Amazon Aurora の料金

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コーヒーが好きな木谷映見です。

先日Amazon Aurora の見積りをする機会がありました。
Amazon Aurora は特徴的なアーキテクチャであり、どの部分にどのような料金がかかっているのかあやふやだったため、調査してまとめてみました。

※2022/4/7の執筆時点の料金情報です。
※Amazon Aurora Serverless については除外してまとめております。

用語確認

料金についてまとめる前に、Amazon Aurora の構成や用語について確認します。
Amazon Aurora はインスタンスとストレージが分離しており、 DB クラスター という構成になっています。

Amazon Aurora DB クラスターは、1 つ以上の DB インスタンスと、これらの DB インスタンスのデータを管理する 1 つのクラスターボリュームで構成されます。

Aurora DB クラスターを構成する2種類のDBインスタンス

プライマリ DB インスタンス

読み書きオペレーションをサポートし、クラスターボリュームに対するすべてのデータ変更を実行します。各 Aurora DB クラスターには 1 つのプライマリ DB インスタンスがあります。

Aurora レプリカ

読み取りオペレーションのみをサポートし、プライマリ DB インスタンスと同じストレージボリュームに接続します。

Aurora DB クラスターを構成する2種類のストレージ

ローカルストレージ

EC2 インスタンスで例えるところのインスタンスストアボリューム(Ephemeral Disk)に相当します。ローカルストレージはインスタンスクラスに紐づいて決まっています。Aurora for MySQL の場合、エラーログ、一般ログ、スロークエリログ、監査ログ、および InnoDB 以外の一時テーブルの保存にローカルストレージを使用しています。

クラスターボリューム

永続データ用のストレージです。「Aurora のストレージ」というと、一般的にクラスターボリュームを指します。
クラスターボリュームでは、ストレージが1AZあたり2か所、3AZに渡りコピー(つまり2×3=6か所)されています。この6つのストレージボリュームは互いに通信し、いずれかのストレージが故障・データ消失した場合は修復し合う仕組みになっています。
クラスターボリュームは、データベースのデータ量に応じて動的に拡張・縮小されます。ボリュームサイズを指定する必要はありません。
Aurora クラスターボリュームは、複数のアベイラビリティーゾーンにまたがる仮想データベースストレージボリュームです。各アベイラビリティーゾーンには DB クラスターデータのコピーが保存されます。

料金

データベースインスタンス

Aurora DB クラスターを構成する2種類のDBインスタンス(プライマリ DB インスタンスとAurora レプリカ)両方に適用されます。

(参考)東京リージョンかつMy SQL 互換エディションの場合

メモリ最適化インスタンス – 現行世代 時間あたりの料金
db.r6g.large 0.313USD
db.r6g.xlarge 0.627USD
db.r5.large 0.35USD
db.r5.xlarge 0.70USD

データベースインスタンスはEC2 インスタンス と同様、リザーブドインスタンスを購入することができます。
Aurora レプリカ を含め、使う予定の各データベースインスタンス用にリザーブドインスタンスを購入する必要があります。
ストレージや I/O の料金は含まれていないことにご留意ください。

データベースストレージおよびIO

データベースストレージにかかる料金

Amazon Aurora データベースストレージにかかる料金とは、クラスターボリュームの容量に対しての料金を表します。Amazon Aurora データベースのストレージは GB/月単位で課金されます。

I/O にかかる料金

Amazon Aurora の I/O にかかる料金とは、クラスターボリュームからの読み取りと、クラスターボリュームへの書き込みにかかる料金を表します。消費する I/O には 100 万件のリクエストごとに課金されます。

料金は Amazon Aurora データベースが消費したストレージおよび I/O の分のみ発生します。

(参考)東京リージョンの場合

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ストレージ料金 0.12USD/毎月のGBあたり
I/O 料金 0.24USD/100 万リクエスト

バックアップストレージ

Amazon Aurora のバックアップストレージには、以下の二つを含みます。

  • 自動バックアップ
  • DB クラスターのスナップショット

バックアップストレージはリージョンごとに割り当てられます。

(参考)東京リージョンの場合

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バックアップストレージ 毎月 0.023USD/GB

ちなみに、Amazon Aurora DB インスタンスでは常に自動バックアップが有効なのですが、1 日間は無料で保存できます。

バックトラック

バックトラックは Amazon Aurora の MySQL 互換エディションでのみ利用できる機能です。

バックトラックは巻き戻し機能です。
バックアップから復元する場合、新規に DB クラスターを立ち上げるため時間がかかりますが、バックトラックを利用すると、すばやく Aurora データベースを過去のある時点に巻き戻すことができ、直前の操作の取り消しや直前の状況調査に役立ちます。

Amazon Aurora では、指定したバックトラック期間に対して変更レコードというログが保持されます。変更レコードの保存については、時間あたりの料金が発生します。

(参考)東京リージョンの場合

------------- 時間あたりの料金
変更レコード 0.014USD/変更レコード 100 万件

バックトラックを使用すると、データベースで生成されている 1 時間あたりの変更レコード数を AWS コンソールの Amazon CloudWatch メトリクスで確認できます。

Snapshot Export

Snapshot Export は、RDS または Aurora スナップショット内のデータを Amazon S3 に Parquet 形式で自動エクスポートする機能です。
エクスポートされたデータは、Amazon Athena、Amazon EMR、Amazon SageMaker などの AWS のサービスを使用して分析できます。

(参考)東京リージョンの場合

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スナップショットサイズ 1 GB あたりの料金 0.012USD

エクスポートされたデータを Amazon S3 に保存したり、S3 バケットに対して PUT リクエストを実行したりする際には別途 Amazon S3 の利用料金がかかります。

データ転送

インターネットから Amazon Aurora へのデータ転送受信 (イン)

インターネットから Amazon Aurora へのデータ転送受信 (イン)は無料です。

同一アベイラビリティーゾーンのAurora とAmazon EC2 のインスタンス間

同一アベイラビリティーゾーンにおける Amazon Aurora とAmazon EC2 のインスタンス間のデータ転送は無料です。

異なるアベイラビリティーゾーンのAurora とAmazon EC2 のインスタンス間

Amazon EC2 インスタンスと Amazon Aurora DB インスタンスの間でデータを転送する場合、同じリージョン内の異なるアベイラビリティーゾーン間であれば、Amazon EC2 リージョンデータ転送料金が発生します。

DB クラスターのレプリケーション

DB クラスターのレプリケーションを目的とするアベイラビリティーゾーン間でのデータ転送は無料です。

(参考)東京リージョンの場合

インターネットへのデータ転送送信 (アウト) 料金
(中国と GovCloud を除く) すべての AWS のサービスとリージョンで合計 100 GB のインターネットへのデータ転送 (アウト) 毎月無料
次の 9.999 TB/月 0.114USD/GB
次の 40 TB/月 0.089USD/GB
次の 100 TB/月 0.086USD/GB
150 TB/月以上 0.084USD/GB
AWS 内のデータ転送送信 (アウト)(東京リージョンから以下の AWS サービス・リージョンへのデータ転送) 料金
Amazon CloudFront 0.00USD/GB
アジアパシフィック (大阪) 0.09USD/GB
アジアパシフィック (シンガポール) 0.09USD/GB
米国東部 (バージニア北部) 0.09USD/GB
米国東部 (オハイオ) 0.09USD/GB

その他注意

Amazon Aurora は 現時点で無料利用枠での利用ができません。

参考

料金 - Amazon Aurora | AWS

Aurora 向け DB インスタンスの請求 - Amazon Aurora

Amazon Aurora My SQL DB クラスターのストレージ使用量を表示します

よくある質問 - Amazon Aurora | AWS

Aurora for MySQL のローカルストレージに関する問題をトラブルシューティングする

Amazon Aurora for PostgreSQL におけるストレージ問題のトラブルシューティング

Amazon Aurora My SQL DB クラスターのストレージ使用量を表示します

emi kitani(執筆記事の一覧)

AS部LX課。2022/2入社、コーヒーとサウナが好きです。執筆活動に興味があります。AWS認定12冠。