となります。
設定手順
CTI Flowを2つ設定します。
なお、同じイベントのCTI Flowは重複登録できないため、登録済みの場合は削除するか、編集して上書き設定する必要があります。
実際の設定は下記で公開します。
CTI Flow Sample Scripts (for Amazon Connect CTI Adapter for Salesforce) · GitHub
電話着信時のCTI Flowを設定
下記のように指定しました。
項目 | 値 |
---|---|
CTI Flow Name | Voice Contact onConnecting |
CTI Adapter | ACLightningAdapter (デフォルトのまま) |
Source | Amazon Connect Voice Contact |
Event | onConnecting |
Active | チェック |
内容
1,2で問い合わせ属性から SfdcCaseId
を取得し、設定有無で処理を分岐する部分がポイントになります。
通話開始時のCTI Flowを設定
項目 | 値 |
---|---|
CTI Flow Name | Voice Contact onConnected |
CTI Adapter | ACLightningAdapter (デフォルトのまま) |
Source | Amazon Connect Voice Contact |
Event | onConnected |
Active | チェック |
内容
1,2 の内容は電話着信時と同様です。
ケースレコードが未作成の場合はケースレコードを作成し、そのIDを問い合わせ属性 SfdcCaseId
へセットしています。
ちなみに、問い合わせ属性の更新は指定ログイン情報を利用したコールアウトによってAWS側の ConnectAPIを実行しているようです。
動作確認
Amazon Connectへ電話をかけて動作を確認します。
最初の想定シナリオ通り、最初の受電時は顧客特定→ケース作成、別のオペレータへ転送した際はケースポップアップする動作を確認することができます。
ケースは顧客データである取引先責任者にリンクしており、顧客情報の確認も容易になっています。
デモンストレーションをを動画でご確認いただけます。(1分48秒)
最後に
CTI Adapterの機能によって Amazon ConnectとSalesforceの情報を相互に即時連携することができます。
今回の例では、オペレータ間転送時に同じケースレコードを参照することにより、スムーズな情報共有ができるのではないでしょうか。
CTI Adapter活用のヒントになれば幸いです。