AWS Savings Plan の Utilization report と Coverage report が Hourly 表示に対応

記事タイトルとURLをコピーする

営業部 佐竹です。
本日は AWS Cost Explorer のちょっとした機能強化について記載します。

はじめに

2021年12月21日に、以下の通り AWS Cost Explorer に機能追加が行われました。

aws.amazon.com

Hourly Usage report

過去、以下に Hourly 単位で利用料を分析することで、オフピークを確認可能というブログを記載ました。

blog.serverworks.co.jp

なお、この Hourly での費用分析オプションは有料オプションになります。加えて、分析可能な期間は最大過去14日間のみです。設定方法や仕様については上記ブログをご参考ください。

そして、本 Hourly の分析オプションを有効化しているアカウントで、Savings Plan の Utilization report と Coverage report が Hourly で閲覧可能になりました。ただし、Reserved Instance については Hourly で閲覧ができないままとなっています。

早速、実際にマネジメントコンソールで確認してみます。

Savings Plan Hourly Utilization report

Utilization report の画面に移動します。その後「Hourly、Daily、Monthly」の表示切替のドロップダウンリストを開き「Hourly」に切り替えます。デフォルトは Daily になっています。

確認画面が出ますが特に問題はないため「OK」を押下します。

過去7日分&Hourlyに表示が切り替わりました。

そしてグラフをよく見ると、Savings Plan の Utilization (利用率)が毎日少し下がっています。

これは、Savings Plan を推奨通りに購入したような場合に発生するのですが、Savings Plan は Utilization が 100% でない時間帯が一時的に発生するくらいを目途に買うのが最適となります。

本アカウントでは Savings Plan の推奨に従って購入しているため、このように「夜間の EC2 インスタンスが停止している時間帯」に Savings Plan の Utilization が 100% を下回ることになりますが、このような Utilization の動きは想定通りのもので問題はありません。

  • 夜間や土日:Utilization が 100% 以下に減少する傾向となる
  • 日中などの業務時間:Utilization が 100% に近づく傾向となる

ここで、Daily 表示に戻してみます。

Daily 表示では 100% で張り付いているように見えます。ですが、実際は夜間に Utilization は 100% を下回っていることがわかっています。

このように、Hourly で表示することで、よりリアルな Savings Plan の利用状況を分析可能となります。

Savings Plan Hourly Coverage report

引き続き Coverage を確認します。

Coverage は、Savings Plan でディスカウント可能な利用料のうち、どの程度の割合を実際に購入済の Savings Plan がカバーしているのかを表す指標です。

つまり「Savings Plan でディスカウント可能な利用料」が減る「夜間」では Coverage が「増加」することになります。反対に「Savings Plan でディスカウント可能な利用料」が増える「日中」で Coverage が「減少」することになります。

  • 夜間や土日:Coverage が 100% に近づく傾向となる
  • 日中などの業務時間:Coverage が 100% 以下に減少する傾向となる

このように Utilization と Coverage は対称的な値となります。

48時間に表示期間を絞って丁寧にグラフを見ると、まず Cost Explorer は時間が UTC で統一されているため、UTC ではおおよそ PM5時(JST で26時)から Coverage が 99% になっています。

弊社のアカウントでは、Hourly の最大 % が 99% になっていたので、ここは少し疑問ですが、ともかく夜間に Savings Plan が余るレベルに利用料が下がっていることがわかります。Savings Plan が余るレベルに「Savings Plan でディスカウント可能な利用料」が減るということが、Coverage の 100% を示しているためです。

こちらも、Daily 表示に戻してみます。

Utilization はまだ Daily でも有用なのですが、この Coverage report は Daily だとあまり役に立たないレベルの情報量だと感じます。

まとめ

本日は、Cost Explorer において Savings Plan の Utilization report と Coverage report が Hourly 表示に対応したことに関連して、実際にマネジメントコンソールでどのように閲覧が可能となったのか、画面キャプチャを用いてご紹介しました。

また、Utilization と Coverage report のそれぞれの見方についても解説させて頂きました。また傾向をまとめると以下の通りになります。

  • 夜間や土日:Utilization が 100% 以下に減少する傾向となり、Coverage が 100% に近づく傾向となる
  • 日中などの業務時間:Utilization が 100% に近づく傾向となり、Coverage が 100% 以下に減少する傾向となる

本機能は特に Coverage report の Hourly 表示において、非常に有用であると感じました。これらの機能でまた一段と AWS Cost Explorer が便利になったと感じます。

本ブログは以上になります。

では、またお会いしましょう。

佐竹 陽一 (Yoichi Satake) エンジニアブログの記事一覧はコチラ

マネージドサービス部所属。AWS資格全冠。2010年1月からAWSを利用してきています。2021-2022 AWS Ambassadors/2023 Japan AWS Top Engineers/2020-2023 All Certifications Engineers。AWSのコスト削減、最適化を得意としています。