こんにちは。Amazon Connect専任担当の丸山です。
今回はサーバーワークスの代表電話をAmazon Connectに変更してどのように効率化できたのかを数字で共有させていただきます。
- 代表電話のAmazon Connect化
- オフィスにおける電話対応の背景
- Amazon Connect導入だけで得られる効果
- 【効率化1】転送を回避する
- 【効率化2】電話にできるだけでない、という選択
- どのくらいの成果があったのか
- Amazon Connectで効率化、あなたはできそうですか?
代表電話のAmazon Connect化
サーバーワークスの代表電話は2019年12月からAmazon Connectを利用しています。
単なる置き換えではなく、電話の課題を解決し業務効率化をすること、そして技術的なチャレンジを実践で試すことを大切にして取り組んできました。
今回は、業務効率化にスコープをあててサーバーワークスの代表電話の状況をレポートします。
オフィスにおける電話対応の背景
サーバーワークスはコールセンターではないので電話がひっきりなしに鳴り止まない、ということはありません。
したがって電話専任担当は存在せず、他の業務をしながら電話をとってくれている電話対応チームがいます。
代表電話など会社の電話の運用としては一般的であると思います。
電話は即時性が求められるデバイスです。
着信があったらすぐに対応が必要です。
今ちょっと立て込んでいるので落ち着いたら対応します!というわけにはいきません。
だからといって緊急性が高いかというと、必ずしもそうとは限りません。
電話がかかってきたら、電話を対応する人は現在に行っている仕事の手を止める必要があります。
お客様からのお電話の用件を把握し、必要な対応をします。
話したい担当者がいるのであれば、予定を確認して転送や折り返しご連絡をするお約束をします。
電話をきっても電話対応は終わりません。
電話メモを残したり、タスクを追加したり、緊急の用件であればすぐにアクションに移らなければいけません。
電話対応が終わってもすぐに電話対応前の仕事の再開ができるかというと人間そうもいきません。
タスクの切り替わりには必ずスイッチングタイムが発生します。
兼任で電話対応をするということは、小さなことのように思われるかもしれませんが、それなりに時間を拘束してしまうものです。
貴重な社員の労働力を電話対応で強制的にリアルタイムで、予測不可能なタイミングで使用しなければいけないのです。
Amazon Connect導入だけで得られる効果
Amazon Connect導入前は一般的なPBXを利用していました。
ボタンのたくさんあるオフィスにある電話が、着信したら一斉にプルルルとなる仕組みです。
電話対応メンバーが15名いたとしたら15名の手が一瞬止まります。
そのうち一番早く電話に出た1名が電話対応業務にスイッチ、他14名は小さなスイッチングタイムを入れてもとの仕事に戻ります。
1日の電話対応件数は山谷ありますが45件くらいです。
単純計算で15名が1日45回くらい手を止めてスイッチングタイムを強制的にもっていました。
Amazon Connectは一斉着信をしません。
Availableなステータス(電話対応可能な状態)で一番長く待っていた担当者のみ着信します。
15名対応で1日45回を前提とすると、1日3回だけプルルルと着信音がなる計算となります。
42回のスイッチングタイムが不要になるのです。
PBXから移行をする場合、一斉着信をしないことに最初は不安を感じるかもしれませんが、平等に効率化されるよい仕組みです。
着信音がならないとどんな電話がどのくらいあったのかわかりづらくなってしまいますが、弊社の場合はSlackに電話情報を投稿しているので、Amazon Connectにしたことでむしろオフィスにいないメンバーにも可視化されよりオープンな情報となりました。
【効率化1】転送を回避する
まずは転送を減らす工夫を考えました。
派遣会社からの連絡は中途採用担当が対応
●●会社からの連絡は担当営業の▲▲さんが担当
など電話対応をしているメンバーの頭の中には暗黙の情報が書き込まれていました。
この情報をデータとして具体的に登録して管理しました。
発信元電話番号によって対応すべきチーム、または人を登録します。
チーム(例えば、中途採用担当チーム)が誰もいなかった場合は、他の電話担当が対応するフローにしています。
担当営業に転送する場合は、もちろん営業時間内のみ転送します。
夜中も土日も直接電話がかかってくる、という状況にはなりません。
他のチームや担当者の電話をとった場合は、電話を転送したり電話メモを残す必要があります。
自分への電話をとる確率をあげればこのような「取次作業」が不要になります。
オフィスの電話ではなかなか見かけないスタイルかもしれませんが、コールセンターでは当たり前の考え方になります。
【効率化2】電話にできるだけでない、という選択
わたしたちは「電話にでない」というチャレンジを選択しました。
これは電話を否定するものではありません。
電話を交通整理して最適化することをめざしています。
例えばFAX広告。
せっかく仕事の手を止めて電話を出たのに、ピーヒョロロロロー。
サーバーワークス、FAXはずいぶんまえからもうないんですよね〜。
それから大変申し訳ないのですが、営業電話は緊急度は高くないのでWEBのお問合せフォームからご連絡をいただくよう自動対応をさせていただいています。
お問合せフォームの内容は確認しておりますのでご容赦くださいませ。
このようなお電話は、自動応答でWEBのお問合せフォームに誘導することで有人対応をゼロにさせていただいています。
どのくらいの成果があったのか
転送を減らすことも自動応答で対応することも、機能があっても電話帳のリストがないと機能しません。
電話対応チームのメンバーが0から登録した電話帳のリストは4,000件超となりました。
実際にどの程度効果を発揮しているのか、ここからは数字でみていきましょう。
2021年7月のデータを集計しました。
応対種別比率
着信番号の25%は自動応答で対応をしています。
→有人対応を25%削減
25%(142件)がもし有人対応をしていた場合、1件2分の対応を要したと仮定して計算すると4.73時間の人件費が必要でした。
28%は個別のチーム・担当者に振り分けられています。
→転送を28%は削減できているはず
28%(158件)がもし取次対応をしていた場合、1件2分の対応を要したと仮定して計算すると5.26時間の人件費が必要でした。
平均の数値には現れませんが、なぜか緊急度の高くない営業電話の件数が多い日があります。
そんな日は自動応答での対応が6割を超えたこともあります。
着信番号の登録率
59%の電話番号は電話帳に登録されていました。
多くの会社へリセールサービスを提供している弊社の業態を考えるとこの数字はかなり優秀だと思います。
電話対応チームのみんな、ほんとにありがとう!
この数字が低ければ低いほど、実装した機能は使われずに無駄になります。
登録済み番号の応答種別比率
登録済みの番号だけでみると91%が自動応答または個別のチーム・担当者に振り分けられています。
効率化をするための仕組みが使われている実感があります。
不特定多数の電話番号からの電話が少ない業務形態であればここまで効果を上げることも可能かもしれません。
Amazon Connectで効率化、あなたはできそうですか?
サーバーワークスの効率化の事例を今回はご紹介しました。
コールセンターやヘルプデスクはもちろん、通常のオフィスの電話でも効率化できるケースは多いのではないでしょうか。
弊社では今回ご紹介したようなまじめな効率化のほか、使えるだけの技術を最大限に投入した実証実験を代表電話で行っています。
技術検証をしただけではなく、日々運用して検証している点が弊社の強みです。
Blogで優雅に語れる成功例もあれば、失敗や効果のない導入技術もあります。
技術的にはおもしろくない大事な運用Tipsも蓄積しております。
Amazon Connectは、在宅勤務(リモート勤務)での電話対応の対応はもちろん、効率化も得意としています。
働く環境が変わった今こそ、電話環境を見直してみませんか?