re:Inventその後)エンジニアから見た re:Invent 前後のお客様の変化

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こんにちは、磯谷です。

最近はバスケットボールのBリーグに夢中です。 仙台89ersの試合会場によく出没しています。

1. はじめに

AWSのre:Inventは、最新のクラウド技術や活用事例が一堂に会する世界最大級のカンファレンスです。年々オンラインでの情報収集が充実する中、私たちがわざわざ現地まで足を運ぶ意義は何でしょうか? 私たちエンジニアにとって、現地での参加には特別な価値があります。その場でしか味わえない熱量、直接的な対話から生まれる気づき、そして予期せぬ出会いから広がる可能性。技術的な情報以上に、このような体験が私たちの成長を促してくれます。

それは私たちエンジニアだけではなく、様々な立場からAWSに関わるお客様においても同様でした。

当記事では、エンジニア目線から見たお客様の re:Invent 前後の変化を考えていきます。 「私はエンジニアではないから...」とre:Inventへの参加を迷われている方の後押しになれば幸いです。

2.前提

re:Inventへの参加状況

  • 私は初めてre:Inventへ参加
  • 普段からお仕事をご一緒させていただいているお客様に同行

お客様の立場

  • 非エンジニアからキャリアをスタート
  • 異動後、システム管理の立場からECサイトの業務運用をご担当
  • 近年は組織のIT内製化推進へキャリアを広げられた

3. re:Invent 参加前の準備

当初の想定

エンジニアである私は、re:Invent現地でのお客様への技術的な解説役として参加することを想定。 セッションの内容は技術的に深いものも多く、補足説明も必要だったためです。

お客様との事前準備

re:Inventへの参加を検討される際、担当職種によっては技術面での不安を感じる方も多いのではないでしょうか。 もちろん基礎的な技術理解があれば、現地でより深い学びを得ることができます。

お客様の技術セッションについて、私達エンジニアと事前に相談させていただきお客様ご自身の技術理解の度合いや組織の関心に合わせたセッション選びを支援させていただきました。 事前準備として最も重要なのは、現在の課題や興味のある分野を明確にしておくことです。それをベースに、エンジニアと相談しながらセッションを選んでいくことでより効果的な参加計画を立てることができます。

以下のような事前準備をされている場合、セッション選びはより充実したものとなります。

  • 組織として取り組みたい技術領域のリストアップ
  • 具体的な課題や検証したい仮説の整理

実際、今回ご一緒したお客様も、事前に重点領域を定め、そこを中心にセッションをともに選択しました。

4. re:Invent 現地にて

基調講演や顧客事例紹介の現地セッションにお客様と参加しました。その後の対話にて、お客様と新たな価値を発見することになりました。 その場で感じた疑問や着想を共有し、具体的な活用シーンを一緒に検討する中で、お客様環境における技術の可能性がより鮮明に見えてきました。

  • セッション後の対話では、想定以上に具体的な活用アイデアが次々と生まれていった
  • お客様はセッションの内容を具体的な活用シーンと結びつけて議論を展開された

今回であれば、一例として基調講演後の「なぜ今EC2の話題がはじめにくるのか?」や「Amazon Novaの登場が持つ意味やお客様環境における活用シーン」などです。 そのお客様の積極的な姿勢に、新鮮な驚きを感じると同時に、私たち自身の可能性も広がっていくように感じました。 エンジニアとして日頃からお客様のビジネス課題解決に向き合う中で、技術がもたらす可能性については意識してきたつもりでしたが、当初の技術サポートの役割以上に多くの気づきを得ることになりました。 技術とビジネスの両面からお客様への価値を考えようと努めている私たちエンジニアですが、時として慎重になりすぎている面があるのかもしれません。お客様の前向きな視点に触れることで、技術の可能性をより開かれた視点で捉えられるようになりました。 このような対話の積み重ねは、オンラインでは得難いプラスアルファの価値だったと感じています。

今回の本筋ではないので内容は省略しますが、堅いことばかり書いていますが、現地では交流パーティやコミュニケーションイベントも多いのでさらに懇親を深められたことにも触れておきます。

5. re:Invent から帰国後の変化

特に印象的だったのは帰国後のお客様の変化です。以下のような変化がありました。

  • お客様は生成AIの検証システムを自ら実装された(それまでお客様環境ではAWS上で同システムの展開はありませんでした)
  • 帰国後の打合せにおいても、ビジネス的な議論はもとより技術的な議論も幅と深さが確実に出てきた

re:Inventへの参加で受けた刺激がこれほど迅速に具体的な行動へと結びつくことは想像していませんでした。 現地で共有できた経験が、より深い相互理解と具体的な議論につながっています。 普段の協業の質も大きく向上したと感じています。

6. おわりに

re:Inventは、多様な視点が交わる場です。 そこでの対話から生まれる気づきは、お客様をご支援させていただく我々の想像はもとより、お客様自身の想像を超える可能性を開いてくれる体験になります。ぜひ、この機会を活用していただければと思います。

次回のre:Inventで、皆様とどのような気づきが共有できるのか楽しみにしております。

磯谷 洋輔(いそや ようすけ)(執筆記事の一覧)

エンタープライズクラウド部 ソリューションアーキテクト1課

AWSをがんばってます。2024Japan AWS All Certifications Engineer