こんにちは、加藤ゆです。
今回は、AWS利用料金の支払いと請求に関して、基本的な情報をまとめてみます。
AWSと直接契約している場合と、当社AWS請求代行サービスをご利用の場合で異なりますので、ご利用条件に合わせてご確認ください。
AWSの料金体系
AWSサービスは、利用分のみ支払う「従量課金」の料金体系です。
サービスを使用した分だけお支払いいただきます。
各AWSサービスの利用料金については、本ブログでは触れませんので下記を参照ください。
AWS直接契約とAWS請求代行サービス
日本円で請求書払いにしたい場合は、AWS請求代行サービスをご利用いただくことをお勧めします。
AWSと直接契約 | サーバーワークスと契約 ※当社AWS請求代行サービスご利用の場合 |
|
---|---|---|
契約先 | AWS | サーバーワークス(AWSパートナー) |
支払い方法 | クレジットカード 請求書払い※条件付 |
請求書払い |
支払い通貨 | 日本円 (JPY) or 米国ドル (USD)※条件付 |
日本円(JPY) |
締め日 | 月末 | 月末 |
請求書発行時期 | 翌月3日~ 5日(UTC) | 翌月10日まで(JST) |
また、リセラー契約では単に支払いを代行するだけではありません。
リセラーにより提供サービスは異なりますが、付帯サービスが受けられる場合がほとんどです。
当社サーバーワークスの場合、 有料のサポートプランであるAWSエンタープライズサポート相当の対応を提供可能なこと等があげられます。
その他、当社請求代行プランに応じて提供サービスが異なりますので、詳細は下記をご確認ください。
支払方法
1. AWSと直接契約の場合
AWSアカウントを作成する際に、基本的にはクレジットカードの登録が求められます。
AWSサービスの利用にはクレジットカードの認証が通っていることが前提条件です。
原則は クレジットカード支払い
サービスプロバイダーによって、利用可能なカードが異なります。
AWSアカウントの所在地(税金設定、請求先、連絡先の住所など)が日本国内であれば、基本的に「Amazon Web Services Japan G.K.」です。
Amazon Web Services Japan G.K.(AWS ジャパン)
JCB、Visa、Mastercard、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブが発行したクレジットカードおよびデビットカード
中国銀聯 (CUP) のクレジットカード
https://repost.aws/ja/knowledge-center/accepted-payment-methods
請求書払い(海外送金)は条件付きで可能
利用額が多い場合、クレジットカードの与信枠を超えてしまうことが想定されます。
額が高い等の一定条件を満たせば、AWS 口座へ海外送金が可能です。
その場合、海外送金手数料は利用者負担となるので、ご注意ください。
Q. クレジットカード以外の支払方法はありますか?
一定条件を満たす場合には お客様より AWS 口座へ送金いただく仕組みをご用意しております。 送金にかかる手数料はお客様負担でございます。 https://aws.amazon.com/jp/aws-jp-faq/
希望する場合は、AWSサポートへチケット起票にて依頼する必要があります。
過去の資料では、下記条件が指定されていました。
最新情報はAWSサポートへ問い合わせいただくことをお勧めします。
1.過去3か月間、$2000以上の利用実績がある
2.過去分の請求に未払いがない
2022 年 2 月 1 日より、日本国内の請求書払いのアカウントは支払先が AWS Inc. から AWS Japan に変わりました
以前はデフォルトでドル払い(USD)だった支払い通貨は、デフォルト日本円(JPY)での支払いとなりました。
これは、クレジットカード支払い・請求書支払い のいずれの場合にも該当します。
1.アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社(AWS Japan)とは何ですか?
2022 年 2 月 1 日より、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社(AWS Japan) が、Amazon Web Services, Inc. (AWS Inc.) に代わり、日本国内の全てのアカウントに対する新しい AWS クラウドサービスの契約当事者となります。
したがって、日本国内のすべてのアカウントは AWS Inc. ではなく、AWS Japan からクラウドサービスを購入することになります。
日本国内の請求書払いのアカウントは、2021 年 11 月 1 日に、既にAWS Japan に移行されています。7.契約先が AWS Japan に変わると、何が変わりますか?
請求書払いのお客様は、米国ドル (USD) または日本円 (JPY) で支払うことができます。
お支払い通貨の設定を更新していない場合は、アマゾン ウェブ サービス 合同会社の現地通貨である JPY で AWS Japan にお支払いいただきます。
AWS Japan でご利用可能なカードは、Visa、Mastercard、American Express、JCB、Diners Club、銀聯です。 クレジットカード払いのお客様は、JPY でお支払いいただきます。 お選びいただいた通貨に従って、JPY または USD で請求書が発行されます。いずれの場合も、AWS のサービス料金は USD で表示されます。 https://aws.amazon.com/jp/legal/awsjp/?ref_=pe_3594660_602755290
尚、支払い通貨は設定変更することが可能です。
docs.aws.amazon.com
2. 当社AWS請求代行サービスご利用の場合
日本円での請求書支払いです。
当社の定める為替レートに従って、日本円でご請求いたします。
尚お支払いの期日は、月末締めの翌月末支払いとさせていただいています。
利用月の翌月末日までに、当社が指定する銀行口座への振込により、一括でお支払いください。
請求書の発行
AWSをご利用いただくと、毎月1か月間(1日~月末最終日)の利用料金が請求されます。
AWS利用料金は月末で締められ、ご請求金額は翌月3日~ 5日(UTC)の間に確定します。
1. AWSと直接契約の場合
利用料が発生した翌月に、請求書が発行されます。
請求金額の計算は、協定世界時(UTC)が基準です。
例:
- 6/1 AM8:00(JST)に発生した利用料金は、 5月分の利用料金として計上される
- 6/15 にアカウント解約した場合、6/1 - 6/15 期間の利用料金は、7/3 - 5(UTC)に確定し請求される
尚クレジットカードの支払い時期は、請求書発行後、即時決済です。
海外送金の場合は、請求書発行に支払期日の記載があります。
いずれの支払い通貨であっても、サービス料はUSDで表示されます。
日本円で支払う場合は、請求額は JPY に換算されます。
なお為替レートの算出方法は非公開です。
Q.米ドルの請求金額を希望支払い通貨に変更する場合は、いつの為替レートが使用されますか?
請求書が発行されるタイミングで適用されるレートが決定しますが、そのレートの算出方法や参照元に関しましてはこちらのドキュメント(英語版)にてご確認いただける内容以上の情報は公開されておりません。
実際に適用されたレートは、発行された PDF 請求書上にてご確認ください。
https://aws.amazon.com/jp/aws-jp-faq/
月額請求ではなく、個別に請求書が発行されるサービスもあります
1度限りの支払いとなる対象は、AWSサービスの月額請求書とは別に個別で請求書が発行されます。
AWS Marketplaceを利用した場合
→ サービス利用翌月の3-7日ごろに請求書発行リザーブドインスタンスを前払い購入、Route53ドメインの登録/更新 等をした場合
→ 購入時に請求書発行
[AWS 初心者向け Webinar] AWS 支払いと請求
2. 当社AWS請求代行サービスご利用の場合
利用料が発生した翌月に、日本円換算したPDF請求書をお送りします。
月額のAWS利用料金は翌月3日~ 5日(UTC)の間に確定しますので、
料金確定後、10日(JST)までに請求書をお送りします。
複数のアカウントのAWS利用料金を一括で支払いたい
AWS Organizationsの一括請求機能をご利用ください。
AWS Organizationsとは
複数のAWSアカウントを一元管理することができるアカウント管理サービスです。
一元管理機能のひとつに、「一括請求」があります。 他にもOrganizations の機能はありますが、ここでは一括請求機能に関わる機能のみを記載していきます。
Organizations用語
出てくる用語を簡単に説明します。
用語 | 説明 |
---|---|
組織(Organizations) | 複数アカウントを一元管理する1セット |
Organization Unit(OU) | 組織内で、さらに複数のアカウント毎にグルーピングしたもの |
Root | AWS Organizations における最上位のOU、組織階層の開始点 |
AWSアカウント | Organizations組織の最小単位 |
マスターアカウント (=親アカウント/コンソリアカウント/マネジメントアカウント/Payer/管理アカウント) |
組織の長となるAWSアカウント 支払いを司るアカウント |
メンバーアカウント | 組織配下にぶら下がるその他のAWSアカウント |
一括請求(Consolidated Billing)
一括請求(Consolidated Billing)とは、複数のアカウント請求を1つにまとめる機能です。
組織配下の全AWSアカウントの請求を、1つのAWSアカウントに集約することができます。
すべてのメンバーアカウントの料金を支払う管理アカウントを利用することで、
請求をひとまとめに出来ます。
通常、AWSアカウントごとに請求書が発行されますが
本機能を利用いただくことで、請求が1つになるので請求管理がシンプルです。
メリット
- 1.複数アカウントに対して、請求書が1つになる
- 2.管理アカウントで、組織内の複数アカウントの明細が確認できる
- アカウント毎の料金明細、使用状況データがDL可能
- 3.ボリュームディスカウントを利用できる
- ボリュームディスカウント、リザーブドインスタンス、Savings Plans等の利用が可能
- 4.一括請求(Consolidated Billing)自体は追加料金なし
おわり
AWSの請求と支払いについてまとめてみました。
「AWSの請求金額は 利用翌月の3日~ 5日(UTC)の間に確定する」というところが、
あまり知られていないポイントな気がします。
契約先(AWSと直接契約・リセラー契約)に関わらずサービス利用者であれば影響を受ける部分ですので、知っておくとどこかで役に立つかもしれません。
また、一括請求でご紹介したAWS Organizationsは、他にもアクセス制御や統合/委任など複数の機能があります。
AWS Organizations の概要については、ぜひ弊社ブログを参照ください。
最後までご覧いただきありがとうございました!