【AWS re:Invent 2025】re:Cap 概要編 ー 今年の主要テーマ Agentic AI や Frontier Agents、会場の様子まで!

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 こんにちは、AWS サポート課の坂本(@t_sakam)です。先日、12/12 (金) に会社主催の re:Cap セミナーが開催され、わたしは「re:Invent 2025 の概要」パートとセキュリティ分野の注目アップデートとして「AWS Security Agent」パートを担当させていただきました。
 
 今回は、その re:Cap セミナーの「re:Invent 2025 の概要」パートのブログ用拡大版になります。
 また、今後「AWS Security Agent」パートの方も順次ブログで公開できればと思っています。他、既に公開している AWS Security Agent 登場時の速報ブログは、以下となっておりますので、合わせてご覧いただけますと幸いです。

【速報】AWS Security Agent が登場! 設計レビュー、コードレビュー、ペネトレーションテストを AI がサポート! - サーバーワークスエンジニアブログ

AWS re:Invent 2025 イベント概要

 AWS re:Invent は、AWS によるクラウドに関する世界最大規模の「学習型」カンファレンスです。
 2025 年は 12 月 1 日〜 12 月 5 日の 5 日間、ラスベガスで開催されました。キーノートやイノベーショントーク、600 本を超える技術セッションに加えて、ネットワーキングパーティなどのイベントも多数用意され、現地参加者は例年 60,000 人を超える大規模なイベントとなっています。

主な開催概要

項目 内容
開催期間 2025 年 12 月 1 日 〜 12 月 5 日
カンファレンスの特徴 AWS によるクラウドに関する世界最大規模の「学習型」カンファレンス
キーノート 5 本
イノベーショントーク 15 本
技術セッション 600 本以上
イベント 多数のネットワーキングパーティなど
現地参加者数 例年 60,000 人以上

※イノベーショントーク: AWS のリーダーが 15 の分野ごとに未来とビジョンを語るセッション

今年の主要テーマ: Agentic AI(エージェンティック AI)

 今年の re:Invent では「Agentic AI(エージェンティック AI)」が主要テーマとなっていました。

AWS re:Invent 2025 returns December 1-5 with agentic AI as the central theme across 600+ technical sessions.
AWS re:Invent 2025は12月1日から5日まで開催され、600以上の技術セッションで agentic AI (主体的な AI) を主要テーマとします。
引用元: AWS re:Invent 2025: What to know

※以降の Agentic AI や Frontier Agents 等に関する内容は、主に Matt Garman 氏のキーノート、一部 Swami Sivasubramanian 氏のキーノートの内容を元にまとめさせていただいています。

Agentic AI とは?

 人やほかのシステムの代わりにタスクをこなす自律的なエージェントのことになるかと思います。

AI を活用して推論、計画、適応を行い、ユーザー定義の入力を追求し、人間や他のシステムに代わってタスクを完了する自律型ソフトウェアシステム

 わたしの理解では、Agentic AI は次のようなイメージです。

● タスクを遂行するために「自律的」に動作するシステム
● 人が一問一答で細かく指示を出すのではなく、ゴール(目的)を渡して、途中の段取りは AI に任せる考え方
 
 従来の生成 AI と比べると、次のような違いがあります。

従来の生成 AI のイメージ

● プロンプト(指示文)を入力するたびに、チャット形式で回答が返ってくる

Agentic AI

● ゴールを渡すと、ゴールを達成するまで動き続ける
● 自分でタスクを分解し、必要に応じてツールや API を呼び出す
● 複数ステップ・長時間にわたる処理も自律的に進めてくれる

 Agentic AI は、上記のような「仕事をお任せすることができる強力なチームメンバー」というイメージかと思います。

Frontier Agents とは?

 今年新しく打ち出された「Frontier Agents」は、Agentic AI の考え方を具体的なサービスとして具現化したもの、と言えるかと思います。今回、Frontier Agents として 3 サービスが発表されていますので、現時点では、3 サービスの総称でもあるかと思います。

 キーワードは「Autonomous(自律的)」、「Scalable(拡張性)」、「Long-running(長時間実行)」になります。

 ゴール(やってほしいこと)を渡すと、自分でタスクを分解し、必要に応じてツールや API を呼び出しながら実行する、といった、Agentic AI を前提とした長時間動き続けるエージェントサービスです。
 
 「エージェントのためのフルスタック」の一番上のレイヤーに位置づけられていて、実際の業務の中で価値を出す「仮想メンバー」に当たります。

3 つの Frontier Agent

 キーノートでは、次の 3 つのエージェントが Frontier Agents として発表されています。
※2025 年 12 月 19 日時点では、3 つともプレビュー提供です。

Kiro autonomous agent(キロ・オートノマス・エージェント)

 コードを書いたり、修正したりする 仮想開発者。

AWS Security Agent

 設計レビュー・コードレビュー・ペネトレーションテストを行う 仮想セキュリティエンジニア。AWS Security Agent については、今後、re:Cap セミナーの「AWS Security Agent」パートのブログも公開できればと思っています。また、速報ブログは、以下となっています。

【速報】AWS Security Agent が登場! 設計レビュー、コードレビュー、ペネトレーションテストを AI がサポート! - サーバーワークスエンジニアブログ

AWS DevOps Agent

 運用・インシデント対応を行う 仮想運用エンジニア。アラート対応や運用タスクの自動化を支援することを想定したエージェントです。

オープニングキーノート: AWS CEO Matt Garman 氏

キーノート全体のメッセージ

 Matt Garman 氏のキーノートは、「開発者や発明家が本来やりたいことに集中できるようにしたい」という話から始まり、AWS 登場以前は、サーバー調達や運用、スケーリングなどの作業に追われ、肝心の開発に十分な時間を割けない状況があった、という振り返りがありました。

 AWS がクラウドによってその負担を減らしてきた延長線上に、今年は AI とエージェントの話が位置づけられていました。AWS としては、AI の価値を解き放つための土台を、インフラから実際に動くエージェントまで一通り揃えている(今回実際に動くエージェントである Frontier Agents は 5 層目として新たに加わるイメージ)ので、それを使って「想像できるものは、何でも自由に作って欲しい」というメッセージのキーノートとなっていました。

Agentic AI を支える 5 つのレイヤー

 このメッセージを図で表現したのが、キーノート終盤に登場した「Agentic AI を支える 5 つのレイヤー」のスライドです。本番でエージェントを動かしていくために必要な要素を、次の 5 レイヤーとしてアイコンで整理していました。役割と代表例(オープニングキーノートで新しく発表されたものは★印あり)を、以下の表に簡単にまとめました。
 

レイヤー スライドでの表記 Agentic AI での役割 代表例
AI インフラ AI INFRASTRUCTURE モデルやエージェントを動かすための計算リソース AWS Trainium (★EC2 Trainium3 UltraServer)、
GPU (★EC2 P6e (NVIDIA GB200 NVL72 搭載))、
Graviton (★EC2 M9g (AWS Graviton5 搭載))、
AWS AI Factory など
推論基盤 INFERENCE PLATFORM モデルをホストし、安全に推論を実行するための層 Amazon Bedrock など
データ YOUR DATA エージェントやモデルが参照するお客様データを蓄える場所 データレイク、
DWH、
ベクターストアなど
エージェント開発ツール TOOLS TO BUILD AGENTS エージェントを設計・実装・運用するためのツール群 AgentCore (★Policy、★Evaluations)、
KIRO など
実際に動くエージェント PUTTING AGENTS TO WORK 実際の業務の中で動いて価値を生む「仮想メンバー」 Kiro autonomous agent、★AWS Security Agent、★AWS DevOps Agent など

 AWS であれば、インフラや推論基盤だけでなく、データ活用、エージェント開発ツール、そして実際に業務をこなすエージェントまで一通り揃っており、これは、他にはない特徴である、というメッセージだったと思います。

会場の様子

 re:Invent は多数のホテルが会場となっており、一つのブログ記事で全体を網羅することが難しいため、今回はメイン会場である「Venetian」の様子を少し紹介させていただきます。

オープニングキーノート開始前の様子

 re:Invent の最大の目玉は、AWS CEO Matt Garman 氏のキーノートですが、このオープニングキーノートでは、開始のかなり前から会場に人が集まりはじめ、満席になります。

The House of KIRO

 今年の会場でひときわ目立っていたのが、こちらの「The House of KIRO」になります。AWS の AI 搭載 IDE である KIRO の世界観を体験できる、ブースとなっていました。いつ通っても人が並んでおり、おそらく、今年一番の人気スポットであったと思われます。

ENTER THE CODE BASE IF YOU DARE

お化けのキャラクターがモチーフの KIRO の世界観を表現した、お化け屋敷風のブース

薄暗い室内にネオンカラーの装飾やモニターが並んでいる

画面の内容は KIRO の説明(?)

アプリケーションのスケールアップ
ファイル保存などのイベントをトリガーとする反復タスクを自動化。エージェントがバックグラウンドで自律的に動作し、事前定義されたプロンプトに基づきドキュメント生成、ユニットテスト実行、コードパフォーマンス最適化を実行します。

新規アプリケーションの構築
プロトタイプから本番コード・デプロイまで迅速に移行。構造化設計、ドキュメント化、テストカバレッジを含むベストプラクティスが組み込まれています。

既存アプリを拡張
仕様とスマートなコンテキスト管理により、Kiro は既存アプリへの統合や拡張を容易にしつつ一貫性を維持します。

Expo

 Expo は、巨大 Tech 展示会場です。

● AWS や世界中の AWS パートナー企業や SaaS ベンダーがブースを出展
● 各社のソリューションのデモを見せてもらえたり、その場で技術相談に乗ってもらえたりする

巨大な AWS のブース

会場からのライブ配信やインタビュー、収録を行う「AWS OnAir」のブース

クラウド型ゼロトラストセキュリティの Zscaler のブース

データ & AI プラットフォーム Databricks のブース

ソースコード管理から CI/CD までを提供する DevSecOps プラットフォーム GitLab のブース

データ保護・バックアップベンダー Commvault のブース

THE OFFICIAL AWS Merch Store

 会場内には「AWS Merch Store」という公式グッズショップもありました。AWS のロゴ入りのパーカーやキャップなどが購入できるちょっとした「お土産屋さん」のような雰囲気となっていました。

まとめ

 今年の re:Invent 2025 は、公式にも案内されているとおり「Agentic AI」が主要テーマとして掲げられたイベントでした。
 キーノートでは、その Agentic AI の考え方を具体的な形に落とし込んだ例として、Frontier Agents (Kiro autonomous agent、AWS Security Agent、AWS DevOps Agent) が紹介され、AWS であれば、インフラから実際に動くエージェントまで、フルスタックで用意されていることが語られていました。

 この記事では、そうした全体像と会場の雰囲気を中心に振り返りましたが、今後公開予定の「AWS Security Agent 編」では、実際に触ってみた詳しい内容をお届けできればと思います。
 
 今回のブログが re:Invent 2025 の雰囲気や、今年のキーワードである Agentic AI をざっくりと確認してみたかった、という方の参考になれば幸いです。
 

坂本 知子(記事一覧)

サーバーワークスのこけしの人(@t_sakam)。2025 Japan AWS Ambassadors、2024 Japan AWS Ambassadors、2020 APN AWS Top Engineers。