こんにちは、サーバーワークスのこけしの人、坂本(@t_sakam)です。前回は、会議室の予約をおこないました。共有デバイスで会議室の予約を取ろうとしたとき、現在使っている会議室の予約が埋まっている場合は、Alexaが空いている他の会議室をピックアップしてくれることを確認できました。
今回は、共有デバイスから離れ、会社のメンバーをユーザーとして登録していきたいと思います。登録方法は共有デバイスとは違い、ユーザー個人のAmazonアカウントをAlexa for Businessに紐付ける、というやり方になります。今回は、ユーザーを紐付けたあとに必要になる「ユーザー側のAlexaアプリの設定」もおこなっていきます。
【前回】第四回 会議室の予約
http://blog.serverworks.co.jp/tech/2019/11/11/alexa_for_business_004/
動画
まずは、動画です。この動画では個人用デバイスでGoogleカレンダーにスケジュール予約をするところを確認できます。「Alexa, schedule a meeting tomorrow at 2PM.」と話しかけて、Googleカレンダーでスケジュールを押さえているところです。
今回の設定をすべて終えると、登録した自分の声でのみ、自分のカレンダーにスケジュールを入れることができます。この機能は、Alexa for Businessではない通常のAlexaでも使える機能ですが、少しだけAlexaとAlexa for Businessで違うところがありました。Alexa for Businessのマネジメントコンソールに「カレンダーの音声制限(自分自身の声でしか自分のカレンダーにAlexaで予定を入れられないようにする)」を必須にさせる機能があり、そこは通常のAlexaにはない機能でした。※その機能は手順の最後の方にでてきます。
ちなみに、「カレンダーの音声制限」を設定後、他の声で「Alexa, schedule a meeting tomorrow at 2PM.」と話しかけるとどうなるかも確認してみました。Alexaが「I can't create an event because I don't recognize your voice.(あなたの声を認識できないため、イベントを作成できません。)」と答えるので、ちゃんと設定が効いています。
1. Amazon.comのアカウント作成
ユーザーの登録は、ユーザーのAmazon.comのアカウントをAlexa for Businessに紐付けるというやり方になるので、Amazon.comのアカウントが必要です。まずは、なるこさんという架空のメンバーのアカウントを作成しておきます。メールアドレスは「naruko@ではじまる、なるこさんが会社で使っているアドレス」を使います。※なるこさんの名前は、伝統こけしの系統である「鳴子系」からとっています。鳴子系の産地は宮城県なので、名字はみやぎさんにしました。
2. 完了
以下は、登録が完了したところです。
3. 個人用デバイスの設定
Amazon.comのアカウントが作成できたら、なるこさんのデバイスであるEcho Show 5の設定をおこなっておきます。個人用デバイスの設定は共有デバイスと違い、通常Alexaを設定するときとまったく同じやりかたです。設定画面から、画面上でWiFiにつないだり、Amazon.comのアカウントにログインしたりと、普通のAlexaと同じように設定していきます。ただ、Alexa for Businessは現在、バージニアリージョンしか対応していないので、言語は英語を選びます。
第一回の共有デバイスの設定に記載したとおり、共有デバイスは、対応しているデバイスが少なかったのですが、個人用デバイスの方は「対応デバイス:Echo Show、Echo Spot、Echo Plus、Echo、Echo Dot、Alexa対応のその他のデバイス」と書かれており、Alexaに対応していさえすればよいようです。
4. Users
左メニューの「Users」を押します。ここからユーザーを招待するのですが、初回のため 「Alexa for Business組織にユーザーを招待する前に、ユーザー招待ページで招待メールの詳細を設定する必要があります。」という内容の文面が表示されているので、リンクになっている「user invitation page」を押します。
5. User Invitations
ユーザーへの招待メールの文面が表示されます。右下の「Edit」ボタンを押して、招待メールの編集をはじめます。
6. Email Template
Organization name(組織名)とContact email addressを入力する欄が表示されるので、ひとまずそれぞれ「Kokeshi」と管理者用の「admin@ではじまるメールアドレス」を入力して右下の「Save」ボタンを押します。
7. 完了
これで、ユーザー招待用のメールの文面の編集は完了です。
8. Users
もう一度、左メニューの「Users」を押して右上の「Invite user」ボタンを押します。
9. Invite user
なるこさんの名前とメールアドレスを入力します。
10. 完了
ユーザーの招待が完了しました。Statusが「Invited」になっています。
11. ユーザー側で招待メールを確認
なるこさんにAlexa for Businessの招待メールが届きました。「To begin open link a browser」と文面にあるので、「link」を押します。
12. Welcomeページ
Welcomeページが開きます。右下の「JOIN NOW」ボタンを押します。
13. Confirm account Information
「Alexa for Businessを使用するには、Alexaデバイスの管理に使用するAmazonアカウントを会社のメールアドレスにリンクする必要があります。「アカウントをリンク」ボタンをクリックして、以下の2つのアカウントがリンクされる正しいアカウントであることを確認します。」と書かれているので、naruko@ではじまる正しいメールアドレスが表示されているかを確認して、「LINK ACCOUNTS」ボタンを押します。
14. Get started!
これで、なるこさんがAlexa for Businessに登録されました。
15. Alexa for Businessのマネジメントコンソールで確認
Alexa for BusinessのマネジメントコンソールのUsers画面で確認すると、Statusが「Enrolled」になっていることが確認できます。
16. Welcomeメール
招待メールとは別に登録後にもメールが届くので、確認します。「Alexaアプリをダウンロードしてください。音声プロファイルを作成してください。カレンダーをリンクしてください。」というような内容が書かれていますので、スマホかタブレットにAlexaアプリをダウンロードします。
17. Alexaアプリでの設定
タブレットにAlexaアプリをダウンロードしたので、メールの内容のとおり、まずは音声プロファイルを作成します。メニュの一番下の「設定」を押します。次に一番上の「マイプロフィール」を押します。
18. マイプロフィール
「音声」の右にある「作成」を押すと、「ようこそ、Narukoさん」という画面が表示されるので、一番下の「今すぐ開始」ボタンを押します。
19. 音声プロファイルの作成
Alexaアプリでは、日本語表示になってしまっていますが、自分の声を英語で登録する必要があるので、Echo Show 5に「Alexa, remember my voice」と話しかけます。Alexaの指示にしたがって、「Alexa, Play Music」、「Alexa, Turn off the lights」などといくつかの文言を言います。AlexaからOKがでたら、登録完了です。Alexaアプリで先程の画面を確認すると「設定済み」と表示されています。
20. Googleカレンダーの連携
次は、カレンダーの連携です。設定画面に戻り、下の方にスクロールして、「カレンダー・Eメール」を押します。今回は、Googleカレンダーに連携するので、Googleの右の「+」ボタンを押します。
21. Googleにログイン
次の画面で「Eメール」と「カレンダー」の有効・無効の設定画面が表示されます。今回はカレンダーの連携のみ、おこなうつもりでしたが、ついでなので、Eメールも合わせて連携しておきます。「次へ」ボタンを押すと、Googleのログイン画面が表示されるので、なるこさんのメールアドレスを入力します。
22. パスワード入力と許可
次の画面でログインパスワードを入力します。更に次の画面でGメールとGoogleカレンダーへのアクセス許可を求められるので、「許可」ボタンを押します。
23. カレンダーの音声制限
連携が完了したら、カレンダー・Eメールの画面に戻り、Gメールのアドレスの右にある「>」を押します。「カレンダーの音声制限」を有効にすれば、Alexaアプリでの設定は完了です。
24. Calendar voice restriction
「カレンダーの音声制限」は、Alexa for Businessではない、通常のAlexaにもある機能ですが、そちらは必須ではありません。Alexa for Businessは、仕事で使うのに「他の人の声で予定を入れられるのはよろしくない」という理由からだと思いますが、「カレンダーの音声制限」を必須にできる機能があります。
左メニューの「Calendar」を押します。下の方の「Calendar voice restriction」の「Add domain」ボタンをします。
25. Add domain
ここに、会社のドメインを入力します。example.comのような形で入力します。naruko@から下ということですね。入力できたら右下の「Add」ボタンを押します。
26. 完了
これで、「カレンダーの音声制限」を有効にしていないメンバーは、自分のGoogleカレンダーにAlexaからスケジュールの登録はできません。このドメイン設定をしたあとに、カレンダーの音声制限を無効にして、スケジュールの登録をしようとしてみましたが、Alexaから「I no longer have access to your calendar account.(カレンダーアカウントにアクセスできなくなりました。)」と言われてできませんでした。こちらもきちんと設定が効いています。
27. 動作確認
ユーザーがGoogleカレンダーでスケジュールを抑えているところは、最初の動画で確認できます。ちなみに、Alexa for Businessに連携しているアカウントで予定を入れた場合は、以下のキャプチャのようにGoogleカレンダーに「Created with Alexa for Business.」と本文が入っていました。
まとめ
今回は、Alexa for Businessでユーザーの登録をおこないました。ユーザー側での設定もおこない、Googleカレンダーでスケジュールを抑える、というところまで動作確認できました。
カレンダー連携は、Alexa for Businessではない、通常のAlexaでも可能ですが「Alexa for Business側で『カレンダーの音声制限』を必須にすることができる」ということと「スケジュール設定時のの予定の本文に『Created with Alexa for Business.』という文言が入る」という部分が通常のAlexaとは違っているところでした。
次回は、今回連携だけしておいたEメールの動作確認をしてみたいと思います。アメリカでは、Eメール連携も通常のAlexaで利用できる機能ですが、日本ではまだ開放されていない機能ですので、この機会に試してみたいと思います。お楽しみに!
いや〜、「Alexa for Business」って本当にいいものですね!