こんにちは😸
カスタマーサクセス部の山本です。
背景
Route 53 でドメインを登録し、運用しています。
2025/08/16 に以下のメールが来ていました。
- 送信元:
Amazon Route 53 <noreply@registrar.amazon>
- 件名:
Important Update: Changes to Domain Registration Data Policy
通知の内容を要約してみる
本日2025年8月21日から、お客様のドメイン のWHOIS情報(登録者情報)の取り扱いに関する新しい国際ルール(ICANNの新ポリシー)が適用される、というお知らせです。
ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)は、インターネットの安定性と安全性を確保するために、ドメイン名やIPアドレスといったインターネットの重要な資源を世界的に調整・管理する非営利法人です。
つまり今回の新ポリシーの適用は Route 53 に限らず、すべてのレジストラが対象なのです。
新ポリシーの一番の変更点として、これまで個人情報を隠すには「プライバシー保護」を有効にする必要がありましたが、新しいルールでは何もしなくても自動的に個人情報(氏名・住所・メール等)が非公開になるのが基本になります。
Amazon Route 53 ではデフォルトで「プライバシー保護」が有効なため、Amazon Route 53 のお客様には影響はほとんどありません。
Amazon Route 53 のお客様がすぐに行うべき作業はありません。
ドメイン名、登録日、ネームサーバーといった、個人情報を含まない必要性の高い技術的な情報については引き続き公開されます。
Route 53 の「プライバシー保護」
Route 53 で登録したドメインについては、「プライバシー保護」が「オン」になっているかと思います。(ごくまれに TLD がサポートしていない場合を除く)
そのため、whois にはほとんど情報が載っていないと思います。
登録時:
登録後:
参考AWSドキュメント:ドメインの連絡先情報のプライバシー保護の有効化/無効化
ドメインを Amazon Route 53 に登録、またはドメインを Route 53 に移管すると、ドメインのすべての連絡先について、デフォルトでプライバシー保護が有効になります。これによって一般的に、WHOIS ("Who is") クエリから返される連絡先情報の大部分が非表示になり、送られてくるスパムの数が減少します。プライバシー保護を有効にすると、お客様の連絡先情報は、レジストラの連絡先情報に置き換えられるか、「REDACTED FOR PRIVACY」(プライバシー保護のために編集済み) または「On behalf of
owner」(<ドメイン名> の所有者に代わって) という文言に置き換えられます。
通知の原文
以下、原文をコピーしたものになります。
Dear AWS customer,
We are writing to inform you about upcoming changes to the way domain registration data is managed and accessed for your domain hogehoge.com These changes are part of a new ICANN Consensus Policy that affects all generic top-level domains (gTLDs). The new Registration Data Policy will come into effect on August 21, 2025.
What This Means for You:Your domain registration data will be managed according to the new policy starting August 21, 2025, with only certain registration details being publicly available. Those details are provided below.
If collected, Organization Data may be published with the registrant's consent and will be treated as non-personal data. If your domain is registered to an Organization/Company, you will receive a separate notice requesting confirmation of any Organization information associated with your domains and consent for publication.
Technical contact information can now be handled in two ways:
Using the same contact information as the Registered Name Holder; or Using non-personally identifiable contact information (e.g., tech-assistance@example.org) According to the new Registration Data Policy, the following data elements will be publicly available:Domain Name
Registrar Information
Registration Dates
Name Servers
Domain Status
The following data elements will be redacted from public view:Personal Contact Information
Technical Contact Details
Organization Information (unless you explicitly agree to publication)
No immediate action is required from you currently. However, we will send additional communications with more details and any necessary actions as we get closer to the implementation date. As stated above, you will receive a separate notice requesting confirmation of any Organization information associated with your domains.
If you have any questions about these changes, please don't hesitate to contact our customer support team.
Thank you for your attention to this important update.Regards,
Amazon Route 53
和訳
件名:ドメイン登録情報の管理に関する今後の変更についてのお知らせ
AWSをご利用のお客様へ
お客様が所有するドメイン hogehoge.com の登録情報の管理およびアクセス方法に関する今後の変更についてお知らせいたします。これらの変更は、すべてのジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)に影響を与える、ICANNの新しい合意ポリシーの一環です。この新しい登録情報ポリシーは、2025年8月21日に発効します。お客様への影響について
2025年8月21日より、お客様のドメイン登録情報は新しいポリシーに従って管理され、特定の登録情報のみが公開されるようになります。公開される情報の詳細は以下の通りです。
収集されている場合、組織情報は登録者の同意があれば公開されることがあり、その情報は非個人データとして扱われます。お客様のドメインが組織/企業名義で登録されている場合、ドメインに関連付けられた組織情報の確認と公開への同意を求めるための通知を別途お送りします。技術連絡先情報は、以下の2つの方法で取り扱われるようになります。
登録名義人と同じ連絡先情報を使用する
個人を特定できない連絡先情報(例:tech-assistance@example.org )を使用する新しい登録情報ポリシーに基づき、以下のデータ項目が公開されます。
ドメイン名
レジストラ情報
登録日
ネームサーバー
ドメインステータス以下のデータ項目は、公開情報から非表示になります。
個人の連絡先情報
技術連絡先の詳細
組織情報(お客様が公開に明示的に同意した場合を除く)現時点でお客様にすぐにご対応いただく必要はございません。しかしながら、施行日が近づきましたら、より詳細な情報と必要な対応について、改めてご連絡いたします。前述の通り、お客様のドメインに関連付けられた組織情報の確認を依頼する通知を別途お送りします。
これらの変更についてご不明な点がございましたら、遠慮なく弊社カスタマーサポートチームまでお問い合わせください。
この重要なお知らせにご留意いただき、誠にありがとうございます。敬具
Amazon Route 53
プライバシー保護をオフにしている場合の影響
組織情報は登録者の同意があれば公開されることがあり、その情報は非個人データとして扱われます。お客様のドメインが組織/企業名義で登録されている場合、ドメインに関連付けられた組織情報の確認と公開への同意を求めるための通知を別途お送りします。
上の記載があるため、プライバシー保護を「オフ」にしている場合は、AWS から確認メールが来る可能性がありそうです。
プライバシー保護を「オフ」にしている
まとめ
2025年8月21日から、ドメインの登録者情報(WHOIS情報)の取り扱いに関するICANNの新しい国際ルールが適用されます。
この変更により、これまで「プライバシー保護」を有効にしないと公開されていた氏名や住所などの個人情報が、原則として非公開になります。
Amazon Route 53では、もともとドメイン登録時にデフォルトでプライバシー保護が有効になっているため、ほとんどのユーザーにとっては実質的な影響はなく、急いで対応が必要なことはありません。
ただし、意図的にプライバシー保護を「オフ」に設定している場合、特に組織名義でドメインを登録している場合は、今後AWSから組織情報の公開に関する同意確認の連絡が来る可能性があります。
今回の変更は、インターネット全体のプライバシー保護を強化する流れに沿ったものです。Route 53をお使いの方は、基本的にこれまで通り安心してドメインを運用できると考えてよいでしょう。
余談
山の写真を載せるのをサボっていたので載せます。
今回は北アルプスの水晶岳です。