AWSの無料利用枠がややこしい話

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こんにちは、技術2課加藤ゆです。
AWS 無料利用枠には3種類あることをご存じでしょうか?

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AWS無料利用枠3タイプ

AWSでは、無料利用枠を活用して 100 を超えるサービスをお試しいただくことが可能です。
しかし、AWSサービスによって利用できる無料枠タイプが異なります。
無料だと思ったのに料金請求されているYO!!とならないよう、ご確認ください。

1.無料トライアル
2.12 か月間無料
3.常に無料

アカウントを単体でご利用されている場合は問題ないのですが、
AWS Organizationsを利用し、アカウントが親子関係にある場合はご注意いただく必要があります。

1.無料トライアル

短期の無料トライアルは、特定のサービスをアクティブ化した日から開始されます

はじめて対象のサービスを使ったときに、ある指定期間利用できる無料枠です。
期間とサービスごとの指定条件を守っていれば、無料で利用可能です。

ただし、Organizationの関係で親アカウントに紐づいた子アカウントの場合はこの限りではありません。ご自身のアカウントがどこかの親組織に紐づいていないかご確認ください。

無料利用枠は、親アカウントと子アカウント全てで共有利用となります。
親子関係がある場合、他アカウントで指定枠が利用済みであれば無料枠対象にはなりません

2.12 か月間無料

AWS に最初にサインアップした日から 12 か月間、これらのサービスをご利用いただけます

AWSアカウントを作成した日から1年間利用可能な無料枠です。

ただし、「無料トライアル」タイプと同様にこちらも親アカウントと子アカウント全てで共有利用となります。
親子関係がある場合は、親アカウント作成後12 か月間無料となるため、12か月経過している場合は利用できません

3.常に無料

これらの無料利用枠に有効期限はなく、AWS のすべてのお客様が利用可能です

無期限で利用できる無料枠です。

無料利用枠対象か調べたい

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こちらの公式概要ページからご確認ください。
検索バーに対象サービス名を入力いただくと対象があればサービスがでてきます。

EC2の場合は、
「無料利用枠:12 か月間無料」と出ていますので、12 か月間無料タイプであることが分かります。

EC2インスタンスの無料枠を使いたい

試験用、学習用にインスタンスを利用したいことってありますよね。
でも本番稼働ではないので、無料枠で収まるなら、無料枠で使いたい・・。

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上記の通りEC2は、12 か月間無料タイプで利用できます。

どんな制限があるか、みていきます。 ※2022/02/10時点

1.インスタンスタイプ

t2.micro (t2.micro が利用できないリージョンでは t3.micro) を指定する必要があります。
それ以外のインスタンスタイプでEC2インスタンスを作成すると無料枠は適応されません。

2.OS

Linux、 Windows、RHEL、SLESが対象です。
AMI選択時に「無料利用枠対象」の記載があるものを選択してください。

3.利用時間

毎月 750 時間まで利用可能

翌月の繰り越しはありません。 また、毎月全リージョン、全t2.microインスタンスでの合計量で計算されます。複数台を利用する場合は、合計のt2.microインスタンス稼働時間にご注意ください

4.期間

前述通り、12 か月間無料タイプなので、AWSアカウントを作成した日から1年間利用できます。
(Organizations環境の場合、マネジメントアカウントを作成した日)

おわり

EC2インスタンスを無料枠で利用しても、つけたEBSボリュームは料金がかかっていた!という事もあります。
利用するサービスとそれに付随して利用するサービスの料金も同時にご確認ください。

なお、GuardDuty等の一部サービスにおいては Organizations 単位ではなく、アカウント単位で適用されるものもあります。
その場合、リージョンおよびアカウントごとに初めて利用する場合には無料トライアルが適用されます。
(※ちなみにアカウント単位で適用されるサービスの一覧表等のドキュメントは無い)

アカウント単位で適用するか?を確認したいサービスがあれば、 具体的なサービス名を添えて都度サポートへの問い合わせが必要です。

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エンタープライズクラウド部 所属

2020年4月に新卒入社