【Application Migration Service(MGN)】概要と仕組みについて

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こんにちは。AWS CLIが好きな福島です。

はじめに

今回は、Application Migration Service(MGN)を使用したため、概要と仕組みをブログに記載いたします。 実際に使用する上でポイントとなる点がいくつかありましたが、それは別のブログに記載いたします。

Application Migration Service(MGN)とは

一言でいうと、オンプレなどのサーバーをAWSへ移行するためのサービスとなります。 ※CloudEndure Migration のテクノロジーに基づいています。

また、2021年5月にリリースされたサービスでCloudEndure Migration または Server Migration Service (SMS) の後継となるサービスです。
※AWSは、上記サービスを利用している場合、Application Migration Service(MGN)への切り替えを推奨しております。

AWS Application Migration Service の一般提供を発表

ちなみに、Application Migration Serviceの略称がAMSではなく、MGNなのは、 AMSはAWS Managed Servicesという他のサービスの略称になっているためだと思われます。

以降、Application Migration Serviceは、MGNと記載いたします。

仕組み

MGNの仕組みを図で表すと以下の通りです。(①~⑪は、流れを表しています。)

重要な要素の詳細は、以下に記載しいているため、確認いただいた上で上記の図を再度確認いただければ、MGNについて、少しは把握できるかなと思います。

要素

MGNで重要な要素を以下に記載いたします。

1.Application Migration Serviceのエンドポイント

  • ソースサーバーから継続的にアクセスできる必要があります。
  • ソースサーバーは、このエンドポイントに接続し、Replication Agent(後述)のアップグレードやソースサーバーの関連情報の送信等を行います。

2.Replication Agent

  • ソースサーバーに導入するエージェントになります。
  • 本エージェントがReplication Server(後述)にデータを転送します。
  • インストーラーがS3に公開されているため、そこからダウンロードします。
  • 導入には、Pythonを使い、導入する上でクレデンシャルを設定する必要があります。

導入手順の詳細は、以下を参照してください。

AWS Replication Agent installation instructions - Application Migration Service

3.Replication Server

  • ソースサーバーからデータを受け取るサーバーとなります。
  • ソースサーバーからインターネット経由またはプライベート接続(DXやVPN)でアクセスできる必要があります。(1500ポートを利用。)
  • Replication Agentをソースサーバーに導入するとMGNにより自動で作成されます。
  • 実態はEC2となり、各ユーザーのマネジメントコンソールから確認することができます。
  • ソースサーバのディスクと同一の数、本サーバーにEBSがアタッチされます。

4.Replication Settings

  • 構築するReplication Serverの設定となります。
  • サブネットやインスタンスサイズ、SecurityGroupなどが設定可能です。
  • この設定に応じて、MGNがReplication Serverをデプロイします。

5.Conversion Server

  • Replication Serverに同期されたデータ(EBS)からAMIを作成するサーバーとなります。
  • データの同期が完了後、AWSにEC2をTestまたはCutoverインスタンスとしてデプロイする際(図の⑧)にMGNにより自動で作成されます。
  • 本サーバーも実態は、EC2となり、各ユーザーのマネジメントコンソールから確認することができます。

6.Launch Settings

  • Launch Settingsは、AWSにデプロイするTestまたはCutoverインスタンスの設定となります。
  • General launch settingsとEC2 Launch Templateという設定に分類されます。
  • General launch settingsには、移行元のサーバーのIPをコピーする設定などができます。
  • EC2 Launch Templateの実態は名前の通り、EC2のLaunch Templateになり、デプロイするEC2のサブネットやインスタンスサイズなどの設定ができます。

General launch settingsの詳細は、以下を参照ください。

General launch settings - Application Migration Service

通信要件

上記図は、通信要件を正確に記載していないため、詳細は以下をご確認ください。

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/mgn/latest/ug/images/AWS-MGN-Network-Architecture.png AWSのドキュメントから引用

通信要件の詳細は、以下のAWSのドキュメントをご確認ください。

Network requirements - Application Migration Service

コスト

MGNにかかる費用は、移行するサーバーごとに90日間無料となります。 そのため、90日以内にAWSへの移行が完了すれば、無料で利用できるということになります。

90日経過すると、

  • 1 時間あたりのコスト:0.042 USD/サーバー
  • 1 か月あたりのコスト:~30 USD/サーバー

となります。

リフトアンドシフト - AWS Application Migration Service の料金

注意点としては、MGNにかかる費用は、90日間無料となりますが、 Replication ServerやConversion Serverなどのリソースには料金が発生します。 ※私が検証した時には、長い期間データのレプリケーションをしていたからか、EBS:VolumeP-IOPS.piopsのコストが大きかったです。

まとめ

MGNについて、概要と仕組みをまとめてみました。
どなたかのお役に立てれば幸いです。

福島 和弥 (記事一覧)

2019/10 入社

AWS CLIが好きです。