はじめに
こんにちは、サーバーワークスの行武です。
今年のRubyKaigiは、2023年5月11日〜13日の日程で、長野県松本市にあるまつもと市民芸術館で開催されました。
弊社からは毎年RubyKaigiに参加している先輩プログラマーと私の2名が、RubyKaigiに参加しました。
今回、私は初めてRubyKaigiに参加したので、参加してみての感想とRubyKaigi 2023の期間中どのように過ごしていたかを写真とともにご紹介します。
自己紹介
私はプログラマー歴3年目で、Ruby on Railsアプリの開発者です。 現在はAWSの運用をサポートする【Cloud Automator】というWebサービスの開発・運用チームのメンバーとして働いています。 Cloud Automatorは、Webアプリケーションフレームワークとして【Ruby on Rails】を採用しています。
私がRubyに出会ったのは2020年1月23日、プログラミング学習サイト(Progate)でRubyのコースを始めたのが最初です。
その後、2020年4月に新卒でサーバーワークスに入社して、新卒研修やOJTに取り組み、2021年3月からサービス開発課に本配属となります。
ここから私のRailsアプリ開発者としてのキャリアがスタートしました。
RubyKaigiの紹介
RubyKaigiは、プログラミング言語Rubyに関する国際会議です。 最新技術を議論する場、Rubyの未来を議論する世界最大のRubyコア開発者の集まり、そして日本語と英語によるコミュニティハブとして、重要な役割を担っています。 2013年からイベントの第一公用語は英語となっています。
規模感の参考として、RubyKaigi 2023は現地参加のチケットが1200枚、オンライン参加のチケットが100以上売れていたそうです。
RubyKaigi 2023の期間中、どのように過ごしていたか
RubyKaigi 2023の期間中、私がどのように過ごしていたかをご紹介します。
講演
RubyKaigi 2023では以下のような講演が行われました。
- 3つのKeynote
- Rubyコアの開発メンバーによる60分間のスピーチが行われました
- Pannel Discussion
- Rubyコアの開発メンバー達(Rubyを作っている方々)が壇上に集結し、今後の開発方針についてディスカッションと質疑応答を行いました
- Lightning Talk Session
- Rubyを使っている12人のスピーカーによって、一人5分以内のLTが行われました
- 45のTalk Session
- Rubyを使っているスピーカーによる30分間の発表が行われました
- 45のセッションのうち、19のセッションは日本語で、26のセッションは英語で行われました
- 会場には3つのホールがあり、基本的にセッションは3つずつ開催されました
スケジュール(公式サイト) https://rubykaigi.org/2023/schedule/#day1
私はスケジュールが公開されてから、各セッションの説明文を読んで、参加する講演をだいたい以下のような基準で選びました。
- 興味あるジャンルの講演を観る
- WebAssembly
- 型関連(typeやRBS)
- YJIT
- せっかく現地参加するので、海外から参加しているRubyコアの開発者による英語の講演を観る
- Stan Loさん
- Alan Wuさん
- Jeremy Evansさん
- Maxime Chevalier-Boisvertさん
- Samuel Williamsさん
- 最新機能やパフォーマンス改善の紹介など、業務に活かせそうな講演を観る
参加する講演を事前に決めて、基礎知識や過去の発表動画などを予習しておいたおかげで、ほとんどの講演をそれなりに理解しながら聴くことができました。
私は3日間で以下の講演に参加しました。
1日目
スピーカー | タイトル |
---|---|
Yukihiro "Matz" Matsumoto | Matz Keynote |
Yuma Sawai | Develop chrome extension with ruby.wasm |
Koichi Sasada | "Ractor" reconsidered |
tomoya ishida | Power up your REPL life with types |
- | Lightning Talks |
2日目
スピーカー | タイトル |
---|---|
Hiroshi SHIBATA | How resolve Gem dependencies in your code? |
Stan Lo | Build a mini Ruby debugger in under 300 lines |
Go Sueyoshi | Fix SQL N+1 queries with RuboCop |
Yusuke Endoh | Revisiting TypeProf - IDE support as a primary feature |
Chris Salzberg | Multiverse Ruby |
Alan Wu | Fitting Rust YJIT into CRuby |
Jeremy Evans | The Second Oldest Bug |
Maxime Chevalier-Boisvert | Optimizing YJIT’s Performance, from Inception to Production |
3日目
スピーカー | タイトル |
---|---|
CRuby Committers | Ruby Committers and The World |
Michael Milewski, Selena Small | Ruby vs Kickboxer - the state of MRuby, JRuby and CRuby |
SHIGERU NAKAJIMA | Load gem from browser |
Samuel Williams | Unleashing the Power of Asynchronous HTTP with Ruby |
Masataka Kuwabara | Let's write RBS! |
Soutaro Matsumoto | Parsing RBS |
スポンサーブース
RubyKaigi 2023の期間中はスポンサー企業がブースを展開しており、自社のサービスの紹介やノベルティの配布などをしていました。
スポンサー企業(公式サイト) https://rubykaigi.org/2023/sponsors/
2日目からは公式企画としてスポンサーブースのスタンプラリーが実施されていて、私も参加しました。 この企画のおかげでスタンプを集めながら、各ブースで話を自然と聞くことができたのでありがたかったです。
各ブースのスタンプを集めると限定ピンバッジをもらえました。
最近本を出したRubyistに話しかけようスタンプラリー
こちらは有志の企画だったのですが、最近Ruby関連の本を出した著者翻訳者たちに話しかけるスタンプラリーが実施されていて、私はこちらの企画にも参加しました。
最近本を出したRubyistに話しかけようスタンプラリー(企画ページ) https://note.com/yotii23/n/n031bfdc95859#bc281ded-ca91-4df0-9c1e-7e9ae060cf96
私は『研鑽Rubyプログラミング』著者のJeremy Evansさん、翻訳者の角谷信太郎さんと話してみたかったのですが、この企画により話しかけやすくなって助かりました。 著者翻訳者4人以上に話しかけてスタンプを集めると、限定の栞がもらえました。
パーティー
- 1日目の夜はホテルのパーティ会場で500人規模のOfficial Partyが開催されました。
- 2日目の夜はスポンサー企業4社がそれぞれ飲み会を開催していました。
- 3日目の夜はスポンサー企業による250人規模のAfter Partyが開催されました。
イベント(公式サイト) https://rubykaigi.org/2023/events/
私は1日目のOfficial Partyに参加しました。
Official Partyは立食形式で、料理やお酒をいただきながら、自由に懇親を深められる場となっていました。
私はミーハーなので、Rubyコアの開発メンバーの何名かに話しかけて、一緒に写真を撮ってもらいました。対応してくださった皆さんには感謝しかないです。
設備
- Wi-Fi
会場ではRubyKaigi専用のWi-Fiが提供されていました。このWi-Fiは電波の強度と通信速度が安定していて、助かりました。
- 電源
メインホール前方の座席下には電源タップが用意されていました。また会場4階のHACK SPACEにも電源タップや充電器が用意されていました。充電が足りなくなっても、これらの設備があったので問題ありませんでした。
食事
- 飲食用のクーポン券
参加者には提携している飲食店で利用可能な1000円分のクーポン券が3枚、提供されました。こちらは食費の補助として、ありがたかったです。
- 会場周辺の飲食店
お昼前の講演が終わると多くの参加者が会場を出て、周辺の飲食店で昼食をとっていました。
- お弁当
基本的に会場周辺の飲食店で昼食をとる形となっていましたが、数量限定でお弁当も提供されていました。
私は3日間で以下のような昼食をいただきました。
1日目は松本駅近くのお蕎麦屋さんに行き、天ざるそばをいただきました。天ぷらの衣はサクサクで、そばも美味しかったです。
2日目は会場の屋上でお弁当をいただきました。山賊焼きはパンチが効いていて美味しかったです。
3日目はうなぎ屋さんに行き、クーポン券を使って、うなぎをいただきました。特上うな丼は上品な味で美味しかったです。
初めてRubyKaigiに現地参加した感想
最後に感想です。
私は今回RubyKaigi 2023に参加できて、とても良かったです。 以前からプログラマーとしてまあまあ楽しく働いていましたが、今回RubyKaigiで優れた技術者を間近で見て、私にはプログラマーとしての楽しめる余地がまだまだあることを実感できました。
RubyKaigi 2023に参加して、以下のような良いことがありました。
- まずRubyコアの開発者の講演を聞くことで、Ruby 3.2の最新技術と今後の可能性について学び、その中でも自社サービスの開発に活かせそうな技術を知れました
- 次にRubyを使っておもしろいものを作っている方々の発表を聞けて、プログラマーとしてワクワクするような良い刺激を得られました
- さらに現地参加したことで松本を楽しく観光したり、現地の料理やお酒を美味しくいただけたりしました
- そして何より「Rubyを作っている方々」に直接感謝を伝えられたり、「Rubyを使っている人や企業」と交流できたりしました
RubyKaigi 2024は2024年5月15日〜17日の日程で、沖縄で開催されます。 今回の経験がとても良かったので、私は来年のRubyKaigiも参加するつもりです。
おわりに
私の主観ですが、以下のような人はRubyKaigiをすごく楽しめると思います。
- Rubyでプログラミングするのが好きな人
- Rubyを使ってプログラミングしているが、さらにレベルアップしたい人
- Rubyが好きな人と会ってみたい人
- Rubyを作っている人の話を聞きたい人
- Rubyを使っている会社の話を聞きたい人
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
行武 直人 (記事一覧)
2020年4月 新卒入社
サービス開発部サービス開発課所属
2024 AWS ALL Certifications Engineers
Railsアプリ開発者
@zhiren1211