はじめに
こんにちは、サーバーワークスのディベロップメントサービス2課の池田です。
本記事では Microsoft Entra ID と Amazon Connect を SAML 2.0 で連携し、シングルサインオン (SSO) を構成する手順を紹介します。
通話フローや CTI 連携には踏み込まず、Entra ID と Amazon Connect の SAML 設定について記載します。
前提条件
- AWS アカウント作成済み
- Microsoft Entra ID のテナント作成済み
構築手順
1. Amazon Connect インスタンスを新規作成
AWS マネジメントコンソール → Amazon Connect → インスタンスを追加する
SAML 2.0 ベースの認証 を選択し、任意のアクセス URL を設定して 次へ
管理者なし を選択して 次へ
以降はデフォルト設定で 次へ
もう一度 次へ
インスタンスの作成 を選択
作成完了後、赤枠の インスタンス ID を控える
2. Entra ID へ SAML によるシングルサインオンの設定
Microsoft Entra IDの管理センター を選択
エンタープライズ アプリケーション を選択
新しいアプリケーション を選択
Amazon Web Service (AWS) を選択
AWS Single-Account Access を選択し 作成
シングル サインオン → SAML
保存 を求められたら はい
SAML 証明書 ブロックで フェデレーション メタデータ XML をダウンロード
3. AWS へ ID プロバイダ設定
IAM → ID プロバイダ → プロバイダを追加
SAML を選択し、プロバイダ名に
entra-sso-example
を入力
メタデータドキュメントに手順 2-8 で取得した XML をアップロード → プロバイダを追加
作成後、プロバイダ ARN を保存
4. AWS へロールの設定
IAM → ポリシー → ポリシーの作成
JSON タブを選択し、以下を貼り付けて 次へ
{ "Version": "2012-10-17", "Statement": [ { "Sid": "AllowConnectFederation", "Effect": "Allow", "Action": "connect:GetFederationToken", "Resource": "*", "Condition": { "StringEquals": { "connect:InstanceId": "手順1で控えたインスタンス ID" } } } ] }
参照: https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/connect/latest/adminguide/configure-saml.html
ポリシー名に
AmazonConnectEntraSso
を入力し ポリシーの作成
IAM → ロール → ロールを作成
SAML 2.0 フェデレーション を選択し
entra-sso-example
を指定
「プログラムと AWS マネジメントコンソールへのアクセスを許可する」をチェックし、リージョンは東京 (ap-northeast-1)、非リージョンレベルのエンドポイントを指定 → 次へ
ポリシーに
AmazonConnectEntraSso
をアタッチ → 次へ
ロール名に
AmazonConnectEntra
と入力し ロールを作成
作成後、ロール ARN を保存
5. Entra 側の連携設定
アプリの シングル サインオン → 基本的な SAML 構成 → 編集
リレー状態 に次を入力し 保存
https://ap-northeast-1.console.aws.amazon.com/connect/federate/[インスタンス ID]?destination=%2Fconnect%2Fhome
参照: https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/connect/latest/adminguide/configure-saml.html#destination-relay属性とクレーム → 編集 を選択
Roleのレコード を選択
ソース属性に 手順 4 で作成した ロール ARN と 手順 3 で作成した ID プロバイダ ARN をカンマ区切りで入力
参照: https://docs.aws.amazon.com/IAM/latest/UserGuide/id_roles_providers_create_saml_assertions.html#saml_role-attributeユーザーとグループ → ユーザまたはグループの追加
対象ユーザーを選択し 選択
このとき詳細ペインに表示される ユーザー プリンシパル名 を控える
6. Amazon Connect のユーザー登録
Connect 管理画面 → ユーザー → 新しいユーザの追加
名・姓を入力し、ログイン に手順 5-7 で控えた ユーザー プリンシパル名 を入力 → 保存
7. 動作確認
アプリの シングル サインオン 画面下部 Test → サインインのテスト
ブラウザーがリダイレクトし、Amazon Connect のホーム画面が表示されればテスト成功
MyAppへ登録したユーザでログインし、AWS Single-Account Access を選択することでAmazon Connectを利用することができます
↓
おわりに
Microsoft Entra ID と Amazon Connect を連携することで、ID 管理を一本化することが可能です。
ご参考になれば幸いです。