【AWSアプデ 05/13】AWS SaaS Boost が一般提供開始 他9件【#毎日AWS #196】

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はじめに

今回は、 05/13のアップデートについて紹介していきます。
こちらの内容については、YoutubeやPodcastでもアップロードしているので、気になる方はぜひチェックしてください。


■ Youtube での配信

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では、さっそく最新1日のアップデートを見ていきましょう。
今回は 05/13、10件のアップデートがありました。

アップデート内容

AWS SaaS Boost が一般提供開始

re:Invent 2020 でプレビュー発表されていた AWS SaaS Boost がリリースされました。

ざっくり言うと、アプリケーションの SaaS 移行をサポートするツールです。

AWS のベストプラクティスに沿った SaaS 環境を即座にプロビジョニング後、コンテナイメージ化したアプリケーションをデプロイするだけで、SaaSサービスを簡単に立ち上げることができます。

環境構築時は、裏側で CloudFormation が動いてるみたいです。

単にアプリケーションをデプロイするだけでなく、SaaS サービスに不可欠な様々な拡張機能も実装できます。 一部紹介すると、

  • テナントのデプロイ, モニタリングができる管理アプリケーション機能
  • Cognito を使用したユーザ管理機能
  • 決済プラットフォーム Stripe との請求統合機能

参考: https://github.com/awslabs/aws-saas-boost/blob/main/docs/developer-guide.md

■ メリット

  • AWS ベストプラクティスに沿った SaaS アプリケーションを即座にデプロイできるため、ビジネス領域をスピード感をもって拡大できる

■ 利用料

  • Apache 2.0ライセンス のため、ツール自体は無料でお使いいただけます。
  • デプロイ後のサービス利用料はかかってしまうのでご注意ください!

Github にサンプルアプリケーションを使ったスタートガイドが載っているので、まずはそちらから試してみるといいと思います。

参考: https://github.com/awslabs/aws-saas-boost/blob/main/docs/getting-started.md#step-6---upload-your-application

Amazon Athena がデータカタログのクロスアカウントクエリをサポート

Amazon Athena に関するアップデートです。

アップデート内容を理解するために、先に Athena の仕組みついて説明します。
Athena のクエリは直接 S3 に投げられるのではなく、事前に用意した対象 S3 のメタデータを格納した「データカタログ」を介して投げられます。
データカタログが、クエリに対して S3 のどこにデータがあるのかを教えてくれるイメージです。
このデータカタログは、 AWS Glue クローラーが S3 をクロールすることで作成されます。

そして今回のアップデートでは、Athena が 別アカウントの データカタログ へのクエリをサポートしました。

■ メリット

  • データサイエンティストや運用チームは、個々の AWS アカウントでデータカタログを複製する手間がなくなりました。
    今後は一つの中央データカタログの管理だけで事足りるようになります。

■ 利用料

  • クロスアカウント機能は無料でお使いいただけます。

マルチアカウント環境で Athena をお使いの方には非常に刺さるアップデートではないかと思います。ぜひ利用してみてください!

AWS Systems Manager Change Calendar で状態の更新タイミングを制御できるように

AWS System Manager Change Calendar と State Manager の両方に関わるアップデートです。

■ AWS System Manager Change Calendar

  • カレンダーを使って、指定のアクションの実行タイミングを制御できる機能
  • 例えば スクリプトの実行をサービスメンテナンス期間中に実施したい場合

■ AWS System Manager State Manager

  • ライフサイクルに沿って、インフラストラクチャを望ましい状態に更新する機能
  • 例えば EC2 インスタンスの起動時に、特定のソフトウェアをインストールするなどが可能

今回のアップデートでは、State Manager の状態更新タイミングを Change Calendar 上で制御できるようになりました。  
要するに、インフラストラクチャの状態の遷移でしか制御できなかった State Manager の実行を、スケジュールに沿って制御できるようになったということですね。

■ メリット

  • ライフサイクルによる状態更新と、ビジネス上の重要な活動の競合を防げるようになります。
  • 例えば、セール期間中に起動したインスタンスに対する State Manager の状態更新を、セール終了後まで引き延ばすことが可能です。

■ 利用料

  • 追加費用無しでお使いいただけます。

参考: https://aws.amazon.com/jp/systems-manager/pricing/

■ リージョン

  • 東京リージョンでもお使いいただけます。

Amazon Aurora PostgreSQL の新しいマイナーバージョンが複数公開

Amazon Aurora PostgreSQL で新しいマイナーバージョンが公開されました。

今回は6つの Aurora メジャーバージョンで追加されまして、

  • PostgresQL9.6に対応している1.6系, 1.7系
  • PostgresQL10.11に対応している2.4系
  • PostgresQL10.12に対応している2.5系
  • PostgresQL11.6に対応している3.1系
  • PostgresQL11.7に対応している3.2系

で新しいマイナーバージョンが出ています!

それぞれ該当するメジャーバージョンの Amazon Aurora PostgreSQL をお持ちの方はリリースノートで詳細の確認をお願いいたします。

Amazon Connect がほぼリアルタイムの連絡イベントのサブスクライブをサポート

Amazon Connect で、ほぼリアルタイムの連絡イベントをサブスクライブできるようになりました。

「連絡イベント」とは、音声通話・チャット・タスクで発生する各種イベントです。   例えば、通話が開始される, 通話がエージェントに接続されるなどです。

「タスク」が少しわかりづらいですが、エージェントが行う追加の作業を指しています。イメージは通話後のメールによる追加のフォローアップなど

これらの連絡イベントは Amazon EventBridge に公開されます。

■ メリット

  • 連絡イベントを通して、コンタクトセンターの状況を監視・分析することが可能になるので、パフォーマンス改善などに役立てることができます。
  • 連絡イベントをトリガーに後続の処理につなげることもできます。

■ 利用料

  • 連絡イベントは料金は発生しませんが、Amazon Eventbridge を使用すると料金が発生します。

■ リージョン

  • 東京リージョンでもお使いいただけます

AWS solution で Distributed Load Testing v1.3 が提供開始

■ Distributed Load Testing とは

  • AWS ソリューションライブラリで提供されているソリューションの一つ。
  • 負荷テストの実施環境を即座にデプロイできます。

アップデート内容としては、この Distributed Load Testing の v1.3 がリリースされました。

今回のリリースで追加された機能を紹介すると、

  • 複数のテストを一度に実行できるようになりました。各テストごとにほぼリアルタイムのメトリクスを確認することもできます。
  • 負荷テストを実施するホスト数である、タスク制限の増加と同時接続ユーザ制限の撤廃により、より大規模な負荷テストが可能に
  • すべてのタスクが稼働するまで待機してからテストを実行可能に
  • テストのスケジューリングが可能に

■ 利用料

  • 実施する負荷テストの規模で変化します。
  • 例えば 10 タスクで 30時間負荷をかけた場合、約 29.65 ドルほどになるそうです。

参考: https://docs.aws.amazon.com/solutions/latest/distributed-load-testing-on-aws/cost.html?refid=sl_card

より柔軟な負荷テストが可能となる新機能がたくさん追加されたバージョンとなっていますので、ぜひ使ってみてください。

AWS solution で MachineDowntime Monitor ソリューションが提供開始

AWS ソリューションライブラリに新しく MachineDowntime Monitor ソリューションが登場しました。

こちらのソリューションは、工場にある機器の状態を監視するのに役立つモニタリングダッシュボードを提供します。

■ メリット

  • 機器の故障を素早く発見し、迅速に対応することができるようになる点。

■ 料金

  • このソリューションに送信するデータ量や、ダッシュボードの使用状況により大きく変化します。
  • 0.6KBのレコードが、毎秒約200レコード送信される場合、約 $659.64 になります。

参考: https://docs.aws.amazon.com/solutions/latest/machine-downtime-monitor-on-aws/cost.html

AWS Solution で Improving Forecast Accuracy with Machine Learning ソリューションの予測精度が向上

AWS ソリューションライブラリで提供されている 「Improving Forecast Accuracy with Machine Learning」ソリューションが更新されました。

■ Improving Forecast Accuracy with Machine Learning とは

  • 時系列データを基にした予測と視覚化ダッシュボードの提供を自動化するソリューション
  • 予測部分には AmazonForecast が、ダッシュボード機能にはQuickSight, SageMaker Jupyter Notebook が使われている
  • 例えば、毎日の製品売上データから今後の売上を予測するといったユースケースで利用できる

今回のアップデートでは、Amazon Forecast の 「Weather Index」 と 「holidays featurizations」機能による予測精度の向上が新しく追加されました。
ざっくり言うと、気象情報と国民の祝日情報を加味した上で予測がされるようになり、精度が向上しました。

ちなみに、各ソリューションの更新は RSS フィードでキャッチすることもできるのでぜひ試してみてください。

4つの新しい Amazon EC2 High Memory instance が利用可能に

大容量のメモリを備えた EC2 ハイメモリインスタンスに新しいインスタンスタイプが4つ追加されました。

今回登場したハイメモリインスタンスは、それぞれ「6TB, 9TB, 12TB」のメモリを備えています。

オンデマンド, Savings Plan どちらでも購入可能です。

■ メリット

  • メモリに依存するワークロードに対して、料金やパフォーマンスを最適化できます

■ ユースケース

  • SAP HANA などのインメモリデータベースのデプロイ先として

■ リージョン

  • 東京リージョンは未対応のため、期待して待ちたいですね!

全ての AWS FIPS エンドポイント が TLS 1.2 接続のみを受け入れるように

■ FIPS エンドポイントとは

  • 機密情報の暗号化に関するセキュリティ基準 FIPS を満たすよう設計された AWS サービスエンドポイントのこと。
  • FIPS はアメリカとカナダ政府で標準のセキュリティ要件のため、一部のアメリカおよび、カナダリージョンのエンドポイントにのみ適用されます。
  • 日本のエンドポイントの対象外

今回のアップデートでは、この FIPS エンドポイントが、TLS 1.2 の接続のみを受け入れるようになりました。

古い TLS バージョンでの接続は、503 エラーになります。

■ 注意点

  • AWS が古いTLSバージョンを使用してFIPSエンドポイントに接続していることを検出したお客様には、AWS Personal HealthDashboardでメール通知されています。ご確認ください。

以上10件、05/13のアップデートでした。

最後に

過去の放送やSNSもやっているのでフォローしていただけると嬉しいです! また来週!


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■ 過去の放送一覧はこちら

https://www.youtube.com/playlist?list=PLCRz5JqTKzfmHYSSSQhs2Y-qPFU201s3p

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