はじめに
こんにちは、ずっと練習しているうちにいい感じにパラパラなチャーハンが作れるようになってきた山本です。✨
最近、資格勉強に勤しんでいる最中でインスタンスのコスト削減における料金プランについてブログを通して理解を深めていきたくなったので当ブログにまとめてみたいと思います。
資格勉強では料金プランの仕組み自体は理解できても実際のユースケースなどを意識して取り組めていなかったので、私含め誰かの資格勉強の手助けになれれば幸いです🔥
また、当記事ではそもそもコスト削減が必要な理由についても改めて触れてみたいと思います。
なぜコスト削減が必要なのか
クラウドへの移行が加速していく現代において、AWSは高い利便性とインフラの構築容易性を携えています。しかし、その利便性や構築容易性の裏側には常に「コスト管理」という課題が潜んでいます。
例えば、プロジェクトの立ち上げ時には必要な時に必要なだけリソースを利用できる「オンデマンド料金」の柔軟性が大きな魅力となりますが、その後サービスが軌道に乗ってリソースの利用が継続的になると、そのコストは予想以上に膨らんでしまうことがあります。
そこで重要となるのが、長期的な利用を見据えた「割引プラン」の活用です。AWSは、継続的な利用をコミットすることで、大幅なコスト削減を可能にする仕組みを提供しています。その中でも、特に中心的な役割を果たすのが、 Reserved Instances(リザーブドインスタンス) と Savings Plan(セービングスプラン) です。
当記事では、この二つのコスト削減策がそれぞれどのような特性を持ち、どのような場合にどちらを選ぶべきかを、具体的なユースケースを交えて解説します。
各割引プランの概要
Reserved Instances(リザーブドインスタンス)
特定のインスタンスタイプ、リージョン、期間(1年または3年) の利用を事前に決めて申請することで、大幅な割引を受けられる仕組み
メリット
- 高い割引率(後に説明するSavings Planよりも高い場合もある)
- 特定のAZでキャパシティを予約できる。
→ 需要が高いときに確実にインスタンスを確保
デメリット
- 契約したインスタンスタイプやリージョンを変更できないのでビジネス要件が変わると契約が無駄になりかねない
- インスタンスタイプごとに購入する必要があるので管理に手間取る
Reserved Instances(リザーブドインスタンス)に関するさらに詳細な情報はこちら
Savings Plan(セービングスプラン)
1時間あたりの 利用料金($単位) を事前に決めて申請することで、EC2、Fargate、Lambdaなど幅広いコンピュートサービスに割引が適用される仕組み
メリット
- インスタンスタイプやリージョン、OS(Linux/Windows)を変更しても割引が継続される。
- 複数のインスタンスタイプを運用していても、1時間あたりの利用料金単位の申請なので申請自体を一つにまとめられる。
デメリット
- 割引率がReserved Instances(リザーブドインスタンス)よりも低い場合がある。
- 1時間あたりの利用料を正確に予測しないと許容されたリソースを使い切れなかったり、逆に超過して割引が適用されないオンデマンド料金になってしまう場合もある。
Savings Plan(セービングスプラン)に関するさらに詳細な情報はこちら
具体的なユースケースで比較する
Reserved Instances (RI) を選ぶべきケース:予測可能な基幹システム
基幹システムの状況
24時間365日稼働する安定したWebサービスを運用
このサービスは、トラフィックが比較的安定しており、今後1年以上にわたって特定のインスタンスタイプを使い続けることが確定しています。
RIが最適である理由
インスタンスタイプ、リージョン、OSといった利用形態が長期間変わらないため、RIの最も高い割引率を無駄なく適用可能である可能性が高いです。
RIを購入することで、特定のAWSリージョンやアベイラビリティゾーン(AZ)でインスタンスを起動するためのキャパシティが確保されます。
これは、需要が急増するピーク時でも必要なインスタンスが確実に利用可能であることを保証してくれています。
判断のポイント
利用の確定性: 数か月ではなく、1年以上特定のインスタンスタイプを使い続けることが確実か?
トラフィックの安定性: 常に同じ台数のインスタンスを稼働させているか?
キャパシティの重要性: ビジネスの性質上、ピーク時のリソース不足が致命的になるか?
Savings Plans (SP) を選ぶべきケース:柔軟性が求められるモダンな開発
システム開発の状況
複数のチームがマイクロサービスを開発しており、それぞれのサービスがEC2、Fargate、Lambdaといった異なるコンピューティングサービスを利用している
また、開発チームはコスト効率やパフォーマンスを考慮して、頻繁にインスタンスタイプや構成を変更する
SPが最適である理由
SPはインスタンスタイプやリージョンに縛られず、「1時間あたり〇ドル分を提供する」という考え方に基づいています。したがって、たとえc5.largeからm5.largeにインスタンスを変更したり、LinuxからWindowsにOSを変えたりしても、割引が継続されます。
EC2、Fargate、Lambdaなど、複数のコンピューティングサービスにまたがる利用料を一元的に管理できます。これにより、個別のサービスごとに割引プランを購入・管理する手間が省け、運用のオーバーヘッドが大幅に削減可能です。
判断のポイント
利用形態の多様性: 複数の種類のインスタンスやサービス(EC2、Fargate、Lambda)を利用しているか?
構成変更の頻度: インスタンスタイプやリージョンを頻繁に変更する可能性があるか?
管理の簡素化: コスト管理をシンプルな構成にできるか?
終わりに
いかがでしたでしょうか。
RIとSPやその他インスタンスに関する割引プランの仕組みは初めてAWSを勉強する方にとってなかなかイメージの沸きづらいものなのではないかと思います。
また、今回取り上げたRIやSP以外にも、割引の仕組みが存在するサービス(スポットインスタンス等)がたくさん存在しています。
そのような概念を学ぶ際にはユースケースを想像することでより現実味が感じられ、どのサービスを活用するのが最適であるかが見えてくるはずです。
大切なのは知識を蓄えるための記憶力だけではなく、積み重ねた知識を組み合わせたり微細な知識間の違いを吟味することで新たな知見を増やしていくことだと思うので、難しい用語は多いですが頑張って知識を蓄えていきましょう🔥
山本 竜也 (記事一覧)
2025年度新入社員です!AWSについてはほぼ未経験なのでたくさんアウトプットできるよう頑張ります✨