こんにちは。エデュケーショナルサービス課の井澤です。
近年では、すっかり生成AIに注目が集まっています。ですが、依然として(生成AIではない)機械学習が企業の問題解決に役立つ場面は多いです。
AWSは、機械学習に関わるサービスを多数提供しており、その知識や技能を問う資格試験が2つあります。
この短い記事では、2つの資格の違いと、共通点を紹介します。
以後、試験のコードに合わせて前者をMLA、後者をMLSと表記します。機械学習(Machine Leaning、ML)のAssocisate と、Specialtyということですね。
※なお、この2つとはまた別に、「AI」と名の付く資格があります(AWS Certified AI Practitioner)。"Practitioner"レベルのこちらの資格については、今回は触れません。
AWS Certified AI Practitioner 認定 | AWS 認定 | AWS
2つの資格の違い(と共通点)
試験の内容
それぞれ、試験の紹介ページの冒頭に、端的な説明があります。
AWS Certified Machine Learning Engineer - Associate
「AWS Certified Machine Learning Engineer - Associate は、本番環境に ML を実装して運用可能にする技術的能力を実証するものです。」
AWS Certified Machine Learning - Specialty
「AWS で機械学習 (ML) モデルの構築、トレーニング、チューニングおよびデプロイに関する専門知識を認定します。」
つまり?
言い換えると、「機械学習を使ったシステムを作る・管理する」というタスクがあるとき、
- 「システム」「AWS環境」の側に焦点を当てているのがMLA
- 「機械学習」に焦点を当てているのがMLS
ということになります。

どんな人に向いているか
私見ですが、エンジニアとしての経歴があり、AWS上のインフラストラクチャ系サービス(VPCやEC2、S3など)に触れてきた方が、機械学習の分野にも仕事の範囲を広めたいとき、MLAを目標にして学習すると、とても役に立つはずです。
一方、データ分析や、機械学習について、統計や数理の視点から取り組んできた方が、AWSでの仕事をもっとスムーズに進めたいときに、MLSの取得を目標に学習するととても役に立つと思います。
ただし、注意が必要なのは、AWSエンジニアだからといって、機械学習について何も知らないのではいけませんし、機械学習の専門家だからといって、AWSについて何も分からないのでは困る、ということです。

実際の「機械学習を使ったシステムを作る、管理する」という仕事を考えれば、これは明らかですね。
ですから、MLAには、アルゴリズムの使い分けや、モデルの評価に関する機械学習の知識を問う問題がありますし、MLSには、AWSの機械学習関係のサービスの機能や制約を問う問題があります。
機械学習の理論や利用例、AWSの各種サービスについて学んでおくことをお勧めします。
試験時間・問題数・料金
MLA | MLS | |
---|---|---|
試験時間 | 130分 | 180分 |
問題数 | 65問 | 65問 |
料金 | 20,000円 | 40,000円 |
MLSは、試験時間が180分と長いためか、試験会場での受験の場合に予約可能な枠(時間帯)が少ないように感じました。受験を計画したら、早めに会場・時間帯を調べ、予約を取ることをお勧めします。
また、試験の種類“Associate”、“Specialty”の違いにより、料金が異なっていることにも注意してください。
資格の詳細と準備について
資格の詳細は、AWSの公式サイトから、試験のガイドを入手して確認してください。(再掲)
AWSの公式サイトで公開されている資料を読んで学ぶほか、AWSが提供しているオンラインの学習プラットフォーム AWS Skill Builder を利用することもお勧めします。
AWS Skill Builder
なお、Skill Builderの利用については、サーバーワークスにてご相談を承っております。興味のある方は、お問い合わせください。
まとめ
AWSの機械学習に関係する2つの資格(AWS Certified Machine Learning Engineer - Associate、AWS Certified Machine Learning - Specialty)について、簡単に違いをまとめました。
機械学習に焦点を置くか、機械学習に関係するAWSのサービスに焦点を置くかに違いがあります。
機械学習は、多くのビジネス上の課題の解決に取り組む上で、生成AIと同様に、いま注目するべき技術の一つです。ご自身の専門や関心に合わせて、ぜひ学習に取り組んでいただけたらと思います。