はじめに
こんにちは、マネージドサービス部の福田です。
システムにおいてサービスの品質と顧客満足度は成功の鍵となっています。
しかし、サービスの指標とビジネスの成果を効果的に結びつけることは、多くの組織にとって課題となっているかと思います。
そこで今回は、この課題について重要な3つの概念について紹介します
- SLI(Service Level Indicator):サービスの性能を測定する指標
- SLO(Service Level Objective):サービスの目標となる性能レベル
- ビジネスKPI(Key Performance Indicator):ビジネスの成功を測る指標
これらの概念がどのように関連し、ビジネスの成功につながるのか、そしてNew Relicを活用してこれらを効率的に設定するためにはどうしたらいいのかについて紹介していきます。
なぜSLI/SLOが重要なのか
なぜ重要なのかの答えは「 サービスが正常に機能している」ことを把握するためです。
SLI、SLO、ビジネスKPIの関係
ではSLI、SLO、ビジネスKPIはどのような関係性があるのでしょうか
以下のようにまとめてみました。
具体例:オンラインショップの場合
SLI、SLO、ビジネスKPIの内容はシステムや組織によって異なってきます。
とはいえ実装内容のイメージすることは重要なのでオンラインショップを例に、これらの関係を具体的に紹介いたします。
SLIとSLOの実装課題
以降の内容では、New Relicを使用したSLIおよびSLO実装の具体的流れを紹介いたします。
New RelicでのSLI、SLO実装の流れ
Service Level ManagementによるSLI、SLOの作成の流れ
- New Relicにログインし、"Service levels"ページに移動
- "Create a service level"をクリックし、SLIを定義
- APMサービス、ブラウザアプリ、外形監視など、様々なデータソースから選択可能
- SLIの設定を実施
- 表示されているNew Relicのベースライン項目を選択すると自動的にSLIの条件やSLOのデフォルト値が設定されます
- 設定したいデータソースによってNew Relicのベースラインの項目(SuccessやLatencyなど)が異なる
- New Relicのベースライン以外の内容もカスタマイズ設定可能
- 表示されているNew Relicのベースライン項目を選択すると自動的にSLIの条件やSLOのデフォルト値が設定されます
SLOを設定し、目標達成率と測定期間を指定
- 例:99.9%のリクエストが良好であることなど
SLIにわかりやすい名前とタグを付与し、説明を追加
ワンクリックでのSLI、SLO設定の流れ
APMでのSLI作成画面例
- New Relic APMでのSLI作成画面
- New Relicが自動的にサービスのベースラインを分析、設定される
- 今回の例としてはエラー率、レスポンス時間など)のSLOが設定されました。
- New Relicが自動的に作成したSLIの設定内容の確認、閾値含めた修正作業も可能
カスタムダッシュボードの例
最後に以下のような内容を把握できるカスタムダッシュボードをご紹介します。
New Relicを活用したSLI/SLOの設定についてご参考になればと幸いです。
SLI達成率の概要
- 複数のサービスやリソースのSLI達成率を一目で確認可能
- 色分けを使用して、目標を達成しているSLI(緑)、警告レベル(黄)、早急な対応が必要(赤)を視覚的に表現
時系列での達成率推移
- 各SLIの達成率を時系列で表示し、時間経過によるパフォーマンスの傾向を把握可能
作成したダッシュボード
(参考) 上記ダッシュボードの状況
まとめ
SLI、SLO、ビジネスKPIは、それぞれが独立した概念ではなく、密接に関連しています。
技術的な指標(SLI)と目標(SLO)を適切に設定・管理することで、最終的にビジネスの成功(KPI)につながります。
SLI/SLOの導入は敷居が高いと思いますがNew RelicではNew Relicへデータを送るだけでさくっとSLI/SLOを設定してみることが可能になります。
実際に本番運用するには検討が必要になると思いますが、SLI/SLOの導入のイメージが付くので少なくとも白紙状態からの脱却が望めると思います
本記事がSLI/SLOの導入に対してNew Relicを活用する際のご参考になれば幸いです。
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