RDS for Oracle 11g(11.2.0.4) と 12c(12.2.0.1) における End of Support タイムライン

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SRE2課 佐竹です。
5月に入ってフォーラムに更新がありましたので、それを反映しております。

はじめに

本ブログでは2020年1月2日に投稿されました以下のフォーラムの内容について整理します。

Announcement: Amazon RDS for Oracle - End of Support Timeline for 11.2.0.4 and 12.2.0.1 Major Versions
https://forums.aws.amazon.com/ann.jspa?annID=7341

このアナウンスをざっくりご説明しますと、Oracle社が Oracle Database の 11.2.0.4 と 12.2.0.1 のそれぞれのバージョンにおいてサポートの終了期限を発表したため、それに伴い RDS for Oracle でも同バージョンの提供を終了するというものになります。今回はこのスケジュールを整理するのが目的です。
また、2020年4月15日に Oracle 社が 12.2.0.1 のEOSを延期しました。その内容についても追記&修正致します。

  • 2020年7月6日追記:以下、AWS公式ブログにもアナウンスが出ています
Amazon RDS for Oracle バージョン 12.2.0.1と11.2.0.4のサポート終了のお知らせ
https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/amazon-rds-for-oracle-11204-retirement/

Oracle Database のサポート期限について

まずは Oracle 公式のドキュメントにて、「Oracle Lifetime Support」を確認してみます。このうち、2020年及び2021年以降に期限を迎えるものを以下に表としてまとめました。2020年7月6日現在、以下の通りとなっています(2020年7月に 19c のサポート期限が1年ほど延長されましたので、それを反映して修正しています)。

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背景が黄色の部分が2020年中にサポート期間が終了するものです。現在、Oracle Database の 11g のみが該当となりました。これは RDS for Oracle では 11.2.0.4 が該当します。12c (12.2.0.1) は2020年11月末で本来サポートが終了する予定でしたが「Limited Error Correction(限定的なエラー修正)」が提供されることになり、EOSは2022年3月31日となりました。
RDSに関するバージョンの詳細は「Oracle データベースエンジンリリースノート」をご確認ください。
また表に加えて、以下タイムラインとしてまとめたものも作成・更新しました。2020年5月14日に追加更新した箇所は青色の背景部分となります。

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これらの情報から 19c (12.2.0.3) が最も今後のサポート期間が長いことがわかります。そのため、AWSも 19c へのバージョンアップを強く推奨している状況となっております。

ここまでのポイント

  • Oracle 社が Oracle Database のサポート期限終了を発表した
  • RDS for Oracle では 11.2.0.4 が2020年にサポートの期限切れを迎える
  • 12.2.0.1 は Oracle 社がサポートの延期を決定したため、RDS for Oracle でも EOS が延期となった 
  • RDS for Oracle で今後最もサポート期間が長いのは 19c である
  • RDS for Oracle の 11.2.0.4 を利用中のお客様では 19c へのバージョンアップを実行することが推奨される

18c, 19c って何?

いきなり 19c にバージョンアップと聞くと、まとめてとんでもない量のメジャーバージョンをアップグレードするように見えるのですが、 19cは(12.2.0.3)とあるように 12.2 系のファミリーです。このナンバリングは、18c と 19c がリリースされた西暦の後ろ2つを取ったものとなっているためです。つまり、Oracle Database 12.2 の2018年に出たパッチセットが18cであり、2019年に出たパッチセットが19cです。今後2020年にもリリースされる場合は 20c となる想定です。

Oracle DB 8i, 9i, 10g, 11g, 12c の最後の文字の意味は?

完全に余談ですが、意味は以下の通りです。

  • c:Cloud
  • g:Grid Computing
  • i:Internet

気になる方は以下をご参考まで。

Oracle Database Versions – Difference between 11g, 12c and 18c
https://content.dsp.co.uk/innovation-oracle-database-versions-difference-11g12c-18c

RDS for Oracle の End of Support の整理

本題です。Oracle 社のサポート期限終了を受け、RDSはフォーラムの通りの対応を取ると発表がありましたが、情報が多いため同様にタイムラインとしましたのでご紹介します。

RDS for Oracle 11g (11.2.0.4) の End of Support タイムライン

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  • オレンジ:能動的な対応や作業が可能な期間
  • ブルー:強制的な(自動的・受動的な)対応を受ける期間
  • グレー:不可能な処理

過去のフォーラムには「バージョンアップを行っていないSnapshotに対して強制的にUpgradeを行う」と記載されていましたが、これも5月に入って修正されました。強制的なUpgradeはなくなりましたので、必要があれば手動にてバージョンアップすることとなります。これにより、11g のSnapshotが利用不可になることもなくなりました。

  • 2020年9月14日追記:LI、BYOL共に構築期限が1カ月後ろ倒しになったことを画像に反映しました

RDS for Oracle 12c (12.2.0.1) の End of Support タイムライン

こちらのタイムラインはEOSが延期されたことを受け削除致しました。

要点

重要な点を以下に書き出します。12c の記載は削除しました。

  • 11g は ライセンス込み(LI)モデルとBYOLモデルでサポート期限が異なり、LIモデルの方が早くサポート期限を迎えます
  • 11g のLIとBYOLの期限のズレは全て2カ月に揃えられています
  • 11g のLIでは、新規に構築が可能なのは8月31日までで、9月1日から新規構築が不可能になります
  • 11g のBYOLでは、新規に構築が可能なのは10月31日までで、11月1日から新規構築が不可能になります
  • 11g のLIでは、10月31日がサポート期限となりますので、それまでに手動でのアップグレードを行ってください
  • 11g のBYOLでは、12月31日がサポート期限となりますので、それまでに手動でのアップグレードを行ってください
  • 期限切れを迎えた DB.Instance は予め設定されている Maintenance Window で自動アップグレードが行われます

補足

以下に、バージョンアップに関連するAWSの公式ドキュメントをご紹介します。

また、重要なQ&Aをご紹介します。廃止されたバージョンのRDSは継続利用できませんため、ご注意ください。

Q: RDS DB のエンジンバージョンが廃止されるとどうなりますか?

Amazon RDS でデータベースエンジンのマイナーバージョンが廃止される場合、発表から自動アップグレード開始まで 3 か月の期間が設定されます。この期間が終了すると、廃止されるマイナーバージョンを実行しているすべてのインスタンスには、スケジュールされたメンテナンスウィンドウ内に、サポート対象となっている最新のマイナーバージョンへの自動アップグレードスケジュールが設定されます。

Amazon RDS でデータベースエンジンのメジャーバージョンが廃止される場合、廃止の発表から少なくとも 6 か月の期間が設定されるため、この期間にサポート対象となっているメジャーバージョンへのアップグレードを開始できます。この期間が終了すると、廃止されるバージョンを実行しているインスタンスには、次のメジャーバージョンへの自動アップグレードが適用され、スケジュールされたメンテナンスウィンドウ中にアップグレードされます。

特定のメジャーまたはマイナーバージョンのデータベースエンジンが Amazon RDS でサポートされなくなった場合、サポートされていないバージョンで作成された DB スナップショットから復元された DB インスタンスは、自動的かつすみやかに現在サポートされているバージョンにアップグレードされます。

https://aws.amazon.com/jp/rds/faqs/

まとめ

今回は、発表された Oracle Database のサポート期限を確認すると共に、対応した RDS for Oracle のサポート期限について整理しました。RDS for Oracleのサポート期限の情報を探している方の手助けとなれば幸いです。

なお、RDS for Oracle のバージョンアップ後に ORA-28040 が出てしまう場合は以下の記事を合わせてご参考ください。

blog.serverworks.co.jp

2020年9月14日 追記

以下のブログを記載しました。

blog.serverworks.co.jp

2020年11月9日 追記

記載のある「メジャーバージョンへの自動アップグレード」なのですが「スケジュールされたメンテナンスウィンドウ中にアップグレードされます」とあるものの「どのメンテナンスウィンドウで適用されるのか」は明らかになっておりません。少なくとも2020年11月の第一週目にはメンテナンスウィンドウ中の自動アップグレードは実施されませんでした。念のためこちら共有目的で追記します。

2021年1月19日 追記

BYOL の RDS for Oracle が今週自動バージョンアップの対象となり、"19.0.0.0.ru-2020-10.rur-2020-10.r1" にバージョンアップされていたことがわかりました。

Oracle 18c 版

20201年3月31日 Oracle 18c 版のブログを記載しました。

blog.serverworks.co.jp

Oracle 12c 版

2022年1月19日 Oracle 12c 版のブログを記載しました。

blog.serverworks.co.jp

ではまたお会いしましょう。

佐竹 陽一 (Yoichi Satake) エンジニアブログの記事一覧はコチラ

マネージドサービス部所属。AWS資格全冠。2010年1月からAWSを利用してきています。2021-2022 AWS Ambassadors/2023 Japan AWS Top Engineers/2020-2023 All Certifications Engineers。AWSのコスト削減、最適化を得意としています。