Amazon Bedrock でClaude 3.7 Sonnet が利用可能になりました

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サーバーワークスの村上です。

2025年2月24日(日本時間25日)にAnthropic の Claude 3.7 Sonnet が発表され、Amazon Bedrockでも利用可能になりました。

aws.amazon.com

利用可能なリージョンと料金

利用可能なリージョンはバージニア北部、オハイオ、オレゴンです。

また、料金は Claude 3.5 Sonnet と 同額です。

https://aws.amazon.com/bedrock/pricing/より抜粋

特徴①:Reasoning モデルである

Reasoning モデルとは

モデルが出力を生成するまでに一定の間、思考するモデルをReasoning モデルといいます。

大規模言語モデル(LLM)は大量のデータを使って事前学習する工程を経て作成されますが、ここにスケーリング則(Scaling Laws)という法則がありました。

スケーリング則とは、学習データ量・モデルのパラメータ数・計算資源を増やすと、モデルの性能が良くなるという性質のことです。なので、各モデルプロバイダーが大量のGPUなどを使ってモデル開発していたのがこれまでのトレンドでした。

最近は、GPT-4のo1やDeepSeekなどのモデルに代表されるように、LLMの思考力を引き出す方にトレンドが移ってきました。

Claude 3.7 Sonnet も ハイブリッドなReasoning モデルであり、標準モードでは単にClaude 3.5 Sonnet のアップグレード版として、拡張思考(extended thinking)モードではReasoning モデルとして動作します。

AWS公式よりブログも出ています。

aws.amazon.com

プレイグラウンドで簡単にお試し

Amazon Bedrock でモデルを簡単に試す、といえばプレイグラウンドですが、すでにClaude 3.7 Sonnet を利用可能です。

StandardモードとExtended thinkingモードの切り替えも可能です。

Configからモードの切り替えが可能

実際にサーバーワークスのCEOブログにある画像について質問してみました。

この画像について質問します。写真の男性の名前は大石良と書いてあるのに、なぜ大石蔵人之助(くらうどのすけ)と名乗っているのですか?

結果は、Claude 3.7 Sonnet では大石蔵人之助(くらうどのすけ)がクラウドにちなんでいることを推論できましたが、Claude 3.5 Sonnetでは単にペンネームであるという回答に留まりました。

Claude 3.7 Sonnet では「クラウド」にちなんだ名前であると推論

特徴②:最大の出力量が15倍になった

Claude 3.7 Sonnet の最大出力トークンは64Kトークン(ベータ版では128Kトークン)となり、従来の最大出力8192トークンから大幅にアップデートされました。

これにより、例えば長いテキストを出力する場面では出力が途中で途切れてしまい、「つづけて」とリクエストしなければいけなかった課題が幾分か解消されたと言えます。

また、ナレッジカットオフは2024年11月とのことです。

下表はAll models overview - Anthropicからの抜粋です。

機能 Claude 3.7 Sonnet Claude 3.5 Sonnet Claude 3.5 Haiku
Extended thinking Yes No No
レイテンシー Fast Fast Fastest
コンテキストウィンドウ 200K 200K 200K
最大出力 Normal: 8192 tokens
Extended thinking:64000 tokens
8192 tokens 8192 tokens
Training data cut-off Nov 2024 Apr-24 Jul-24

特徴③:Claude Code(リサーチプレビュー)

Claude Codeは開発者向けの機能です。

ターミナル上に常駐するエージェントとして動き、コードの理解やバグの修正に役立ちます。

docs.anthropic.com

AnthropicのドキュメントにはAmazon Bedrockで使う方法が案内されていますが、AWS blogやドキュメントには記載がなく、AWSでの利用に関してはもう少し情報を待とうと思います(下記はAWSの方のポスト。Let's hope Claude Code is next!とあります)

私は使おうとしたところ、定員に達したと言われてしまいました...

まとめ

  • Claude 3.7 Sonnet はこれまでのClaude 3.5 Sonnetから性能が向上したモデルである
  • また、Extended thinkingモードをサポートしたReasoningモデルでもあり、これを使うことでより専門的な推論にも活用することができる
  • 料金はClaude 3.5 Sonnetと同額である
  • 最大出力トークンが8192トークンから約15倍大幅に向上した

村上博哉 (執筆記事の一覧)

2020年4月入社。機械学習が好きです。記事へのご意見など:hiroya.murakami@serverworks.co.jp