こんにちは、カスタマーサクセス課の城です。
re:Invent開催中ということもあり、連日新しい機能などがどんどん発表されており、毎年のことながら必死に情報を追っています。
今回は先日発表されました、Amazon EBS Snapshot Archiveについて紹介いたします。
- Amazon EBS Snapshot Archiveとは
- Amazon EBS Snapshot Archiveのコスト
- EBS Snapshot Archiveに変更してみる
- 最低保存期間の90日分について
- アーカイブからスナップショットを復元
- 利用するうえでの考慮事項、制限事項
- 最後に
Amazon EBS Snapshot Archiveとは
90日以上保持するEBSスナップショットについて75%コストを削減することが可能です。
90日以上と記載されている点、詳細は後述しますが、最低90日という保存期間が設定されています。
コストが削減できる反面、アーカイブですので、実際に利用するには標準のスナップショットに復元する必要があり、これに時間がかかるということが制約となります。
復元に必要な時間はサイズによっては最大72時間ということです。
S3 Gracierに近いイメージかと思います。
Amazon EBS Snapshot Archiveのコスト
75%削減ということでコストを見ていきます。
下記リンク先はEBSに関する料金ページとなりますが、まだ日本語のページには反映されていないようですので、英語でご覧ください。(2021/12/2 9:00時点)
High-Performance Block Storage– Amazon EBS Pricing – Amazon Web Services
EBS Snapshots Storage Pricing
ストレージ層 | 料金 |
---|---|
Standard | $0.05 per GB of data stored |
Archive | $0.0125 per GB of data stored |
EBS Snapshots Restore Pricing
ストレージ層 | 料金 |
---|---|
Standard | Free |
Archive | $0.03 per GB of data retrieved |
GBあたりのスナップショット料金自体は75%オフの$0.0125/GBとなっています。
ただし、アーカイブについては復元する際に$0.03/GBの料金がかかるので、把握しておきましょう。
EBS Snapshot Archiveに変更してみる
スナップショットの[アクション]に[アーカイブのスナップショット]という項目が追加されていました。
アーカイブするとアーカイブストレージ層に保存されて使用できなくなります
、 使用するには最初に復元する必要があります
との注意のポップアップが表示されます。
[アーカイブのスナップショット]をクリックしてアーカイブします。
アーカイブの進捗状況については「ストレージ階層」のタブで確認できます。
最低保存期間の90日分について
EBS Snapshot Archiveの最低保存期間は90日とされていますので、注意してください。
作成したEBS Snapshot Archiveを試しに削除しようとすると次のポップアップが表示されました。
これはドキュメントのConsiderations and limitationsのところにも記載があり、90日以前に削除する場合は残日数分の料金が請求される仕様のようです。
https://docs.aws.amazon.com/AWSEC2/latest/UserGuide/snapshot-archive.html#snapshot-archive-considerations
アーカイブからスナップショットを復元
アーカイブからスナップショットを復元してみます。
スナップショット復元する際は料金がかかりますとの注意があり、親切さを感じます。
復元タイプを指定する必要がありますが、復元タイプには「永続(permanently)」と「一時(temporarily)」の二つのタイプがあります。
復元タイプについては次のドキュメントに記載がありました。
https://docs.aws.amazon.com/AWSEC2/latest/UserGuide/working-with-snapshot-archiving.html#restore-archived-snapshot
「永続(permanently)」の復元タイプはスナップショットをアーカイブ層からスタンダード層に移動し、アーカイブ層のスナップショットは削除されます。
「一時(temporarily)」の復元タイプは指定した復元期間の間、アーカイブ層からスタンダード層にコピーされ、アーカイブ層のスナップショットは保持されます。
復元期間中は復元期間を増減、また、復元タイプの変更も可能との記載があります。
また、ドキュメントには次の記載もあり、復元タイプを一時で指定し、復元期間を1日で設定して復元すると早く復元できるようです。
You can end a temporary restore early by setting the restore period to 1 day.
今回は復元タイプ「一時(temporarily)」を選択して復元してみます。
復元タイプを一時にすると、一時的復元期間の指定項目が表示されますので、1日として[スナップショットを復元]をクリックします。
階層化のステータスが「一時的復元の進行中」となりました。
復元には時間がかかるので、完了したら追記します。
⇒2022/12/2 17:00 追記しました。
ちょっと放置していたのですが、しばらくたって確認したところ下記の画面になっていました。
有効期限の1日前に完了したとすると、15:06に終了、開始は8:50ですので、6時間ちょっとかかった感じです。
1GBですが結構時間がかかっているので、利用する際は予め考慮しておく必要がありますね。
利用するうえでの考慮事項、制限事項
長期保存するうえでコストを75%と大幅に削減できる反面、考慮事項、制限事項については事前に検討して利用する必要があります。
考慮事項、制限事項については前出の下記リンク先ドキュメントに記載があります。
https://docs.aws.amazon.com/AWSEC2/latest/UserGuide/snapshot-archive.html#snapshot-archive-considerations
特にRTO(目標復旧時間、復旧するためにどのくらい時間をかけてよいかの想定)という点では、スナップショットのサイズによって最大72時間かかる場合があるとのことなので慎重に検討する必要があります。
また、アーカイブ層のスナップショットは常に完全スナップショットとなる点も注意が必要です。
同一のEBSボリュームについて複数回スナップショットを取得した場合、標準層のスナップショットは増分スナップショットとなりますが、アーカイブ層に移動した場合、すべてが完全スナップショットとなります。
この場合、標準層のスナップショットの総サイズより、アーカイブ層のスナップショットの総サイズは大きくなることは理解しましょう。
また、AMIに関連付けられているスナップショットもアーカイブすることはできませんので、ご注意ください。
最後に
Snapshot料金について、利用料金の中でそこそこ大きな比重を占めているなど悩まれている管理者はいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなところに嬉しいアップデートかと存じます。
考慮事項、制限事項を加味し、適切に利用することでクラウド活用のメリットを出していけるのではというところで、参考にしていただければ幸いです。
城 航太 (記事一覧)
営業部カスタマーサクセス課・課長
AWSへの移行、AWSアカウントセキュリティ、ネットワーク広く浅くといった感じです。最近はAmazon WorkSpacesやAmazon AppStream2.0が好きです。APN Ambassador 2019,2020