
こんにちは、サーバーワークスで生成AIの活用推進を担当している針生です。
サーバーワークスでは全エンジニアにAmazon Q Developer Proの提供をしています。社内での利用状況を集計したところ、アプリケーション開発を主な業務とするアプリケーションサービス部のエンジニアによる利用率が91.49%となっていることがわかりました。
本記事では、この数字の背景や社内での活用実態について、ご紹介したいと思います。
なお、Amazon Q Developer Pro導入の詳細については、以下のプレスリリースをご覧ください。 www.serverworks.co.jp
利用率が高くなった背景
なぜこのような結果になったのか、分析したところ、いくつかの要因が考えられました。
要因1:部署を問わず利用できる環境
特定のチームや用途に限定せず、希望する全エンジニアが利用できる環境を整えました。部署内に既に使っているメンバーがいることで、活用事例を聞いたり、相談したりしやすくなっています。
要因2:社内での情報共有とサポートの取り組み
Amazon Q Developerの活用を推進するため、社内では以下のような取り組みを行っています。
定期的な社内勉強会の開催
Amazon Q Developerの使い方や活用事例を共有する勉強会を定期的に開催しています。 これにより以下のような効果が生まれています。
- 初めて使う人が基本的な使い方を学べる
- すでに使っている人が新しい活用方法を知れる
- 部署を越えた情報交換ができる
定期的な相談会の開催
勉強会とは別に、個別の疑問や課題を解決するための相談会も定期的に開催しています。
相談会では主に以下のようなサポートを行っています。
- 機能や使い方に関する疑問の解決
- 実際のコードや業務での活用方法についての具体的なアドバイス
- 利用開始時や継続利用時のつまずきポイントの解消
勉強会が「知識の共有」の場であるのに対し、相談会は「個別の課題解決」の場として機能しており、この両輪により、使い始めた後も継続して活用できるようサポートしています。
技術ブログでのアウトプット
サーバーワークスには「アウトプットを大切にする」文化があり、Amazon Q Developerについても活用ノウハウを技術ブログで発信しています。
社内で得た知見を外部にも公開することで、社内メンバーにとっても「自分も試してみよう」「ブログに書けるような活用をしてみたい」というモチベーションにつながっています。
こうした定期的な勉強会、相談会、そしてブログでのアウトプットという3つの取り組みが、利用のハードルを下げ、活用の幅を広げることに貢献していると考えています。
要因3:業務との相性
アプリケーションサービス部は開発業務が中心のため、コード生成やレビュー、テスト生成といったAmazon Q Developerの機能が日常業務で活用しやすいという点もあります。
実際の活用事例
プレスリリースでもご紹介していますが、実際に利用しているエンジニアの声をご紹介します。
入社2年目 開発エンジニア
使用用途
コーディング支援(実装要件を伝えてプログラムのベース作成、既存コードの処理内容の説明、リファクタリング箇所の特定など)、チャットベースでのAWSリソースの操作
使ってみて
体感、作業効率が3倍に上がっています。やり方は分かっているものの手間や時間がかかる作業をAmazon Q Developerに任せ、その間に自分は別のタスクに取り組めるので優秀な部下がいるような感じです。
入社5年目 社内トレーニング設計担当
使用用途
設計書の内容と実環境のレビュー等
使ってみて
時間と精神的、どちらの負担もかなり軽減されています!ビジネス的な観点からも今後お客様へのご提案に活用できる知見を得るためにAmazon Q Developerの活用が推奨されており、定期的に勉強会も開催されているため、使用にあたってのハードルは低いと感じています。
社内での取り組みから見えてきたこと
継続的な勉強会や相談会の開催を通じて、いくつかの気づきがありました。
継続的なサポートの重要性
初期の導入だけでなく、継続的に学びの場やサポートの場を提供することで、より多くのエンジニアが活用を続けられています。
情報共有が活用を促進する
勉強会や相談会、ブログでの情報共有により、「こんな使い方ができるのか」という発見が生まれ、活用の幅が広がっています。
組織文化との関連
新しい技術を試してみようとする社内の雰囲気や、アウトプットを大切にする文化が、高い利用率につながっていると感じています。
今後について
今回の利用状況調査を通じて、アプリケーションサービス部では多くのエンジニアがAmazon Q Developerを活用していることがわかりました。
今後も以下のような活動を続けていきたいと考えています。
- 定期的な社内勉強会の継続
- 定期的な相談会の継続
- 技術ブログでのノウハウ発信
- 社内での活用事例の共有
- お客様への提案に活かせる知見の蓄積
まとめ
サーバーワークスのアプリケーションサービス部では、Amazon Q Developer Proの利用率が91.49%という結果になりました。
この数字の背景には、部署を問わず利用できる環境づくり、定期的な勉強会・相談会の開催、技術ブログでのアウトプットによる情報共有、業務との相性などがあると考えています。
なお、サーバーワークスではAmazon Q Developerの利用を推進していますが、他の生成AIツールについても申請により利用可能で、実際に複数のツールを併用しているエンジニアもいます。用途や好みに応じて選択できる柔軟な環境を提供することも、高い利用率につながっている要因の一つと考えています。
サーバーワークスでは、今後もAmazon Q Developerの活用について、技術ブログで情報発信を続けていきます。
針生 泰有(執筆記事の一覧)
サーバーワークスで生成AIの活用推進を担当