こんにちは。プロセスエンジニアリング部の馬場です。
本記事は re:Invent 2020 のセッションレポートです。
セッション概要
セッションはこちらから見ることができます。
スピーカー
Steven Elinson(AWS Speaker)
Richard Haigh(Chief Technology Officer - Just Eat Takeaway)
オランダを拠点とするオンラインフードデリバリーマーケットプレイスを運営するJust Eat TakeawayがCOVID-19によるパンデミックが世界的に広がる中、状況に適応しサービスを継続できるシステム・体制をどのように構築したか、その戦略の中でAWSが重要な役割を果たしてきたかについて紹介されています。
Why AWS?
急速で継続的な成長をサポートするために、 Just Eat Takeawayはかなり早い段階でパブリッククラウドに移行することを選択した。
- 99.95%の可用性を実現
- ピーク時の注文数は1分あたり約2,500件(毎週アップデートされている)
- 毎秒約120,000メトリックをログに記録
- 5TBを超えるデータ
- ピーク時に約2,500のインスタンスを操作
Building resilience for scale
スケールに対する回復力・柔軟性を構築するためにAWSのサービス・サポートを活用した。
- DCで管理するのが難しいと思われるスケールに対応
- トラフィックパターンに対して先制的に準備できる
- 既成のサービスなので、自分で構築する必要がない
- トレーニング、運用、対応を支援するサポート体制
NHS vouchers: The opportunity
英国ではCOVID-19の症例が急増し始めたとき、退職した医師が復帰し、兵役者が支援したり、一般のボランティアが今までないレベルで対策に参加する事態となった。
最前線で従事する人々に食事のバウチャーを提供することにした。
どのようにバウチャーの対象者であるかを判別し、どのように取得させるか、既存のプラットフォームと共に迅速に機能させるかが課題としてあった。
NHS vouchers: The solution
- 認証ユーザーへバウチャーを生成する
- ユーザーに特定のコードをメールで送信する
- コードは24時間ごとに再生成する
- コードが利用されたかを日次で確認する
結果、300万ポンド以上のバウチャーを利用し、200万食が配達され、412,000人のユーザー(当初10万人のユーザーを見積もっていた)がサインアップした。
COVID-19 demand: The problem
2番目の例として、ロックダウンが英国を襲ったとき、多くのレストラン企業は、日常のトラフィックが一晩で枯渇する自体に陥った。
多くの企業はJust Eat Marketplaceを通じてオンラインでサービスを提供することに舵を切ることにした。
最初の1~2週間で3,000件の新規登録がされるなど、前例のない需要が見られた。
また、顧客側でもいくつかの予測していない変化が見られた。
レストランや顧客の需要の増加により、コールセンターにも前例のない需要が見られたが、更にコールセンターを締めオフィスの外で安全かつ確実にサポートを継続できるようにする必要があった。
COVID-19 demand: The solution
- AWS Marketplace VPNソリューションにより、短時間で在宅勤務環境を準備
- Amazon WorkSpaces を利用し、コールセンターのスタッフに安全な運用環境を準備
Lessons learned through the SDLC
- 最前線に活用するスキルを身に付ける
- 災害復旧をイメージし、トレーニングする
- パートナーとしてAWSと話し合う
The future for JET and food delivery
- COVID-19が収束したとしても、オンライン注文に対する人々が求める快適さは変化し続ける
- スケーラブルなクラウドサービスは、ビジネスの成長に合わせてテクノロジーを拡張し続けるための鍵
- 競争の激しい市場では、進化し続け、反応し、現在の傾向と状況を利用する必要がある
まとめ
未曾有の事態に、人が生きていく上で不可欠な「食」を届けるフードデリバリーサービスを運営する企業として、どのように迅速にサービスを提供するための環境を構築したかを知ることができたセッションでした。 事態は急速に変わり、また正確に読めない中で、柔軟なソリューションをAWSのサービスやサポートにより実現しています。 想定外の事態の中でも反応し・変化に対応すること・更に変化し続けることが重要となると感じます。