こんにちは、アプリケーションサービス部の山中です。
最近は、新卒研修やお客様へのトレーニングなどを担当しています。
今回は研修を考える上で、重要になる研修の評価について企業内人材育成入門 - ダイヤモンド社 の内容をもとに私なりに考えなどをまとめてみようと思います。
また、この内容は実際に現場で活用していき、新たな視点や捉え方を発見するたびにアップデートしていくつもりです。
研修とは
研修は大きく以下 2 つの目的によって実施されます。
- 学習者が学ぶこと
- 学習者に変化が起きること
一般的になにか解決したい課題があり、解決しようとするアクションの 1 つに研修があります。
ここで大切なのは、研修は目的を達成するための (課題を解決するための) 手段であり、目的ではないという点です。
例えば、私は新卒研修の設計などに携わる機会があります。 サーバーワークスでは約 1 年間の研修を通して配属先を新入社員それぞれに自分で決めてもらいます。
そのために必要な状態が例えば以下だと仮定した場合、
- それぞれの新入社員が自分で配属先を決めることができる
- 配属されてからスムーズに業務に入っていける
もちろん入社直後は会社にどんな部署があるかわからないし、技術のこともほとんどわからない状態なので、そのギャップが課題であり、新卒研修でそのギャップを埋めることが目的となります。
教育評価とは
上記のように「なにか課題があり、それを研修という手段で解決する」というのはよく聞く話ですがここで忘れてはいけないのが目的を達成した、ということをどのように評価すればいいのか?という点です。
また、学習者自身の変化以外にも教育活動をよりよいものにするにはどうすればいいのか、といった観点でも評価はとても重要なものになります。
このように、やりっぱなしにせず、学習者だけでなく講師や教育内容などを含んだ教育活動全体をどのように評価するのか、という目的で教育評価を実施する必要があります。
用語について
ここで、「教育」という言葉が出てきたので、このブログ内での言葉の定義を「学習」という言葉の比較を用いて確認しておきます。 このブログ内では以下の意味で言葉を使用しています。
言葉 | 本ブログ内での意味 |
---|---|
学習 (活動) | 目的を達成するために組織・個人がすべきこと。 |
教育 (活動) | 学習活動を支援するために人材育成部門ができること。 |
研修を作るときにはまず研修を通して達成する研修ゴールとゴールに対する行動目標を設定しますが、行動目標の達成は学習者の学習活動によって行われ、その学習活動を支援することが教育活動です。
評価方法
教育活動の評価には、目的に応じて大きく以下の 4 つの方法があり、
評価方法 | 内容 |
---|---|
事前的評価 | 学習者の受入や教授活動展開の参考のために行う。 例えば、研修前に学習者にインタビューしたり、事前テストを実施することで研修難易度の設定や内容の参考にするなどを行っています。 |
形成的評価 | 授業や研修の途中に、教育活動の展開をコントロールや、教授活動へフィードバックを行う。 例えば、新卒研修では週次で学んだ内容をアウトプットしてもらうことで学習進度の確認をしています。 |
総括的評価 | 授業や研修が終わった後に、その活動の成果の把握や評価、認定を行う。 例えば、行動目標の達成度を研修が終わったあとに関係者へアンケートを用いてヒアリングしています。 |
外在的評価 | 教授活動全体を客観的に捉え、教育内容や制度環境などを改善しようとする。 サーバーワークスには KPT の文化が根づいているのですが、 KPT を通して研修の振り返り及び改善をする活動がこの評価にあたると考えています。 |
それぞれの関係を図示したものは下図のとおりです。
研修実施後の総括的評価にどうしてもフォーカスされてしまいがちですが、例えば行動目標として「AWS Certified Solutions Architect - Associateに合格する」とした場合「合格するかどうかは受けてみないとわからない」だとある意味一か八かの賭けのようになってしまいます。 そのために、形成的評価などで定期的に学習進度などを把握し、必要があれば研修の途中で内容を変える、や、補習を追加するなど対応が必要です。
まとめ
今回はここまでとしますが、研修評価については奥が深く、いままさに来年度の研修をどのような評価活動を通して進めていくか、を考えている状況なのでまた評価について学びがあればお伝えしていきます!