Amazon VPCでIPv6を設定する方法

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こんにちは。技術1課の小倉です。 今回は、すでにAmazon VPCを利用していて、既存のAmazon VPCでIPv6を利用できるようにする設定手順をご紹介します。

Amazon VPCとは

f:id:swx-masaru-ogura:20200821130158p:plain AWSが提供している仮想ネットワークのサービスです。AWS上に仮想ネットワークを構築して、その中にEC2などを構築できます。

Amazon VPC(仮想ネットワーク内での AWS リソースの起動)| AWS

設定手順

設定箇所は、VPC、サブネット、ルートテーブルで行います。

VPCの設定

マネジメントコンソールで、VPCのコンソールを開きます。 IPv6のCIDRを追加したいVPCを選択して、[アクション] - [CIDRの編集]をクリックします。 f:id:swx-masaru-ogura:20200821113512p:plain

CIDRの編集画面で、[IPv6 CIDRの追加]をクリックします。 f:id:swx-masaru-ogura:20200821113744p:plain

以下の画面が表示されるので、[Amazon provided IPv6 CIDR block]を選択して、[適用]をクリックします。 ※IPv6をオンプレミスからAWSへ移行している場合は、下の[IPv6 CIDR owned by me]を選択します。 f:id:swx-masaru-ogura:20200821113948p:plain

IPv6 CIDRが追加されていることを確認して、右下の[閉じる]をクリックします。 f:id:swx-masaru-ogura:20200821114246p:plain

IPv6 CIDRが追加されました。 f:id:swx-masaru-ogura:20200821114509p:plain

サブネットの設定

左のサブネットをクリックして、サブネット一覧を表示します。 IPv6のCIDRを追加したいサブネットを選択して、[アクション] - [IPv6 CIDRの編集]をクリックします。 f:id:swx-masaru-ogura:20200821114941p:plain

IPv6のCIDRの編集画面で、[IPv6 CIDRの追加]をクリックします。 f:id:swx-masaru-ogura:20200821115140p:plain

IPv6 CIDRが追加されてることを確認し、最後の8bit分を入力して、[保存]をクリックします。 8bit分の入力ですが、私はこのサブネットに割当たっているIPv4を参考にして入力しています。例えば今回の例ですと 01 と入力していますが、これはもともとサブネットに割当たっていたIPv4アドレス 192.168.1.0/24 の第3オクテットをとっています。 VPCを作成するときはたいてい/16で作成しますので、サブネットの第3オクテットの数字を入れることでユニークにできます。 f:id:swx-masaru-ogura:20200821115913p:plain

IPv6 CIDRが追加されました。 f:id:swx-masaru-ogura:20200821120427p:plain

ルートテーブルの設定

これはインターネットと通信できるルートテーブルなど、IPv6用のルートテーブルが必要な場合は設定を追加します。 今回はインターネット向けのルートテーブルがIPv4しか入っていなかったため、IPv6を追加します。

左のルートテーブルをクリックして、ルートテーブル一覧を表示します。 対象のルートテーブルを選択して、画面下の[ルート]タブをクリックし、[ルートの編集]をクリックします。 f:id:swx-masaru-ogura:20200821120829p:plain

ルートの編集画面で、[ルートの追加]をクリックし、新しいルートを入力する行を表示します。 IPv6用のルートテーブルを追加して、右下の[ルートの保存]をクリックします。 ちなみにIPv6のすべてのアドレスは ::/0 と書きます。 f:id:swx-masaru-ogura:20200821121802p:plain

ルートは正常に編集されました と表示されたら [閉じる]をクリックします。

ルートが追加されました。 f:id:swx-masaru-ogura:20200821122035p:plain

通信確認

IPv6を使えるようにしたVPCにEC2をたててIPv6通信をしてみます。

EC2でIPv6アドレスをアサインするようにします。新規構築の時は以下の画面で[IPv6 IPの自動割り当て]を有効にして作成します。 構築後のEC2であればネットワークの設定から追加もできます。 f:id:swx-masaru-ogura:20200821123310p:plain

同じサブネット内からですが、pingを実行すると応答が返ってきます。 たまたま同じサブネットにCisco ASAがあったので、ここから実行してみました。

ciscoasa# ping 2406:da18:17e:c601:5bb5:71e9:5b5d:d7e
Type escape sequence to abort.
Sending 5, 100-byte ICMP Echos to 2406:da18:17e:c601:5bb5:71e9:5b5d:d7e, timeout is 2 seconds:
!!!!!
Success rate is 100 percent (5/5), round-trip min/avg/max = 1/2/10 ms

まとめ

今回はVPCにIPv6を設定する方法をご紹介しました。IPv4は在庫がかなり少なく、将来自由に使えなくなる可能性がありますので、アドレス数が膨大な量のIPv6の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

小倉 大(記事一覧)

アプリケーションサービス部ラーニングエクスペリエンス課 札幌在住

AWSトレーニングの講師をしています。

最近は5歳の息子と遊ぶのが楽しいです!

Twitter: @MasaruOgura