Amazon Bedrock を利用した Alexa スキル「AI 基盤くん」を公開しました!

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Bedrock Alexa Skill

 こんにちは、サーバーワークスのこけしの人、坂本(@t_sakam)です。今回は、新しい Alexa スキル公開のお知らせです。タイトル通りなのですが、Amazon Bedrock を利用した Alexa スキル「AI 基盤くん」を公開しました。

AI 基盤くんとは

 AI 基盤くんは、AWS の生成 AI サービスである Amazon Bedrock を利用して、生成 AI がユーザーの質問に一問一答で回答してくれる Alexa スキルです。
 Bedrock は、基盤、という意味のため、スキル名は「AI 基盤くん」にしました。
 
aws.amazon.com

スキルの説明

 以下、AI 基盤くん Alexa スキルのページに記載しているスキルの説明からの抜粋です。

AI 基盤くん

 AI 基盤くんは、AWS の生成 AI サービスである Amazon Bedrock を利用して、生成 AI があなたの質問に回答する Alexa スキルです。あなたが質問したい内容を、一言、話してください。生成 AI の回答後、続けて別の質問ができます。(一問一答形式です。)
 また、回答の読み上げの声を選択できます。初回利用時に、女性の声か男性の声かを選択してください。
 

  • 回答をもう一度聞きたい場合は、回答後に「リピート」と言ってください。
  • 回答の読み上げの声を設定し直したい場合は「声の設定」と言ってください。
  • スキルを終了したい場合は「おしまい」と言ってください。

 
【Amazon Bedrock とは】
 Amazon Bedrock は、AWS の生成 AI サービスです。複数の高性能な生成 AI のモデルが用意されており、用途に応じてモデルを選択することができます。
 本 Alexa スキルでは、現在 AWS の東京リージョンで公開されている Anthropic 社の Claude Instant V1 を利用しています。
 
www.anthropic.com  
【注意点】
 現在、無料でご利用いただけますが、一日 30 回の質問の制限があります。また、現在は「簡潔な回答」を生成 AI に依頼しています。
 現在の利用制限や仕様等は、今後変更される可能性があります。誤った回答が生成される場合があります。回答の内容等は、保証しておりません。
 現在、レスポンス時間の関係で、AI のモデルは、Claude Instant V1 を選択していますが、Claude V2 と比べると、誤った回答が生成される割合は高めです。(東京リージョンで他のモデルが選択可能になった場合は、バージョンアップ等でモデルを変更する予定はあります。)
 
www.anthropic.com

AI 基盤くんの特徴

 上記のスキルの説明にも記載していますが「AI 基盤くん」には、以下のような特徴があります。それぞれ少し詳しく見ていきたいと思います。
 

  • 声が選べる
  • リピート機能
  • 続けて質問(一問一答形式)

特徴詳細

声が選べる

 初回利用時に生成 AI の回答の声を女性、男性、から選択します。あとで変更も可能です。音声アシスタントの声は女性の声が多いですが、男性の声が選べ、生成 AI の回答のみ声が変更されます。

リピート機能

 生成 AI の回答後に「リピート」と言うと、もう一度言ってくれます。聞き取れなかった場合も再度回答を聞くことができます。

続けて質問(一問一答形式)

 生成 AI の回答後に別の質問をすると、続けて別の質問に回答してくれます。続けて質問したいことがある場合も再度スキルを起動しなくて済みます。ただ、現時点では、一問一答形式で、前の質問の回答は、覚えていません。

制限について

利用回数制限

 無料でご利用いただけますが、現在は、一日 30 回の質問の制限があります。一回目の質問時に時間を記録し、その 24 時間後以降に再度質問した時に、数がリセットされ、再度時間が記録されます。制限数の増減は、今後の利用状況を見ながら、検討したいと思います。

回答の長さ

 現在は簡潔に回答するように 生成 AI に依頼をしています。回答の文字数制限も行っているため、こちらも今後、増減を検討したいと思います。

生成 AI のモデルについて

 AI 基盤くんでは、現在 AWS の東京リージョンで公開されている Anthropic 社の Claude Instant V1 を利用しています。
 Anthropic 社のモデルの中では Claude V2 の性能が一番高く、ChatGPT 4 に匹敵する、と言われていますが、東京リージョンでは、現時点では公開されていなかったため、今回は Claude Instant V1 を選択しています。
 

Bedrock の東京リージョンのマネジメントコンソール
Bedrock の東京リージョンのマネジメントコンソール画面

 Claude V2 が利用できるリージョンは、現時点でもあります。ただ、Alexa スキルは、Lambda からの応答時間「8 秒以内」という制限があり、東京リージョン以外だと、質問の内容によっては、8 秒以上かかってしまう場合があったため、今回は Claude Instant V1 を利用しました。
 

Bedrock オレゴンリージョンのマネジメントコンソール
オレゴンリージョンの画面、モデルの選択肢が増える

 同じ質問をした場合、Claude V2 の方が Claude Instant V1 より正しい回答をする確率が高く、回答の言い回しも自然でしたので、東京リージョンで利用可能になった場合は、Claude V2 へバージョンアップすることも検討したいと思います。

 もしくは、今後、東京リージョンで Anthropic 社以外のモデルが選択できるようになった場合は、Claude V2 に限らず、最適と思われるモデルへの変更も検討したいと思います。

まとめ

 今回は、新しい Alexa スキル「AI 基盤くん」公開のお知らせでした。Claude Instant V1 ということで、正答率がまだ低めですが、ChatGPT 対抗の Anthropic 社のモデルを、気軽に試すことができますので、ぜひ一度使ってみてください!

 いや〜、Amazon Bedrock って本当にいいものですね。
 

坂本 知子(記事一覧)

サーバーワークスのこけしの人(@t_sakam)。2020 APN AWS Top Engineers。