【AWSアプデ 05/26】AWS Transfer Family が Microsoft Active Directory をサポート 他7件【#毎日AWS #205】

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はじめに

今回は、 05/26のアップデートについて紹介していきます。
こちらの内容については、YoutubeやPodcastでもアップロードしているので、気になる方はぜひチェックしてください。


■ Youtube での配信

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では、さっそく最新1日のアップデートを見ていきましょう。
今回は 05/26、8件のアップデートがありました。

アップデート内容

AWS Transfer Family が Microsoft Active Directory をサポート

SFTP、FTPS、FTP を使用した、Amazon S3 および Amazon EFS へのシンプルかつシームレ スなファイル転送を行える AWS Transfer Family に関するアップデートです。

今回のアップデートで、ファイル転送ユーザの認証を Microsoft AD で行えるようになりました。

今までは、このサービスが管理するユーザもしくは、API GW 経由で認証を行うカスタムID プロバイダーユーザの2種類がサポートされていましたが、今回新しくもう一つ追加されたと。

連携先 AD は、AWS Managed Microsoft AD もしくは、セルフマネージドな AD の両方からお選びいただけます。

■ メリット

  • エンドユーザは AD ユーザを使用して、シームレスにファイル転送を行うことができます。 ユーザ切り替えせずに作業できるのはうれしいですよね。
  • 管理者側もユーザ管理を AD に寄せられます。

■ リージョン

  • 東京リージョンでもお使いただけます。

AWS Transfer Family を使っている、かつ、環境内に AD がある方はお使いの方はぜひためしていただきたいアップデートです。

AWS Data Exchange のプライベートオファーで、カスタム請求ができるように

クラウド内のサードバーティデータを簡単に検索、サブスクライブできるAWS Data Exchangeについてのアップデートです。

■ プライベートオファー

  • データプロバイダーが、製品をサブスクライブする際の条件を定義できる「オファー」の中で、
  • 選択したサブスクライバー向けに対してのみ提供できるカスタムオファーのこと。
  • 全てのサブスクライバーが利用可能なオファーはパブリックオファーと呼ぶ。
  • これにより、限られたサブスクライバーに製品を提供できる。

今までデータサブスクライバーは、サブスクリプション開始時にプライベートオファーの合計金額を支払う必要があったのですが、

今回のアップデートで、データプロバイダーが指定した任意の請求日で、最大 36 回に分割して支払いができるようになりました。

請求日を決定する場合は、自動で請求日が決定する「月次」オプションと, データプロバイダーが自由に請求日を設定できる「カスタム」オプションの 2つの中から選びます。

■ メリット

  • 支払いが複数支払いになることで、サブスクライバーは利用に沿ったな支払いが可能となります。
  • データプロバイダー側は、自社の決済ルールに従った月々の請求が簡単に行えるように。

既存製品にもカスタム支払いの設定を追加できるので、ご利用の方は検討してください。

AWS Database Migration Service で PostgreSQL バージョン 13 のプレビューが開始

AWS への DB 移行を行う AWS Database Migration Service(DMS) に関するアップデートです。

DMS の移行元もしくは、移行先で PostgreSQL バージョン13 のデータベースがサポートされました。

まだプレビューのため、正式リリースではない点ご注意ください。

Amazon MSK が Apache Kafka version 2.7.1 をサポート

ストリーミングデータのキューイングをとして使われるソフトウェア Apache Kafka のマネージドサービスである Amazon MSK のアップデートです。

今回のアップデートで、Amazon MSK でApache Kafka のバージョン 2.7.1 が新しくサポートされました。

今回のアップデートにはいくつかのバグ修正が含まれています。

詳細はリリースノートをご確認ください。

https://downloads.apache.org/kafka/2.7.1/RELEASE_NOTES.html

Amazon SageMaker Pipelines が Amazon SageMaker Experiments と統合

機械学習向け CI/CD サービスである Amazon SageMaker Pipelines が、ML のトレーニング結果を管理するサービス SageMaker Experiments と統合しました。

今回のアップデート統合により、大きく2つの機能が追加されています。
まず、SageMaker パイプラインにより実行された Trialを SageMaker Experiments の Experiment で管理できるようになりました。

補足しますと、Trial とは、単一のトレーニングジョブを含む学習ステップの集合を指します。  具体的にいうとトレーニングにおける「前処理、学習、学習後のモデル評価」などですね。
Experiment は、Trial の集合です。

参考: https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/amazon-sagemaker-experiments-organize-track-and-compare-your-machine-learning-trainings/

■ メリット

  • 各パイプラインにおけるそれぞれの実行ごとのトレーニングジョブに関するメトリクスを比較できます。   たとえばこれにより、実行ごとのモデルトレーニングの精密度を比較できます。

パイプラインの Experiment は自動で生成されます。

次に、SageMaker Experiments Python SDK を使用して、機械学習モデルの性能を測る指標をSageMakerトレーニングジョブでロギングできるようになりました。

■ メリット

  • 追加された性能評価のメトリクスをみることで、そのモデルの精度を簡単に評価することができます。 具体的な評価指標としては、

  • 受信者動作特性(ROC)メトリック、適合率再現率(PR)メトリック、混同行列

また、ROC 曲線, PR 曲線および混同行列については、要約を SageMaker Pipeline ノードのインスペクターから確認できます。

■ リージョン

  • AmazonSageMakerが利用可能なすべてのAWSリージョン
  • 東京リージョンも含まれます。

Fleet Hub for AWS IoT Device Management が 一般提供開始

IoT デバイスをリモート管理する AWS IoT Device Management に関するアップデートです。

新しく Fleet Hub が一般提供開始となり、   デバイスフリートの状態を管理出来るフルマネージドな Web アプリケーションを簡単に構築できるようになりました。

Web アプリケーションでは例えば次のようなアクションを行えます。

ex)

  • デバイスフリートの登録・操作
  • フリートとデバイスの状態監視
  • アラームをトリガーとしたリモートアクションの実行

■ メリット

  • デバイスフリートの管理体制を即座に構築し、最小限の手間で運用できる点   わずか数分でコード無しでデプロイできます。

■ 利用料

Fleet Hub の機能を利用するごとに料金が発生します。

ex)

  • デバイスステータスやアラームの検索クエリ
  • デバイスに対するリモートアクション

詳細は AWS IoT Device Management の料金ドキュメントをご参照ください。

参考: https://aws.amazon.com/jp/iot-device-management/pricing/

■ リージョン

  • 東京リージョンもお使いただけます。

AWS IoT Device Management が Job Templates 機能をパブリックプレビュー開始

こちらも AWS IoT Device Management に関するアップデートです。

今回のアップデートで、Job Templates 機能がパブリックプレビュー開始しました。

「Job Templates」 とは IoT デバイスで実行されるリモート操作(=Job)を事前に定義するテンプレートです。

作成した Job テンプレートは特定のグループ単位で簡単にデプロイすることができます。

Job の例を挙げると、ファームウェアのダウンロードとインストールや、再起動処理などがあげられます。

既存のジョブからジョブテンプレートを作成することも可能です。

■ メリット

  • 管理者は、複数のターゲットデバイスセットへの Job の高速デプロイが可能です。

■ 利用料

  • テンプレートの作成に料金はかかりませんが、
  • デバイスに展開すると毎月の実行数に応じて費用が発生します

参考: https://aws.amazon.com/iot-device-management/pricing/

■ リージョン

  • 東京リージョン対応

パブリックプレビューということで、正式なサービスリリースはもう少し先になりそうですね。

コンソールと CLI どちらからでも作成できるので、試してみてください!

Amazon Braket が新しい量子回路ノイズシミュレーターDM1 を一般提供開始

聞きなれない方も多いと思うのですが、フルマネージド型の量子コンピューティングサービス Amazon Braket のアップデートです。

今回のアップデートで 新しいノイズシミュレータの DM1 が一般提供開始されました。

今回のアップデートを理解しやすくするために、量子コンピュータの前提からざっくりお話ししますと、

■ ノイズ

まずノイズとは、量子コンピュータ特有の量子エラーを指します。

量子コンピュータは「重ね合わせ」の性質上、演算結果に大量の不正解な値が発生するのですが、この不正解な値=ノイズです。

参考: https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/column/opinion/pdf/11942.pdf

■ ノイズシミュレート

続いて、ノイズシミュレートとは、ノイズの多い量子回路で事前にアルゴリズムをシミュレートすることを指します。

量子コンピュータを使ったアルゴリズム開発では、アルゴリズムの計算精度を高めるために、ノイズによる影響を受けづらいアルゴリズムを開発することが重要です。

ノイズによる影響を受けづらいアルゴリズムを開発するためには、事前にノイズシミュレートを行うことが不可欠です。

そして今回のアップデートで提供される DM1 はノイズシミュレートを、事前に用意されたノイズモデルを用いて行える最新のマネージドシミュレーターとなります。

■ メリット

  • DM 1 は、新規/既存の量子回路に簡単かつ即座にシミュレートの仕組みを実装できます。   Amazon Braket SDK によるわずか 1行のコードを追加するで OK です。
  • 最大17キュービットの量子回路を、最大35のシミュレートで並列シミュレーションすることが可能です。

■ リージョン

  • Amazon Braket が利用できるすべての AWS リージョンで利用可能
  • 現在、 Amazon Braket は一部 US リージョンでのみ利用可能です。

以上8件、05/26のアップデートでした。

最後に

過去の放送やSNSもやっているのでフォローしていただけると嬉しいです!

また来週!


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