
こんにちは、サーバーワークスで生成AIの活用推進を担当している針生です。
Kiro CLI v1.25.0(2/3)と v1.26.0(2/12)がリリースされました。
本記事では、公式の変更ログを参照しながら、2バージョン分の注目機能を7つ紹介します。
紹介する機能一覧
| 機能 | 概要 | バージョン | |
|---|---|---|---|
| 1 | Agent Client Protocol (ACP) | ACP対応IDE(JetBrains、Zedなど)からKiroを利用可能 | v1.25.0 |
| 2 | ビルトイン Help Agent | CLIの機能を対話的に探索、設定ファイルも自動生成 | v1.25.0 |
| 3 | Introspectのセマンティック検索 | ドキュメント全体をカバーした検索で精度向上 | v1.25.0 |
| 4 | @file / @directory展開 | インラインでファイルやディレクトリの内容を参照 | v1.26.0 |
| 5 | Skillsの自動読み込み | .kiro/skills/ のスキルがデフォルトエージェントで自動利用可能 | v1.26.0 |
| 6 | /toolsでトークン数を表示 | ツールごとの推定トークン数と合計を確認 | v1.26.0 |
| 7 | タブ補完とゴーストテキスト | エージェント名・モデル名の入力補完でスムーズな操作 | v1.26.0 |
1. ACP対応でJetBrainsやZedからもKiroが使える
v1.25.0の目玉機能は、Agent Client Protocol(ACP) への対応です。
ACPは、エージェントとIDE間の通信を標準化するオープンプロトコルです。これにより、JetBrains IDE(WebStorm、IntelliJなど)やZedといったACP対応エディタから、Kiroをカスタムエージェントとして利用できるようになりました。
# KiroをACPエージェントとして起動 kiro-cli acp
起動すると、stdin/stdout経由のJSON-RPCで通信が行われます。スラッシュコマンド、MCPツール、セッション管理といったKiro CLIの機能もACPを通じて利用可能です。
v1.26.0では --agent フラグの追加や、ACP・サブエージェント向けのcodeツールも追加されており、ACP周辺の機能が継続的に強化されています。
Kiro公式ドキュメント kiro.dev
2. ビルトイン Help Agentで機能を対話的に探索
新たに追加された Help Agent は、Kiro CLIのドキュメントに基づいて質問に回答してくれるビルトインエージェントです。一般的なAIの回答ではなく、実際のKiro CLIドキュメントを情報源としているのがポイントです。
# Help Agentに切り替え > /help ✔ Switched to agent: kiro_help # 直接質問することも可能 > /help MCPサーバーの設定方法は?
質問への回答だけでなく、設定ファイルの自動生成もできます。
[help] > テスト用のエージェントを作成して ✔ Created .kiro/agents/test-writer.yaml I've created a test-writing agent. Switch to it with: /agent swap test-writer
Help Agentが生成できるファイルは以下の通りです。
.kiro/agents/にエージェント定義.kiro/prompts/にプロンプト.kiro/にLSP設定
v1.26.0では /help --legacy <command> で従来のコマンド一覧も引き続き確認できるようになりました。
Kiro公式ドキュメント kiro.dev
3. Introspectのセマンティック検索で精度向上
Introspect機能が、包括的なドキュメントカバレッジによるセマンティック検索に進化しました。
Introspectは、Kiro CLIのドキュメントやナレッジベースを検索する機能です。従来はキーワードベースの検索でしたが、v1.25.0からはドキュメント全体を対象にしたセマンティック検索が採用されています。
これにより、正確なキーワードを知らなくても、自然言語で質問するだけで関連するドキュメントを高い精度で見つけてくれます。たとえば「ファイルの変更を安全に管理するには?」のような曖昧な質問でも、適切なドキュメントにたどり着けるようになりました。
v1.26.0ではさらに検索アルゴリズムが改善され、精度が向上しています。
4. @file / @directory展開でインライン参照
v1.26.0で追加された @file と @directory 展開は、チャット内でファイルやディレクトリの内容をインラインで参照できる機能です。
# ファイルの内容をインラインで展開 > @file src/index.ts このファイルを説明して # ディレクトリの内容を参照 > @directory src/components/ このディレクトリの構成を教えて
従来は /context add でファイルをコンテキストに追加する必要がありましたが、@file / @directory を使えば、会話の中でその場でファイル内容を参照できます。簡単な確認や質問をしたいときに便利です。
5. Skillsの自動読み込み
v1.26.0から、.kiro/skills/ および ~/.kiro/skills/ に配置されたスキルファイルが、デフォルトエージェントで自動的に利用可能になりました。
Skills自体はv1.24.0で導入された機能で、大規模なドキュメントを遅延読み込みすることでコンテキストウィンドウを節約できるのが特徴です。従来はカスタムエージェントの設定ファイルでスキルのパスを明示的に指定する必要がありましたが、v1.26.0からは所定のディレクトリに配置するだけで自動的に読み込まれます。
ワークスペースレベル(.kiro/skills/)とグローバルレベル(~/.kiro/skills/)の両方に対応しているため、プロジェクト固有のスキルと共通スキルを使い分けることもできます。カスタムエージェントを作成しなくても、デフォルトエージェントでスキルの恩恵を受けられるようになったのは嬉しい改善です。
Kiro公式ドキュメント kiro.dev
6. /toolsでトークン数を確認
v1.26.0では、/tools コマンドの出力にツールごとの推定トークン数と、オリジン(ビルトイン、MCPなど)ごとの合計が表示されるようになりました。
どのツールがどの程度コンテキストウィンドウを消費しているかが一目でわかります。MCPサーバーを多数接続している場合、どのツールがコンテキストを圧迫しているか把握するのに役立ちます。
なお、v1.26.0ではツール説明文の切り詰め(truncation)が廃止され、代わりに説明文が大きすぎる場合は警告が表示されるようになっています。トークン数の可視化と合わせて、コンテキスト管理がしやすくなりました。
Kiro公式ドキュメント kiro.dev
7. タブ補完とゴーストテキストで操作性向上
v1.26.0では、複数のコマンドでタブ補完とゴーストテキストヒントが追加されました。
エージェント名の補完
/agent swap や /agent delete コマンドで、エージェント名のタブ補完が使えるようになりました。ゴーストテキストで候補が表示されるため、エージェント名を正確に覚えていなくても素早く選択できます。
モデル名の補完
/model コマンドでは、ファジーマッチング付きの動的タブ補完が利用可能になりました。モデル名の一部を入力するだけで候補が表示されます。
日常的に何度も入力するコマンドなので、こうした操作性の改善は地味ながら嬉しいポイントです。
Kiro公式ドキュメント kiro.dev
その他の変更点
紹介した7つ以外にも、多くの改善とバグ修正が含まれています。主なものをいくつか挙げます。
v1.25.0
- エンタープライズ向けに
web_search/web_fetchのガバナンス制御を追加 --require-mcp-startupフラグでMCPサーバーの起動を必須に設定可能- CI/CDで活用できる構造化された終了コードのサポート
v1.26.0
kiro-cli integrations install kiro-command-routerによるKiro統一エントリポイントKIRO_LOG_NO_COLOR環境変数でログの色出力を無効化- エージェント名がコマンドの位置引数に変更(例:
kiro-cli agent create my-agent) - CLI終了時のMCPサーバープロセスのグレースフルシャットダウン
- Opus 4.6のコンテキストウィンドウオーバーフローエラーへの対応
まとめ
Kiro CLI v1.25.0 & v1.26.0では、開発体験を向上させる多くの機能が追加されました。
- ACP対応: JetBrainsやZedなど、お気に入りのIDEからKiroを利用可能
- Help Agent: ドキュメントベースの対話的な機能探索
- Introspect強化: セマンティック検索で必要な情報に素早くアクセス
- @file / @directory展開: チャット内でファイル内容をインライン参照
- Skills自動読み込み: ディレクトリに置くだけでスキルが有効に
- トークン数表示: コンテキスト消費の可視化
- タブ補完・ゴーストテキスト: 日常操作のスムーズ化
v1.25.0のACP対応によるマルチIDE展開、v1.26.0の操作性改善と、開発体験が着実に進化しています。

参考リンク
針生 泰有(執筆記事の一覧)
サーバーワークスで生成AIの活用推進を担当