【AWS re:Invent 2025】未来の参加者へ伝えたい「やってよかったこと」vs「もっとやればよかったこと」

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こんにちは。サーバーワークス岡部です。

本ブログでは初めて re:Invent に参加した私が「これをやってよかった」「もっとこれをやっておけばよかった」という内容をご紹介したいと思います。 出発前にいくつものブログを読み漁ったり、社内の経験者に話を聞いたりしましたが、それでも「もっとこれに時間を使えばよかった」というものは多くありましたので、来年以降 re:Invent に参加される方の1人の意見としてご参考にしていただけたらと思います。

はじめに

re:Invent は単なる技術カンファレンスではなく、街全体を巻き込んだ「AWS のお祭り」でした。
現地に到着してまず圧倒されたのは、そのスケール感です。広大な会場、世界中から集まるエンジニアの熱気、そして絶え間なく行われるセッションの数々。

初参加の私は「とにかく学びきらなければ!」と意気込んでいましたが、実際に現地で過ごしてみると、事前の想定とは違った動き方をした方が良い場面も多々ありました。
今回はその中から、特に印象に残っているポイントをピックアップします。

Keynote では朝 5時に起きて、いい席に座れました

これをやってよかった

1. 勇気を出して「GameDay」に参加したこと

正直に言うと、参加前は一番ハードルが高いと感じていました。「英語でのコミュニケーションが必要」「即席チームでの対応」という点で不安がありましたが、結果として、これが一番の思い出であり、最高の学びの場でした。

リアルなトラブルシューティング体験 GameDay は、与えられたシナリオの中で発生する課題やトラブルを AWS サービスを使って解決していく実践型のイベントです。座学のセッションとは異なり、「実際に手を動かして解決する」というプロセスは、エンジニアとしての対応力が試され、非常に刺激的でした。 特に今回はセキュリティ関連のシナリオでしたが、実戦さながらの緊迫感の中でチームと協力して課題をクリアしていく体験は、座学だけでは得られない貴重な学びとなりました。このような高品質な演習環境がいきなり提供されること自体が、素晴らしい機会だと思います。

また、英語でのコミュニケーションを覚悟していましたが、列に並んでいる時点から「日本語でのやり取りを希望する方はこちらにお願いします」と声をかけていただき、日本の他の企業様メンバーとチームを組み実施することになりました。
ドキュメントやコンソール画面も日本語版も用意していただけていましたし、言語の壁は意識せずに参加できました。

もし参加を迷っている方がいたら、絶対にエントリーすることをおすすめします。

AWS GameDay Security

2. 「予約なし(Walk-up)」でセッションに突撃したこと

出発前、最も懸念していたのが「見たいセッションの予約が取れない問題」でした。人気セッションはカタログ公開直後に満席になり、Waiting List にすら入れないこともあります。

しかし、現地では「予約がなくても、意外となんとかなる」ということが分かりました。

Walk-up(当日枠)の列は進みが早い 多くのセッション会場では、予約者用の列とは別に「Walk-up」の列が用意されています。会場が非常に広いため、予約キャンセル分や空席に次々と案内され、人気セッションでも開始15〜20分前に並べば入れるケースが多かったです。 この経験から学んだのは、「予約が取れるかどうか」ではなく「見たいかどうか」を基準に選ぶべきだということです。 予約状況を見て空いている枠を探すのではなく、見たいセッションがあれば迷わずお気に入りに登録して時間を確保する。そして予約が取れなければ当日並ぶ。これこそが re:Invent を最大限楽しむコツだと思います。 柔軟なスケジュール変更が可能 「予約していないから無理だ」と諦めるのではなく、気になるセッションがあればとりあえず会場に行ってみる。このフットワークの軽さが、re:Invent を楽しむ秘訣だと感じました。

もっとこれをやればよかった

1. セッション会場の「移動距離」を考慮したスケジュール組み

「ラスベガスのホテル間の移動」を甘く見ていました。 地図上では隣に見えるホテルでも、実際に移動すると巨大なカジノフロアを抜け、長い廊下を歩き、バスに乗り……と、片道30分以上かかることもザラです。

今回は「内容」重視でスケジュールを詰め込んでしまったため、移動だけで体力を消耗してしまいました。
「午前中は Venetian、午後は Caesar's Forum」のように、エリアを固めてセッションを選ぶ、あるいは移動時間を休息時間としてバッファを持たせることが、長期戦を乗り切るために必要だと痛感しました。

ちなみに会場は大きく 5つ(Venetian、Caesar's Forum、Wynn/Encore、MGM Grand、Mandalay Bay) あります。
Venetian、Caesar's Forum、Wynn/Encore は隣同士ですが、そもそもそれぞれのホテルが巨大なので、現在位置によっては移動にかなり(10〜20分)時間がかかります。
また、MGM Grand や Mandalay Bay はそこから大きく離れており、シャトルバスに乗らないと移動できない距離感です。

2. Expo 会場でもっとベンダーと話せばよかった

セッション参加に重きを置きすぎて、Expo(展示会場)を回る時間が少なくなってしまいました。 ここには AWS のエキスパートや、サードパーティ製品のエンジニアが常駐しており、直接技術的な質問をぶつけることができます。

正直なところ、各ブースで配られている SWAG(ノベルティ)を「単なるお土産」程度に考えていて、「荷物になるし、わざわざ行かなくて良いかな」と軽く見ていました。 しかし、他の参加者の話を聞くと、そこには普段触れることのないサービスや、各分野のスペシャリストが常駐しており、深い技術的な話ができたそうです。

今思うと、Expo は「モノ」をもらう場所ではなく「知見」を得る場所でした。「英語が……」と尻込みせず、もっと積極的にブースに立ち寄って、最新のトレンドや技術についてディスカッションすればよかったと後悔しています。

re:Invent で変わった「エンジニアとしての視座」

最後に、今回の参加を通じて私自身の中に生まれた変化について触れたいと思います。

正直なところ、新しい機能やサービスのアップデート情報は、日本にいてもオンラインでキャッチアップすることは可能です。
しかし、現地で世界中のエンジニアが目を輝かせて議論し、新しい技術に触れて歓声を上げている姿を目の当たりにして、「自分もこの熱狂の中心で、もっと技術を使いこなせるエンジニアになりたい」という強烈なモチベーションが生まれました。

他のメンバーも話していたのですが、「AWS を使う」だけでなく「AWS を使って何を作るのか、実現するのか」「世界に対してどうアウトプットしていくか」。 そういった視座の高さを肌で感じられたことは、技術的な知識以上に大きな収穫でした。
この刺激を糧に、今後はより一層、お客様やコミュニティに対して価値ある提案ができるよう、技術力の向上に励んでいきたいと強く思っています。

おわりに

初めての re:Invent は、技術的なインプットはもちろん、「世界のエンジニアと同じ場所に立っている」という高揚感を含め、何物にも代えがたい経験となりました。

このブログを読んでいる方の中には、いつか行ってみたいけれど……と迷っている方もいるかもしれません。 そんな方へ、私から伝えたいことは一つだけです。 「チャンスがあるなら、絶対に行くべきです」

現地の空気、規模感、そして熱気は、行ってみなければ分かりません。 ぜひ来年は、皆さんもラスベガスの会場で、この熱狂を体験してください。
私もまたあの場所に戻れるよう、日々の業務に取り組んでいきます!

岡部 純 (執筆記事の一覧)

カスタマーサクセス部所属
AWS資格全冠取得、2024 - 2025 All Certifications Engineers
マルチアカウント、AWS Organizations 運用を得意としています