Amazon Quick の Microsoft Word 拡張機能で報告書作成を自動化

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サーバーワークスの村上です。

先日、Amazon Quick の Microsoft Office 拡張機能(Word / Excel / PowerPoint / Outlook)がプレビュー機能として発表されました。これにより、Quick はユーザーの Microsoft 365 環境内でタスクを実行できるようになりました。

aws.amazon.com

今回は Word 拡張機能を使って、指定管理事業者が自治体に提出する報告書の作成を検証してみました。

やったこと

  1. 日々の入館記録や収支情報などの書類をQuick Spaceに保存する
  2. Word拡張機能のQuick(Custom Agent)がSpaceの情報を参照しながら、報告書テンプレートに必要事項を入力していく

概念図

結論

QuickがWordファイルに必要事項を記入していく様子です。動作に要する時間はケースバイケースだと思いますが、今回10ファイル程度を参照し4ページの報告書を埋めるのに、情報取得・思考過程に2分半ほど、入力作業に5分ほどを要しました。

youtu.be

Amazon Quick の Office 拡張機能とは

Amazon Quick は AWS のAgentic AI サービスです。

2026 年 4 月の発表で、Microsoft Office 拡張機能がプレビューとして登場し、ユーザーに代わってAIが書類作成等の業務を行えるようになりました。

以下の画像のように、画面右側にQuickのチャットUIが出てきて書類作成を指示するイメージです。

docs.aws.amazon.com


セットアップ方法

Word 拡張機能は MicrosoftのMarketplaceからアドインとして追加できます。

Quickのコンソール画面から遷移できます。

検証したこと:管理施設の報告書作成

検証テーマとして、指定管理施設の報告書作成業務を選びました。

課題

Quick Space に一次情報を保存する

検証用に、架空の都市公園「緑風中央公園」(指定管理者:株式会社サーバーワークス)の 2026 年 4 月分の運営データを複数ファイル用意しました。

主なファイル 形式 主な内容
施設マスタ docx 施設名・指定管理者・指定期間・組織体制
管理運営概況 docx 当月総評・特記事項・天候
入園者数 xlsx 日別入園者数、月次サマリー
収支管理 xlsx 収入内訳・支出内訳・収支サマリー
事業実施記録 xlsx 当月実施イベント4件の詳細
アンケート集計 xlsx 満足度・項目別満足度・自由意見
点検・維持管理 xlsx 日常点検・法定点検・植栽管理
修繕記録 xlsx 不具合・破損対応一覧

施設マスタ.docxと収支管理.xlsxの内容

そしてこれらの一次データをもとに、架空の報告書テンプレートに必要事項をQuickに入力させるのがゴールです。

精度の検証

ハイライト

収支表の数値は完璧に正解と一致していました。指定管理料などの数値は報告書では千円単位での記載が必要としていましたが問題なく入力できています。また、計画比何%のような簡単な計算が必要な箇所もクリアしています。

QuickがチャットUIに出力した回答根拠

ローライト

おおむね正しく一次情報を参照し、必要事項を入力できていましたが、誤りもありました。

「計画比」を「前年同期比」と誤った表現をした

今回作成した一次情報は2026年4月度の単月データであり、昨年のデータは作成していません。にも関わらず「前年同期比120%」と表現してしまっています。

これはイベントの集客計画値が7,000人に対し8,420人の参加があった、つまり計画比約120%(8,420 ÷ 7,000 = 120.3% ≈ 約120%)が本来あるべき記載だったと考えています。

「前年同期比」と誤った表現をしている

固有名詞の言い換え

一次データの事業実施記録にあるワークショップ「押し花しおり作り」が、出力では園芸ワークショップに置き換わっている事象も見られました。

誤りとは言えませんが、Custom Agentのペルソナに「イベント名等の固有名詞は一次データの文字列をそのまま引用すること」と設定したにも関わらず、言い換えが観測されました。

所感・まとめ

Quickの活躍シーンが増えた

Office製品に対する拡張機能が登場したことで、資料作成をAIに頼むという非常に汎用的なユースケースが可能になりました。

まさにAgentic AIな機能であり、シンプルにQuickの活躍の幅が増えたかと考えます。

データの品質は依然として重要

ユーザーの思考をチャットに入力しインタラクティブに資料を作成するシーンでは気にならないかもしれないですが、今回のように参照してほしい情報を基に資料作成させるケースだとハルシネーションリスクをゼロにはできません。

リスク低減のためにはチャットエージェントのペルソナ設定やQuickが参照するデータの品質が重要になるかと考えます。

今回検証した中でもWordに書き込んだ雑多な文章を参照させるより、CSVやExcelのような構造化された情報を参照させた方が精度が良かった所感です。

Amazon Quickの支援サービスを提供しています。

ご興味がありましたら当社までご連絡ください。

www.serverworks.co.jp

村上博哉 (執筆記事の一覧)

2020年4月入社。機械学習が好きです。