こんにちは、カスタマーサクセス課の城です。
だいぶブログをご無沙汰してしまったのですが、そのあいだに営業部員になりました。
某アパート建築営業をしていたことがある私ですが、エンジニアにキャリアチェンジした時に、2度と営業を職にすることはないなと思っていましたが、人生何があるかわかりませんね。
さて、本題です。
1. Amazon WorkSpaces のコンピューター名に任意のカスタムプレフィックスが付けられるようになりました
ちょっとピンとこない方がいらっしゃるかもですが、つまりは、WorkSaces のコンピューター名のプレフィックス(最大7文字)を任意に設定できる機能です。 (イメージ毎という制約はあります)
具体的にはカスタムイメージ作成時に作成元のWorkSpacesの応答ファイルに設定をしておくことで、その イメージを紐づけたバンドルから作成されたWorkSpacesのコンピューター名のプレフィックスが指定したものになります。
設定方法詳細は下記ドキュメントにありますので、実際にどのような挙動をしたかを記載したいと思います。
2. 挙動確認
今回は BYOL ではないカスタムイメージで作成した場合でどんな挙動になるのか確認してみました。
2.1 カスタムイメージ作成元の WorkSpaces で応答ファイルを修正
イメージ作成元の WorkSpaces にて応答ファイル( C:\ProgramData\Amazon\EC2-Windows\Launch\Sysprep\Unattend.xml
)を修正します。
修正内容は下記です。
<settings pass="specialize">
セクションの<ComputerName\>
がアスタリスク(*)に設定されていることを確認する<settings pass="specialize">
セクションの<RegisteredOrganization>
と<RegisteredOwner>
を任意の値に設定する<settings pass="oobeSystem">
セクションにも<RegisteredOrganization>
と<RegisteredOwner>
がありますが、この値は利用されませんので注意が必要です。
※2021/4/22現在では日本語版のドキュメントと英語版のドキュメントに差分がありますが、差分がある場合は英語版をご参照ください。
実際に試してみた応答ファイル3種類の該当部分が下記となります。
①<RegisteredOrganization>
のみ設定、<RegisteredOwner>
は設定なし
<settings pass="specialize"> <component name="Microsoft-Windows-Shell-Setup" processorArchitecture="amd64" publicKeyToken="31bf3856ad364e35" language="neutral" versionScope="nonSxS" xmlns:wcm="http://schemas.microsoft.com/WMIConfig/2002/State" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"> <ComputerName>*</ComputerName> <CopyProfile>false</CopyProfile> <RegisteredOrganization>SWX</RegisteredOrganization> <TimeZone>UTC</TimeZone> </component>
②<RegisteredOrganization>
、<RegisteredOwner>
を共に設定
<settings pass="specialize"> <component name="Microsoft-Windows-Shell-Setup" processorArchitecture="amd64" publicKeyToken="31bf3856ad364e35" language="neutral" versionScope="nonSxS" xmlns:wcm="http://schemas.microsoft.com/WMIConfig/2002/State" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"> <ComputerName>*</ComputerName> <CopyProfile>false</CopyProfile> <RegisteredOrganization>SWX</RegisteredOrganization> <RegisteredOwner>KOTAJ</RegisteredOwner> <TimeZone>UTC</TimeZone> </component>
③<RegisteredOrganization>
、<RegisteredOwner>
の設定なし
<settings pass="specialize"> <component name="Microsoft-Windows-Shell-Setup" processorArchitecture="amd64" publicKeyToken="31bf3856ad364e35" language="neutral" versionScope="nonSxS" xmlns:wcm="http://schemas.microsoft.com/WMIConfig/2002/State" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"> <ComputerName>*</ComputerName> <CopyProfile>false</CopyProfile> <TimeZone>UTC</TimeZone> </component>
2.2 カスタムイメージ、カスタムバンドルの作成(更新)
応答ファイルを修正したら、カスタムイメージ、カスタムバンドルの作成を行います。
作成方法については下記のドキュメントをご参照ください。
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/workspaces/latest/adminguide/create-custom-bundle.html
カスタムバンドルの更新についてはドキュメントをご参照ください。
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/workspaces/latest/adminguide/update-custom-bundle.html
2.3 作成したカスタムバンドルからWorkSpacesの作成(もしくはリビルド)
カスタムバンドルを作成したら WorkSpaces を新規作成、カスタムバンドルの更新をした場合は WorkSpaces のリビルドを実施します。
下記ドキュメントをご参考ください。
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/workspaces/latest/adminguide/launch-workspaces-tutorials.html
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/workspaces/latest/adminguide/rebuild-workspace.html
2.4 出来上がった WorkSpaces のコンピューター名
それぞれ下記のコンピューター名となるようでした。
ご参考にしていただければと思います。
①WSSWX-S0I5VCG43 (WS<RegisteredOrganization>-英数字9桁
)
- 応答ファイルに設定した値
<RegisteredOrganization>
はSWX<RegisteredOwner>
は設定なし
②KOTAJSW-8K2R07V (<RegisteredOwner><RegisteredOrganization>の頭2文字-英数字9桁
)
- 応答ファイルに設定した値
<RegisteredOrganization>
はSWX<RegisteredOwner>
はKOTAJ
③WSAMAZO-RGMBM61(<RegisteredOwner><RegisteredOrganization>の頭2文字-英数字9桁
)
- 応答ファイルに設定した値
<RegisteredOrganization>
設定なし<RegisteredOwner>
設定なし
3. さいごに
やっぱりWorkSpacesのコンピュータ名は変えてはいけなかった話なんてブログを書いたこともありましたが、カスタムプレフィックスをつけることができれば、既存のクライアントの運用をそのまま踏襲できるケースも多そうです。。 こういうユーザーの困った、にきっちり対応してくれるサービスは本当にいいものですね。
以上、WorkSpacesの嬉しいアップデートでした。