こんにちは、マネージドサービス部テクニカルサポート課の坂口です。
先日、お客様からの問い合わせ対応のため、Amazon SES でバウンスが発生したメールの送信元と宛先を調べる方法を検証しました。
概要
Amazon SES では、デフォルトでメール送信に関するログを保存することが出来ません。 主な実現方法として、以下2パターンが考えられます。
- 設定セットを使用する方法
- Virtual Deliverability Manager を使用する方法
設定セット
設定セットのイベント送信先に Amazon Kinesis Data Firehose を指定することで、宛先を含む詳細な情報を保存することが可能です。
詳しくは、弊社ブログにて記事がございますので、ご参考いただけますと幸いです。
blog.serverworks.co.jp
Virtual Deliverability Manager
Virtual Deliverability Manager とは
Virtual Deliverability Manager は Amazon SES の機能の 1 つで、送信データや配信データに関するインサイトを提供し、配信成功率と評価に悪影響を与えている問題の解決方法に関するアドバイスを提供することで、受信トレイへの配信性能や E メールのコンバージョンを高めるなど、E メールの配信性能を強化するのに役立ちます。
Virtual Deliverability Manager の設定
SES コンソール画面の左サイドバー「Virtual Deliverability Manager」を押下します。
Virtual Deliverability Manager の概要ページに遷移するので、「Virtual Deliverability Manager の使用を開始する」を押下します。
エンゲージメントの追跡をオン/オフどちらかを選択し「次へ」を押下します。
最適化された共有配信をオン/オフどちらかを選択し「次へ」を押下します。
設定に問題なければ、「Virtual Deliverability Manager の有効化」を押下します。
以上で設定は完了となります。
バウンスメールの確認
SES コンソール画面の左サイドバー「Virtual Deliverability Manager」の「ダッシュボード」を押下します。
画面下の「メッセージ」タブを押下後、確認したい期間を指定し「検索」を押下すると、指定した期間に送信されたメッセージが一覧で表示されます。
また、「検索」左の欄にフィルタの選択が可能なので、配信イベントフィルタにてバウンスに関する項目を選択することでバウンス対象のメールに絞って検索が可能です。
Virtual Deliverability Manager アドバイザー
メール送信に関するログではないですが、Virtual Deliverability Manager アドバイザーを使用することにより、問題のある設定を特定することが出来ます。
Virtual Deliverability Manager アドバイザーは、アカウントでの主要なパフォーマンスとインフラストラクチャに関する問題を特定し、E メールの配信性能と評価に悪影響を及ぼしている ID レベルを送信することで、E メールの配信性能とエンゲージメントを最適化できるよう支援します。また、特定された問題の解決方法に関する具体的なガイダンスを通じて解決策を提供します。
SES コンソール画面の左サイドバー「Virtual Deliverability Manager」の「アドバイザー」を押下します。
影響度や推奨事項、問題の解決方法(公式ドキュメントへのリンク)を確認することが出来ます。
なお、影響度が「高」の場合は、早めに対処するのをおすすめします。
まとめ
両方試した所感としては、設定セットに比べ、Virtual Deliverability Manager の方が簡単に設定が可能でした。
なお、どちらもメール本文に関しては取得出来ないため、別途 SES を利用してメール送信を実施するアプリケーション側にて、ログの保存が必要と感じました。
アプリケーション側にログを保存することで、Message-ID にてメール本文の特定も可能となります。
