LLMOとSEOの違いを整理する:AIが回答の情報源を得る2つの経路とクローラー

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この記事は 2026年10月 時点の情報です。

はじめに

こんにちは、椎名です。現在OJT先のマーケティング部で学んでいます。

マーケティングの現場では、企業のサービスがお客さまの目に留まるよう、さまざまな取り組みが行われています。そのひとつが SEO(Search Engine Optimization)です。SEO とは、検索エンジンで自分のページを見つけてもらいやすくするための取り組みです。

しかし近年は、情報を探すときに生成 AI の機能を使う人が増えていると、Google は説明しており(1)、こうした AI の回答の中で、自分のサイトが引用・言及されやすくする取り組みはLLMO(Large Language Model Optimization)と呼ばれています。

そこで今回のブログでは、LLMO と SEO の違いを、AI が回答の情報源を得る仕組みから整理します。

(1) Google Search Central「Optimizing your website for generative AI features on Google Search」(2026年7月10日更新、確認日 2026年10月22日)

1. LLMO と SEO の定義と比較表

まず、2つの言葉を表で比べます。

用語 目的 公式な定義
SEO 検索エンジンで見つけられやすくする あり(Google の公式ガイドなど)
LLMO AI の回答で、引用・言及されやすくする(この記事での意味) 確認できず

それぞれの意味を、もう少し詳しく見てみます。

  • SEO
    • 検索結果の中で、自分のページを見つけてもらいやすくするための取り組みです。
    • Google が公式ドキュメントで説明していて、定義ははっきりしています(1)。
  • LLMO
    • ChatGPT などの AI が作る回答の中で、自分のサイトを紹介してもらいやすくするための取り組みです。
    • ねらいは、検索結果に表示されることではなく、AI の回答に登場することです。
    • 公式な定義は、調べた限り見つかりませんでした。人によって使い方が違うかもしれないので、この記事では、ここで書いた意味で使います。

2つの違いは「どこで見つけてもらうか」だと考えることができます。SEO は検索結果の中、LLMO は AI の回答の中です。

ただ、AI も回答を作るときに、検索で情報を集める仕組みを使うことがあるようです。そのため、2つはきれいに分類することはできません。

出典

(1) Google Search Central「Optimizing your website for generative AI features on Google Search」(2026年7月10日更新、確認日 2026年10月22日)

2. AI が回答の情報源を得る2つの経路

前の節で、LLMO は「AI の回答の中で見つけてもらう」取り組みで、SEO は「検索結果の中で見つけてもらう」取り組みだと書きました。そして、AI も回答を作るときに、検索の仕組みを使うことがあるとも書きました。

そこで、まずは AI がどこから情報を得て回答を作っているのかを見てみます。ここが分かると、「AI の回答の中で見つけてもらう」ために何が関わってくるのかが見えてくるからです。

AI が回答を作るとき、情報の出どころは大きく2つあります。

  • モデルの内部知識
    • 学習のときに取り込んだ知識です。モデルの中(パラメータ)に保存されています。
  • 検索して取得した情報
    • 質問を受けたあとで、Web などから関連する情報を取ってきて、回答の材料にします。

経路 情報の出どころ 新しさ
内部知識 学習データ 学習した時点で止まる
検索連携 質問のときに取得した情報 新しい情報も使える

2つ目の経路の考え方は、RAG(Retrieval-Augmented Generation、検索拡張生成)と呼ばれます。検索で取得した情報を LLM に渡して、回答を作らせる手法です。

3. 検索連携の流れ(Google の場合)

前の節で、AI の回答の情報源には、モデルの内部知識と、検索して取得した情報の2つがあると書きました。この節では、後者の流れを、公式の説明がある Google の AI 機能で見ていきます。

Google の AI 機能は、主に2つあります(2)。

  • AI Overviews:複雑な話題の要点を、すばやくつかめるようにする機能です。
  • AI Mode:何度も検索が必要になりそうな、深く調べたい質問に向いたモードです。

回答ができるまでの流れを、5つのステップに整理すると、次のようになります(1)(2)。

  1. ユーザーが質問する。
  2. 質問から、関連する検索を複数同時に実行する(query fan-out)。
  3. Google の検索インデックス(集めたページのデータベース)から、関連するページを取得する。
  4. 取得したページの内容をもとに、回答を作る。
  5. 回答と一緒に、根拠になるページへのリンクを表示する。

ステップ2の query fan-out は、1つの質問を、関連する複数の検索に広げる手法です。たとえば「庭の雑草をどうにかしたい」という質問から、除草剤の選び方、薬を使わない方法、雑草の予防法といった検索が、同時に作られるイメージです(1)。ステップ3〜5は、前の節で出てきた RAG の流れにあたります。

AI 機能に表示される条件は、次のとおりです(2)。

  • ページが検索にインデックスされていて、スニペット(検索結果に出る要約文)つきで表示できること
  • それ以外に、追加の技術的な条件はないこと
  • ただし、条件を満たしても、表示が保証されるわけではないこと

一方で、次のような対策は必要ないと説明されています(1)(2)。

  • AI 向けの特別なファイルやマークアップ(llms.txt など)を作ること。Google 検索はこれらを使っていません。他のサービスのために作るのは問題なく、Google 検索での見え方には影響しないとも書かれています。
  • 生成 AI 検索のための、特別な構造化データ(ページの内容を機械が読める形で埋め込むもの)を追加すること。
  • AI 向けに、文章を書き直すこと。

そのうえで、基本は、これまでの SEO のベストプラクティスを続けることだとされています(2)。

Google の AI 機能に限れば、LLMO のために特別にやることは SEO とほぼ重なる、というのが公式の説明です。ただ、これは Google の AI 機能の話です。ChatGPT や Claude など、ほかのサービスに当てはまるかどうかは、この説明からは分かりません。次の節では、OpenAI と Anthropic の公式ドキュメントから、クローラーの役割を見ていきます。

出典

(1) Google Search Central「Optimizing your website for generative AI features on Google Search」(2026年7月10日更新、確認日 2026年10月22日)

(2) Google Search Central「AI features and your website」(最終更新 2025年12月10日、確認日 2026年10月22日)

4. クローラーの3つの役割

前の節で、Google の AI 機能は、検索インデックスから関連するページを取得していると書きました。ほかのサービスでも、ページを集める入口になるのは、クローラーです。この節では、OpenAI と Anthropic の公式ドキュメントから、クローラーの役割を見ていきます。

クローラーとは、Web ページを自動で巡回して、内容を取得するプログラムです。両社とも、役割ごとに別のクローラーを用意しています(3)(4)。

役割 OpenAI Anthropic
学習用 GPTBot ClaudeBot
検索用 OAI-SearchBot Claude-SearchBot
ユーザー操作用 ChatGPT-User Claude-User

それぞれの役割は、次のとおりです(3)(4)。

  • 学習用
    • モデルの学習に使われる可能性のあるコンテンツを集めます。
    • 制限すると、そのサイトの内容を学習に使わないでほしい、という意思表示になります。
  • 検索用
    • AI の検索機能のために、ページを集めます。
    • OpenAI は、制限したサイトは ChatGPT の検索回答には表示されないと説明しています(3)。Anthropic は、制限すると検索用のインデックスから外れ、見え方や正確さが下がる可能性があると説明しています(4)。
  • ユーザー操作用
    • ユーザーが質問したときに、その場でページにアクセスします。自動で巡回するものではありません。
    • OpenAI は、ユーザーの操作が起点のため、robots.txt のルールが適用されない場合があると説明しています(3)。

OpenAI は、これらの設定はそれぞれ独立していると説明しています。たとえば、検索用は許可したまま、学習用だけ拒否することもできます(3)。

この「来ないでください」を伝えるのが、robots.txt です。サイトのルートに置くテキストファイルで、クローラーへのお願いを書きます。たとえば、次のように書きます。

User-agent: GPTBot
Disallow: /
  • 1行目の User-agent: GPTBot は、どのクローラーへの指示かを示します。ここでは、OpenAI の学習用クローラーです。
  • 2行目の Disallow: / は、「巡回しないでください」という意味です。/ は、サイト全体を指します。

この例は、仕組みを説明するためのものです。設定をすすめるものではありません。

また、Anthropic は、自社のボットが robots.txt の「クロールしない」という指示を尊重すると説明しています(4)。

出典

(3) OpenAI「Overview of OpenAI Crawlers」(確認日 2026年10月22日)

(4) Anthropic「Does Anthropic crawl data from the web, and how can site owners block the crawler?」(Claude ヘルプセンター、2026年4月7日更新、確認日 2026年10月22日)

まとめ

この記事では、LLMO と SEO の違いを、AI が回答の情報源を得る仕組みから整理しました。要点は、次の3つです。

  • LLMO は、AI の回答の中で見つけてもらう取り組みで、SEO は、検索結果の中で見つけてもらう取り組みです。LLMO には、公式な定義はありませんでした。
  • AI の回答の情報源は、モデルの内部知識と、検索して取得した情報の2つです。後者の入口になるのが、検索インデックスや、各社のクローラーです。
  • Google の AI 機能については、SEO のベストプラクティスの延長で、特別な対策は必要ないと説明されています。Google 以外のサービスについては、別に確認する必要があります。

LLMO は、見解や仕様が変わりやすい分野です。私自身も学習中なので、この記事の内容は、参考にした公式ドキュメントとあわせて、確認してみてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

椎名 光介(執筆記事の一覧)

好きなダックスフンドの色:ブラックタン