RDS for Oracle 12c における End of Support タイムライン

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営業部 佐竹です。
本日は RDS for Oracle 12c の EOS (EOL) について記載します。

はじめに

本ブログでは2021年11月11日に更新されました以下のフォーラムの内容について整理します。

Announcement: Amazon RDS for Oracle - End of Support Timeline for 12.1.0.2 and 12.2.0.1 Major Versions

https://forums.aws.amazon.com/ann.jspa?annID=8593

本アナウンスは、Oracle社が Oracle Database 12c (12.2.0.1 / 12.1.0.2) のそれぞれのバージョンにおいてサポートの終了期限を発表したため、それに伴い RDS for Oracle でも同バージョンの提供を終了するというものになります。今回もこのスケジュールを整理するのが目的となります。

なお、本ブログは以下のブログの更新版でもあります。

blog.serverworks.co.jp

blog.serverworks.co.jp

Oracle Database のサポート期限について

Oracle 公式のドキュメントにて、「Lifetime Support Policy - Oracle Technology Products」を確認します。このうち、2022年に期限を迎えるものを以下に表としてまとめました。

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背景が黄色の部分が2022年にサポート期間が終了するものです。

RDSに関するバージョンの詳細は「Oracle データベースエンジンリリースノート」をご確認ください。

また表に加えて、以下タイムラインとしてまとめたものも作成しております。

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2020年、2021年は 11g, 18c と連続で EOS を迎え、2022年現在は Oracle Database 12c のみが残存しておりますが、これら 12c が全て今年に EOS して 19c のみが残存します。

順序としては、12.1.0.2 よりも先に 12.2.0.1 が EOS を迎えます。このバージョン 12.2.0.1 のみが上図で青色となっているのは Limited Error Correction という特殊なサポートとなっているためです。

なお、新しく 21c が2021年8月にリリースされておりますが、これは RDS for Oracle では未提供です。加えて 21c は Innovation Release とされており、新しく強化された機能などを素早く試すことが可能なバージョンです。対比的に 19c が Long Term Release となっています。これらの差については「ICYMI - Oracle Database Releases and Support Coverage」もあわせて確認ください。

余談ですが、19c の後に出る Long Term Release22c のナンバリングが予定されているようです。

RDS for Oracle の End of Support の整理

Oracle 社のサポート期限終了を受け、RDSはフォーラムの通りの対応を取ると発表がありましたが、情報が多いため前回と同様にタイムラインとしましたのでご紹介します。

RDS for Oracle 12c Release 2 (12.2.0.1)

アナウンスと順序は逆となりますが、EOS が早い 12.2 から記載します。

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  • オレンジ:能動的な対応や作業が可能な期間
  • ブルー:強制的な(自動的・受動的な)対応を受ける期間
  • グレー:不可能な処理

今回も 18c 同様に LI(ライセンス込み)、BYOL 共に同じタイムラインになります。

  • 12c (12.2.0.1) が新規に構築可能なのは1月31日までで、2月1日から新規構築が不可能になります
  • ただし Snapshot からの復元の場合は、3月31日まで 12c (12.2.0.1) での復元構築が可能になります
  • 3月31日がサポート期限となりますので、それまでに手動でのアップグレードを行ってください
  • 4月1日以降、期限切れを迎えた DB インスタンスは予め設定されている Maintenance Window で自動アップグレードが行われます
  • Snapshot からの復元も、4月1日以降は 12c (12.2.0.1) での復元構築が不可能となり、19c に自動アップグレードが行われます

RDS for Oracle 12c Release 1 (12.1.0.2)

12.1 についても記載します。

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  • 12c (12.1.0.2) が新規に構築可能なのは5月31日までで、6月1日から新規構築が不可能になります
  • ただし Snapshot からの復元の場合は、7月31日まで 12c (12.1.0.2) での復元構築が可能になります
  • 7月31日がサポート期限となりますので、それまでに手動でのアップグレードを行ってください
  • 8月1日以降、期限切れを迎えた DB インスタンスは予め設定されている Maintenance Window で自動アップグレードが行われます
  • Snapshot からの復元も、8月1日以降は 12c (12.1.0.2) での復元構築が不可能となり、19c に自動アップグレードが行われます

バージョンアップに備える

注意点を以下に記します。

  • アップグレード後、19c のオプティマイザーによるプラン(実行計画)の変更によりSQLステートメントが予期しない方法で実行された場合は、OPTIMIZER_FEATURES_ENABLE パラメーターを使用して 12c オプティマイザーの動作を保持できます。詳細は、 『Oracleドキュメント』の「オプティマイザーへの影響」を参照してください
  • RI (Reserved Instance) は利用バージョンを意識しない仕様のため、バージョンアップによる影響はありません
  • BYOLモデルで Oracle 12c の拡張サポートがある場合は、その影響を考慮してください。この場合、Oracle Support for Oracle 19c での拡張サポート契約が必要です。 BYOLのライセンスとサポートの要件の詳細については、Amazon RDS for Oracle FAQ を参照してください

以下は 11g のものですが合わせてご参考ください。

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一般的なバージョンアップに関連するAWSの公式ドキュメントをご紹介します。

まとめ

Oracle Database 12c におけるサポート期限を確認すると共に、それに対応した RDS for Oracle のサポート期限について整理しました。

先に記載しました通り 2020年、2021年と連続して 11g、18c が EOS を迎えました。今年は Oracle Database 12c が EOS し、最後に 19c のみが残存することとなります。

RDS for Oracle のサポート期限の情報を探している方の手助けとなれば幸いです。

では、またお会いしましょう。

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マネージドサービス部所属。AWS資格全冠。2010年1月からAWSを利用してきています。2021-2022 AWS Ambassadors/2023 Japan AWS Top Engineers/2020-2023 All Certifications Engineers。AWSのコスト削減、最適化を得意としています。