そのAI活用、実は「あの人頼み」になっていませんか? ― Amazon Quickで、AIを「個人技」から「チームの仕組み」へ

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クロスインダストリー第一本部の渡部です。

最近はAIの普及により、業務が大きく効率化されてきました。「もうAIが無いと仕事にならない」という方も多いのではないでしょうか。

そんな中で、こんな声を耳にすることがあります。

  • 「AIを使えば、誰でも質の高いアウトプットが出せる」
  • 「AIを使えば、業務の属人性は排除できる」

果たして、本当にそうでしょうか。

私はむしろ、「AIの活用の仕方そのもの」に新たな属人性が生まれていると感じています。同じツールを使っているはずなのに、人によってアウトプットの質が大きく違う。その差は、次の2つから生まれます。

  1. AIにどんなデータを読み込ませるか(データの属人性)
  2. AIにどんな指示を出すのか(プロンプトの属人性)

ここが揃っていないと、出てくるアウトプットには天と地ほどの差が生まれます。これこそが「AI時代の新たな属人性」です。

今回は、この2つの壁を Amazon Quick の機能(SpaceQuick Flows)でどう小さくしていけるかを、具体的に解説します。

1. データの属人性を小さくする ― Space

「データの属人性を解消する」と聞くと、「RAGを作ればいいじゃん」という声が聞こえてきそうです。

その通りで、RAGを作ればいいんです。でも、それって大変ですよね。本来の業務に集中するためにも、省力化できるところはしていきたい。

そこでおすすめなのが、Amazon Quick の Space 機能です。

Spaceは、チームで使うデータ・ナレッジ・アプリを一つの環境にまとめて共有できる機能です。プロジェクトに必要なデータを誰か一人がSpaceに集約しておけば、チーム全員が同じデータを土台にAIを使えるようになります。

Before: メンバーそれぞれが、必要なファイルを自分で探し、自分でアップロードし、自分でデータ接続を設定していた。当然、人によって読み込ませているデータがバラバラ。

After: 誰か一人がSpaceにデータと接続設定を集約。あとはチーム全員が、同じデータを前提にAIへ問いかけられる。

スペースのイメージです

個人ごとにやっていたデータ接続やドキュメントのアップロードを、一度の整備でチーム全体に効かせられる。これだけで、データの属人性はかなり小さくなります。

さらにうれしいのが、コネクタの存在です。Slackのように普段使っている業務ツールから、GitHubのような専門ツールまで、いま使っているツールに直接つないでおけるので、わざわざファイルをダウンロードしてアップロードし直す、という手作業すら要りません。しかも、つないだ先のデータが更新されれば自動で同期されるため、「最新版を上げ忘れていた」というありがちな事故も防げます。

「あの資料、最新どれだっけ?」がなくなる。これも、地味ですが立派な属人性解消です。

※ ただし「同じデータを揃えた」だけでは、まだ差は残ります。そのデータに何を聞くかという次の壁が控えているからです。

2. プロンプトの属人性を小さくする ― Quick Flows

プロンプトの質がアウトプットの質を大きく左右することは、皆さんもご存知の通りです。優れたプロンプトを書ける人は、AIからより良い答えを引き出せる。

裏を返せば、プロンプト作成は経験やスキルに依存しやすく、これもまた属人性の一種です。「あの分析、やっておいて」「あ、でも◯◯さんがいないと、いつものクオリティで出せない」――そんな場面、心当たりはないでしょうか。

ここで効くのが、Amazon Quick の Quick Flows 機能です。

Quick Flowsは、よく使う一連の作業を自然言語で「ワークフロー」として組み立て、チームに共有できる機能です。プロンプトの工夫だけでなく、データの参照から出力の整形までを一つの流れとして登録できるのがポイントです。

一度フローを作って共有しておけば、誰が実行しても同じ手順・同じ品質のアウトプットにたどり着けます。

Before: 週次レポートの作成は、いつも◯◯さんの「コツ」頼み。その人がいないと、品質も所要時間もブレる。

After: レポート作成の流れをQuick Flowに登録して共有。新人でも、ボタン一つで◯◯さん品質のレポートが出てくる。

画像:フローのイメージです

「あの人がいないとできない」が、「フローに登録してあるから誰でもできる」に変わる。これがプロンプトの属人性を小さくする、ということです。

※ もちろん「優れたフローを誰が設計するか」という属人性は残ります。 しかし、一人の工夫をチーム全員の標準に変えられるのがフローの価値です。 属人性をゼロにするのではなく、一人のスキルをみんなの資産に変える、と捉えるのがしっくりきます。

共有範囲もチーム単位でコントロールできる

ここまで「みんなで使える」ことの良さを書いてきましたが、「じゃあ、誰でも全部見られてしまうの?」と不安になった方もいるかもしれません。ご安心を。

SpaceもQuick Flowsも、ダッシュボードなどと同じように、特定のチームやユーザーにだけ共有範囲を絞ることができます。

「この部署だけ」「このメンバーだけ」といった単位はもちろん、「閲覧だけOK」「編集もOK」といった権限の細かさも選べます。

しかも、難しい権限設計を一から組む必要はなく、共有相手を指定するだけ。

全員で使える手軽さと、見せる範囲をきちんとコントロールできる安心感。この両立ができるのも、チームでAIを活用していくうえで地味に効いてくるポイントです。

まとめ

AIの活用には、データの属人性プロンプトの属人性という2つの壁があります。

  • Space で、チームが同じデータを土台にできる
  • Quick Flows で、一人の工夫をチームの標準にできる

この2つを組み合わせることで、属人性を大きく小さくし、チーム全体のアウトプットの底上げができます。ポイントは「属人性をゼロにする」ことではなく、「特定の誰かに依存していた状態を、チームの仕組みに変えていく」こと。Amazon Quickは、そのための心強い土台になってくれます。

ぜひ、SpaceとQuick Flowsを使って、AIの力をチーム全体で引き出してみてください。

渡部 航平(執筆記事の一覧)

クロスインダストリー第一本部所属。最近ゴルフをはじめました。