視聴レポート
「AWS DeepComposerであなたは機械学習のロックスターに!」というセッションがAWS re:Inventにありました。 概要や機械学習の強力さを紹介しつつ、デモンストレーションもありAWS DeepComposerの全体像を掴むのに良いセッションだと感じました。
AWS DeepComposerは昨年開催されたAWS re:Invent 2019のプレビューでローンチされ、2020年4月に一般提供開始された製品です。 AWS DeepComposerは「鍵盤を叩いて、機械学習を奏でる」「開発者が機械学習について学べるように設計」と製品紹介ページに記載があるように音楽を作るというクリエイティブな活動を通じて機械学習を学べる製品という位置づけになっています。
改めてAWS DeepComposerに触れてみたいと思えるようなセッションでしたので、これを機に実際に手を動かして試したかったことをやってみました。
メロディをインポートして音楽を生成する
DAW等でスタンダードMIDIファイルを用意する
AWS DeepComposerはメロディに対してドラム、ギター、ベース、パッドやストリングスなどで自動でバッキングトラックを追加する機能があります。 このメロディはMIDIキーボードやマウス、PCのキーボードを画面上の鍵盤から入力が可能となっていますが、スタンダードMIDIファイル(.mid)のインポートも可能です。
私は試しにジングルベルを打ち込んでみましたので、これをもとにバッキングトラックがどのように生成されるか試すこととしました。
いろんなパターンを試してバッキングトラックを生成する
いろんなパターンでバッキングトラックを生成してみたのですが、メロディ単音の旋律よりもメロディとベースのほうが、さらにはハモりも入っていて可能な限り和音が成立した状態(特に長調なのか単調なのかを示す3度の音が含まれた状態)のもののほうがある程度意図したバッキングトラックが生成されそうな印象でした。生成されたバッキングトラックを含む音楽は以下のリンクから聞くことができます。 soundcloud.com
AWS DeepComposerへの想い
やはりその製品の特徴上ホビイスト向けと捉えられる向きもあるのでしょう。このセッションの講演者であるKeshaさんも「おもちゃではない」という発言をされていますが、私もそう思います。私は機械学習による音楽生成に未来を感じています。
様々な作曲家のパターンを学んだ独自のモデルを持つAWS DeepComposerによってその作曲家らしい音楽が作られる未来があると考えています。これは締め切りに追われる作曲家自身を助けるのはもちろんですが、参考となる音楽のアイディアが必要な音楽ディレクター、劇伴・ビデオゲームのプランナーといった人たちの助けにもなるのではないかと想像しています。
私自身もAWS DeepComposerを深くは理解できていませんが、可能性を感じる製品です。このセッションをきっかけに様々なことをこれからも試していこうと考えています。
サンプルファイルのご案内
最後にDAWをお持ちで無い方が試せるように私が作成したジングルベルのMIDIデータのリンクを以下にご案内します。
メロディのみ、ベース有り、ハーモニーまですべて含んだものの3種類をご用意しました。AWS DeepComposerを試していただくきっかけになれば幸いです。
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プリセールスエンジニア