Amazon Connectの認証方式としてSAMLを選択し、IdPとしてMicrosoft Entra IDを使用する場合、Entra ID側のユーザープリンシパル名(userprincipalname)とAmazon Connectのログインユーザー名を一致させた運用が一般的かと思います。
本記事ではユーザープリンシパル名ではなく、メールアドレスを使用する設定方法を紹介します。
はじめに
一般的にはEntra IDのユーザープリンシパル名(UPN)は ユーザー名@ドメイン名 であり、メールアドレスと近い形式となっています。
このため、ユーザープリンシパル名=メールアドレスとして運用することが多いと思われます。
Amazon Connectのログインユーザー名も、およそメールアドレス形式で問題ないので自然な設定・運用だと考えられます。
ただし、プリンシパル名を異なる形式で設計している場合や、Amazon Connectのログインユーザー名の制約とマッチしない場合等、ユーザープリンシパル名以外の値を使用しなければならないケースが想定されます。
本記事の内容は、このような少しイレギュラーケースの対応方法となります。
認識の確認
Amazon ConnectのSAML認証においては、 https://aws.amazon.com/SAML/Attributes/RoleSessionName で連携された値がAmazon Connectのログインユーザー名と照合されます。
一般的に公開されている設定手順では、Azureへエンタープライズ アプリケーションを追加する際にAWSのテンプレートを使用する流れになっており、その場合 https://aws.amazon.com/SAML/Attributes/RoleSessionName の値は user.userprincipalname に設定されます。
ユーザープリンシパル名以外をAmazon Connectのログインユーザー名としたい場合は、連携する値を変更することで対応可能です。
一般的な設定確認
一般的には下記のように https://aws.amazon.com/SAML/Attributes/RoleSessionName の値は user.userprincipalname に設定されています。

設定変更
「属性とクレーム」セクションの 「編集」 ボタンを操作し、
https://aws.amazon.com/SAML/Attributes/RoleSessionName の値を user.mail へ変更します。

変更後の表示を確認します。

動作確認
Entra ID上のユーザー設定
Entra ID上のユーザー設定を確認します。
ユーザープリンシパル名とは異なるメールアドレスが設定されています。
Amazon Connect側ではこのメールアドレス文字列がログインユーザー名となるようにユーザー作成しておきます。

アプリケーションアクセス
該当ユーザーのアプリダッシュボードからアクセスします。
メールアドレスでAmazon Connectへ認証されることを確認できます。
