
- はじめに
- MCPって何?
- New Relic MCP(Public Preview版)で出来ること
- 活用方法例
- Amazon Q Developerでの設定方法
- 動作確認
- 使ってみた感想
- まとめ
- 宣伝
はじめに
こんにちは、サーバーワークスの福田です。
New RelicのMCP(Public Preview版)が発表されました!
本ブログではAmazon Q DeveloperからNew RelicのMCP(Public Preview版)サーバーに接続して、何ができるのか試してみた内容になります。
MCPって何?
MCPは、AIアシスタントが外部システムのデータにアクセスするための標準プロトコルです。簡単に言うと、「AIがNew Relicの監視データを見られるようにする仕組み」ですね。
従来は、各AIツールごとに個別の連携を作る必要がありましたが、MCPを使えば統一的な方法でアクセスできます。
New Relic MCP(Public Preview版)で出来ること
New Relic MCPサーバーでは、New Relic上の情報を確認することが可能です。
現時点では公式ドキュメントの調査などはできなさそうです
ツールの一部
アカウント・エンティティ管理
list_available_new_relic_accounts- アカウント一覧取得get_entity- エンティティ検索search_entity_with_tag- タグによるエンティティ検索
アラート管理
list_recent_issues- 最近のイシュー(アラート)取得generate_alert_insights_report- インシデント分析search_incident- インシデント検索
ログ・変更履歴
list_recent_logs- ログ取得(エンティティGUID必須)list_change_events- デプロイ履歴取得
データ分析
execute_nrql_query- NRQLクエリ実行natural_language_to_nrql_query- 自然言語をNRQLクエリに変換して実行analyze_deployment_impact- デプロイ影響分析analyze_transactions- トランザクション分析analyze_entity_logs- エンティティログ分析
活用方法例
実際にAmazon Q Developerで試してみた例をご紹介します。
1. アカウント一覧の取得
「New Relicのアカウント一覧を表示して」
結果:

- アカウントが一覧表示されました
- アカウントID、アカウント名が確認できます
2. アラート確認

「xxxxのアカウントで発生しているアラートを教えて」
結果:

🔴 CRITICAL - アクティブ アラート名: アプリケーションエラー:外部決済サービスとの通信がタイムアウトしました 対象サービス: Payment Demo Service 発生日時: 2025-10-09 03:55:47 (UTC) 状態: ACTIVATED(発生中)
このように、現在発生中のアラートを即座に確認できます。
3. エンティティ検索
「swx-xxxxに関連するエンティティを検索して」


結果: 関連するリソース、アラートポリシー、条件などの情報を取得できました
4. 障害原因分析
「発生しているアラート情報を分析して」


ログ分析



結果: 概要だけでなく根本原因を特定し推奨アクションまで提示してくれます。
5. コスト分析と改善策の提示
「アカウントでのコスト分析と改善策を教えて」



結果: 現状だけでなく推奨アクションまで提示してくれます。
Amazon Q Developerでの設定方法
それでは、実際の設定手順を見ていきましょう。
前提条件
- Amazon Q Developerがインストール済み
- New RelicのAPIキー(User Key)を取得済み
- New Relic側で機能を有効化する
- Administration画面「Previews & Trials」メニューの「New Relic AI MCP Server」のStatusが「Opted in」になっていること
APIキーの取得
- New Relic UIにログイン
- 右上のユーザーメニューから「API keys」を選択
- 「Create key」をクリック
- Key typeは「User」を選択
- 生成されたキー(
NRAK-で始まる)をコピー
MCP Serverの設定
Amazon Q DeveloperのMCP設定画面を開きます。

設定項目は以下の通りです。
- Scope
- Global を選択
- Name
- 任意の名前(例:NewRelicMCP)
- Transport
- http
- URL
https://mcp.newrelic.com/mcp/
- Headers(optional)
- Key :api-key
- Value:NRAK-YOUR-API-KEY-HERE
- Timeout
- 60
※ NRAK-YOUR-API-KEY-HERE の部分を、先ほど取得したAPIキーに置き換えてください。
設定が完了したら「Save」をクリックします。
動作確認
設定が完了したら、Amazon Q Developerのチャットで以下のように質問してみましょう。
New Relicのアカウント一覧を表示して
正常に接続できていれば、アカウント情報が返ってきます。
使ってみた感想
実際に使ってみて、以下の点が便利だと感じました。
良かった点
- 自然言語で質問できる :「アラートを教えて」と聞くだけで情報が取得できる
- AI全般に関連することですが質問内容によって回答の精度は変わる点は注意
- コンテキストを保持 : 前の質問を覚えているので、会話形式で深掘りできる
- 開発環境から離れない : IDEから離れずに監視データを確認できる
- 複数アカウントの切り替えが簡単 : アカウントIDを指定するだけで切り替え可能
注意点
- ログ取得の制限 : エンティティGUIDが必須(エンティティに紐づくログを確認することが出来る)
- プレビュー機能 : 現在はプレビュー版のため、今後仕様が変わる可能性がある
あったらいいなと思った機能
現在はNew Relic上の監視データの取得が中心ですが、公式ドキュメントも対応範囲に含まれるとさらに便利になると感じました。
公式ドキュメントに対応することで、以下のような活用が可能になると考えております。
- 機能の実現可能性の確認
- 「この機能は公式ドキュメントのここに記載されているので実現可能です」といった、ドキュメントを根拠とした回答が得られる
- NRQL等の文法サポート
- NRQLクエリの文法について、公式ドキュメントをベースに教えてもらえるため、クエリ作成が効率的になる
- エラー調査の効率化
- エラー内容についても公式ドキュメントを参照した解決策を提示してもらえる
- ドキュメント作成の効率化
- 現状のNew Relic設定情報と公式ドキュメントを元に、手順書や仕様書の作成が効率的になる
監視データの取得と公式ドキュメントの参照が統合されることで、IDE内で完結する運用が実現できるととても嬉しいです! アップデートに期待しています。
まとめ
New Relic MCPを使うことで、Amazon Q Developerから直接New Relicの監視データにアクセスできるようになりました。
特に、障害対応時にIDEから離れずに監視データを確認できるのは、開発者にとって大きなメリットだと思います。
現在はプレビュー版ですが、今後の正式リリースが楽しみですね。
宣伝
弊社では、お客様環境のオブザーバビリティを加速するためのNew Relicアカウント開設を含めた伴走型のNew Relic導入支援サービスをご提供しております。 もしご興味をお持ちの方は、こちらのお問合せフォームよりお問合せ頂けましたら幸いでございます。
・福田 圭(記事一覧)
・マネージドサービス部 所属・X(Twitter):@soundsoon25
2023 New Relic Partner Trailblazer。New Relic Trailblazer of the Year 2025受賞。New Relic User Group運営。