はじめに
当ブログは、Amazon Connectのソフトフォン(CCP)着信にいち早く応答する手段として、ソフトフォンを最前面に固定する方法を試みたのでご紹介します。
コールセンターと他業務を兼任する際の課題
コールセンターは、コールセンター専任もあれば他業務と並行しながら電話対応をするケースがあるかと思います。
兼任業務を同一PC上で行う場合は、ソフトフォンのブラウザが他の画面に紛れてしまい、
入電のタイミングでブラウザが見つからず、お客様を待たせしてしまうリスクが考えられます。
この課題に対する対応策として、OSやブラウザ側の設定で入電時に通知をポップアップさせる方法が挙げられます。
ポップアップをクリックするとAmazon Connectのソフトフォンが最前面に表示されるため、ソフトフォンを探す手間が省けて前述のリスクを低減させることができます。
こちらの設定方法については、以下のブログをご参照ください。
もっと早く電話応答したい!
「着信時に通知をポップアップさせる方法」は、迷うことなくソフトフォンへたどり着ける点で有効ですが、
ポップアップをクリックというワンクッションが必要になります。
「この工程さえも省きたいのだ!」という場合に思いつくのは、ソフトフォンを常時、画面の最前面で表示する方法です。
常にソフトフォンが画面最前面であれば、入電の瞬間に即座に応答が可能になります。
「ソフトフォンを常時、画面の最前面で表示する」方法
現状、ソフトフォンを画面の最前面に表示するための標準機能はありません。
そのため、外部ツールを使って実現していきます。
外部ツールは、マイクロソフトが提供する「PowerToys」の機能を使います。
※ PowerToysはWindows上だけでしか使用できないためご注意ください。
1. 「PowerToys」をインストール
PowerToys公式サイトはこちらです。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/powertoys/
PowerToysをインストールします。
今回はMicrosoft Storeからインストールを行います。
以下のページのダウンロード
からインストールが可能です。
※ GitHubまたはMicrosoft Storeからのインストールが推奨されています。
2. 設定を開く
インストール後、PowerToysを展開すると、「ようこそ」画面が表示されます。
設定を開く
から、設定画面を開きます。
3. モジュールを無効化する
ソフトフォンの最前面の表示は、PowerToysの「Always On Top」というモジュールを利用します。
その他モジュールについては今回利用しないため、無効化します。
4. ソフトフォンを最前面に表示する
モジュール一覧のAlways On Top
を選択し、Always On Topの設定画面を開きます。
[常に手前に表示] を有効にする
がオンになっていることを確認します。
ソフトフォンをクリックした後、以下のコマンドを実行して最前面に表示させます。
Windowsコマンド
+ Ctrl
+ T
固定されると、対象の画面が枠で囲われます。
最前面に表示される際の設定(枠の色やコマンド等)は、Always On Topの設定画面から変更できます。
枠の色を紫にしてみました。
おまけ:CTI Adapterを利用している場合
CTI AdapterでSalesforceとAmazon Connectを連携している場合は、ソフトフォンをポップアウトさせてから最前面に表示の設定をします。
※ Salesforce連携時のソフトフォンを最前面に表示させた場合、本体のSalesforce画面は自力で探す必要となることにご注意ください。
ソフトフォン右上からポップアウト
まとめ
ソフトフォンを最前面の表示を試してみて、入電時に即応答できる点が良いなと感じました。
一方で、ソフトフォンの常時表示は他業務中に気にならないかな?だったり、外部ツールを使用するため、サービスが終了や仕様が変更の可能性など懸念点もあると思いました。
とはいえ通知ポップアップのクリック工程を省いて応答が可能になるのは、即対応したいケースに適していると思います。
懸念点を考慮しつつ使ってみるのが良さそうです(^^)
稲垣 知花 (記事一覧)
アプリケーションサービス部