こんにちは!サーバーワークスで生成AIの活用推進を担当している針生と申します。
この記事では、Amazon Q Developer CLIのインストール方法と基本的な使い方を解説します。
Amazon Q Developer CLIとは?
Amazon Q Developer CLIは、ターミナル上でAmazon Qの機能を利用するためのコマンドラインインターフェースです。具体的には、以下のようなことが可能になります。
- 自然言語での対話: チャット形式でAWSに関する質問やコーディングの相談ができます。
- AWS CLIコマンド生成: 「S3バケットを作って」といった自然言語の指示から、対応する
aws
コマンドを生成してくれます。 - コマンド補完:
aws
コマンドなどの入力をインラインで補完し、タイピングミスを減らし、生産性を向上させます。 - コードの生成・変換: 機能の要件を伝えるだけでコードを生成したり、Javaのバージョンアップグレードのような変換作業を自動化したりできます。
- トラブルシューティング: エラー内容を分析し、解決策を提案してくれます。
対応OSとインストール手順
Amazon Q Developer CLIは、macOS, Linuxに対応しています。
macOSの場合 (Homebrew)
macOSユーザーなら、Homebrewを使うのが最も簡単です。
1. Homebrewをインストールします(未導入の場合)。
手順はHomebrewの公式サイトを参照してください。
2. ターミナルを開き、以下のコマンドを実行してAmazon Qをインストールします。
brew install amazon-q
3. q loginコマンドで認証を実施します。
q login
ターミナルにLogged in successfully
と表示されれば認証は完了です。
Linuxの場合
Linuxでは、ディストリビューションに応じてインストール方法が異なります。
Ubuntu / Debian系
.deb パッケージをダウンロードしてインストールします。
1. wgetで最新のパッケージをダウンロードします。
wget https://desktop-release.q.us-east-1.amazonaws.com/latest/amazon-q.deb
2. aptとdpkgでパッケージをインストールします。
sudo apt-get install -f sudo dpkg -i amazon-q.deb
3. q loginコマンドで認証を実施します。
q login
ターミナルにLogged in successfully
と表示されれば認証は完了です。
その他のLinuxディストリビューション (AppImageを使用)
AppImageを利用すれば、多くのLinuxディストリビューションで手軽に実行できます。
1. AppImageファイルをダウンロードします。
wget https://desktop-release.q.us-east-1.amazonaws.com/latest/amazon-q.appimage
2. ダウンロードしたファイルに実行権限を付与します。
chmod \+x amazon-q.appimage
3. AppImageを実行します。
./amazon-q.appimage
認証設定
インストール後、q コマンドを初めて実行すると認証を求められます。ブラウザが自動的に開き、認証ページへリダイレクトされます。
認証方法は以下の2種類から選択します。
- AWS Builder ID: 個人の学習や開発で利用する無料のプロファイルです。Amazon.co.jpのアカウントとは別なので、なければ作成しましょう。
- IAM Identity Center (旧 AWS SSO): 組織でAmazon Q Developer Proを利用している場合に選択します。管理者から提供された情報を使ってサインインします。
基本的な使い方
認証が完了すれば、すぐにAmazon Qと対話を始められます。
q chat
と入力して対話モードを起動し、自然言語で質問や指示を入力してみましょう。
例: AWS 環境の操作
> 東京リージョン内のすべての ec2 インスタンス一覧を表示
すると、Amazon Qがaws cliコマンドを実行してインスタンス一覧を表示します。
まとめ
Amazon Q Developer CLIは、日々の開発業務やAWSのオペレーションを、AIの力でよりスマートにしてくれる強力なツールです。インストールも簡単で、ターミナルからすぐに使い始めることができます。
まずはインストールして、AWSリソースの操作や日々のちょっとした疑問の解消から試してみてはいかがでしょうか。きっとあなたの開発効率を一段階引き上げてくれるはずです。
参考資料
公式ドキュメント