こんにちは。
DevOpsが好きなアプリケーションサービス部の兼安です。
本記事は「Amazon Neptuneで始める初めてのグラフDB」というテーマの連載記事の3回目です。
- Amazon Neptuneで始める初めてのグラフDB① NeptuneクラスターとNotebookの作成
- Amazon Neptuneで始める初めてのグラフDB② Gremlinを用いたグラフデータの基本操作
- Amazon Neptuneで始める初めてのグラフDB③ Amazon NeptuneとTom Sawyer Graph Database Browserとの接続
- Amazon Neptuneで始める初めてのグラフDB④ G.V()を用いてローカル端末からAmazon Neptuneに接続する
- 本連載記事の目標
- 第3回目の目標
- Amazon Neptuneに接続しクエリを実行および可視化できるツール
- Tom Sawyer Softwareとは
- AWS MarketplaceでEC2のAMIを購入し、Tom Sawyer Graph Database Browserを起動する
- セキュリティグループの設定
- Tom Sawyer Graph Database Browserの初期設定
- 次回に向けて
- 参考記事
本連載記事の目標
- Amazon Neptuneに対する基本的な操作・認証・運用方法を習得する
- Amazon Neptuneの全文検索を実装する
第3回目の目標
- Tom Sawyer Graph Database Browserを起動し、Amazon Neptuneに接続してクエリを実行可能にする
第2回までで、VPCとAmazon Neptuneクラスターはできているので、本記事ではTom Sawyer Graph Database Browserの起動とAmazon Neptuneとの接続方法を記載します。
Amazon Neptuneに接続しクエリを実行および可視化できるツール
AWS公式ページでは以下のツールが挙げられています。
- The open-source graph-explorer
- Tom Sawyer Software
- Cambridge Intelligence
- Graphistry
- metaphacts
- G.V()
- Linkurious
いくつか試してみたところ、Tom Sawyer Softwareが一番使いやすいと感じました。
そのため、本記事ではTom Sawyer Softwareを使用します。
G.V()もクライアントから手軽にNeptuneを操作できて魅力的なので、こちらは次回触れたいと思います。
Tom Sawyer Softwareとは
Tom Sawyer Softwareは、グラフやネットワークの視覚化、分析、レイアウトソリューションを提供するソフトウェア企業です。
企業名であり固有のプロダクトの名前ではないのですが、各種媒体ではTom Sawyer Softwareの提供するソフトウェア群の総称というニュアンスで書かれているようです。
今回はNeptuneに接続しクエリを実行および可視化したいので、Tom Sawyer SoftwareのTom Sawyer Graph Database Browserを使用します。
Tom Sawyer Graph Database Browserは、MySQLにおけるphpMyAdminのように、WebブラウザでグラフDBに対してクエリを実行できるツールです。
AWS MarketplaceでEC2のAMIを購入し、Tom Sawyer Graph Database Browserを起動する
上記のAWSのTom Sawyer SoftwareのページにあるAmazon MarketplaceのTom Sawyer Graph Database Browserの紹介ページから、Tom Sawyer Graph Database BrowserのAMIを購入し、起動します。
または、EC2の起動画面でTom Sawyer Graph Database Browser
と入力して検索するとAMIが出てくるので、そこから起動します。
私は後者の方が見慣れた画面なので、こちらの方がやりやすいと感じました。
設定は通常のEC2と概ね一緒です。Amazon Neptuneに接続するのが目的なので、ネットワークの設定はそれを意識します。
本記事では、以下の構成としました。
セキュリティグループの設定
以下のように設定します。
リソース | ポート | ソース |
---|---|---|
Tom Sawyer Graph Database Browser(EC2) | 80 | 開発のネットワークのCIDRなど |
Amazon Neptune | 8182 | Tom Sawyer Graph Database Browser(EC2)のセキュリティグループ |
Tom Sawyer Graph Database Browserはブラウザでアクセスするツールなので、HTTP通信を許可します。本記事ではHTTPSまでは設定していないため、HTTPのみ許可します。Amazon Neptuneの8182はNeptuneのデフォルト設定のポート番号です。
Tom Sawyer Graph Database Browserの初期設定
Tom Sawyer Graph Database Browserへのアクセス
EC2でTom Sawyer Graph Database Browserが起動したら初期設定を行います。
Amazon MarketplaceのTom Sawyer Graph Database Browserの紹介ページに、Usage
にURLや初期パスワードの記載があるのでそれに倣います。
URLはhttp://{instance_url}/databasebrowser
とありますね。
{instance_url}
の部分はIPアドレスでもOKなのを確認しています。
初期パスワードはEC2のインスタンスIDですね。
Once the instance is running, access via a web browser: http://{instance_url}/databasebrowser The instance_url is determined by your instance host name or IP. On first login, your credentials are:
User: admin Password: {instanceID}
The instance ID is available in the description of your AMI in your Amazon console. Once you sign in, you will be prompted to change the user email and password.
初回ログインと、パスワードの再設定
URLにアクセスすると、ログイン画面が開くので初期パスワードでログインします。
パスワードの再設定とメールアドレスの入力を要求されるので、入力し、パスワード変更を確定します。
ちなみにメールサーバーの設定していないので、確認メールは届きません。
パスワード再設定画面でClose
をクリックすると、Databases
の画面に遷移するのでAdd Database
をクリックします。
Amazon Neptuneとの接続設定の作成
New Database
画面に遷移します。Vendor
にAmazon
、Database
にNeptune
を選択し、Save
をクリックします。
Databases
にNeptuneが追加されるので、Action
> Connections
を選択します。
Connections
の画面に遷移するので、Add Connection
をクリックします。
New Connection
の画面に遷移するので、情報を入力し、Save
をクリックします。Cluster Endpoint
にはNeptuneクラスターのタイプ:書き込みとなっているエンドポイントを入力します。
本記事の時点ではIAM認証は有効化していないため、IAM Database Authentication
はOFF
にします。
これでConnectionsが登録できました。
Connections
の画面に行が追加されているので、Actions
> Connect
でNeptuneの接続ができるようになります。
以上で初期設定は終了です。
Connect
をクリックすると、クエリの実行と結果を可視化する画面が表示されます。
次回に向けて
本記事はここまでです。
次はもう一個だけツールを試してみます。
参考記事
兼安 聡(執筆記事の一覧)
アプリケーションサービス部 DS3課所属
2024 Japan AWS Top Engineers (Database)
2024 Japan AWS All Certifications Engineers
認定スクラムマスター
広島在住です。今日も明日も修行中です。