- はじめに
- アップデート内容
- AWS Copilot v1.7 が一般提供開始により App Runner をサポート
- Amazon EventBridge がイベントバス同士でのイベント共有をサポート
- AWS Application Cost Profiler が一般提供開始
- Amazon SageMaker Autopilot が自動デプロイオプションをサポート
- AWS License Manager が 過去のライセンス使用状況レポートを提供開始
- AWS Load Balancer Controller version 2.2 が利用可能に
- AWS Solutions の AWS Data Streaming Solution for Amazon MSK が更新
- AWS Solutions で Serverless Bot Framework ソリューションが更新
- 最後に
はじめに
今回は、 05/20のアップデートについて紹介していきます。
こちらの内容については、YoutubeやPodcastでもアップロードしているので、気になる方はぜひチェックしてください。
■ Youtube での配信
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では、さっそく最新1日のアップデートを見ていきましょう。
今回は 05/20、8件のアップデートがありました。
アップデート内容
AWS Copilot v1.7 が一般提供開始により App Runner をサポート
AWS Copilot(コパイロット) のバージョン1.7 が一般提供開始しました。
■ AWS Copilot
- コンテナ web アプリケーションデプロイおよび管理ができる CLI ツール
- Amazon ECS on Fargate に対応
- デプロイに必要なインフラリソースは IaC でプロビジョニング
- S3, Aurora, DynamoDB によるデータ層をコンテナアーキテクチャに追加することもできます
今回のバージョンアップのポイントは大きく2つ
- App Runner をサポートしました。
- ECS で実行されているアプリケーションについて、AWS SystemsManager パラメータストアのシークレットをプロビジョニングできるようになりました。
出たばっかりのサービスなので App Runner についておさらいしておくと、
■ App Runner
- ソースコードやコンテナイメージを使用して、アプリケーションを簡単にデプロイできるマネージドサービスです。
- アプリケーションを動かすためのインフラストラクチャやコンテナオーケストレーションはAWS側で最適な設定としてくれるので考える必要がありません。
AWS Copilot と連携することで、CLI から即座にコンテナ化された Web アプリケーションを構築出来ます。
■ リージョン
- App Runner が使用できる全てのリージョンで利用可能
- 東京リージョンでもお使いいただけます
AWS Copilot は Linux, Windows, Mac といった全ての OS に対応しているのでぜひ試してみてください。
Amazon EventBridge がイベントバス同士でのイベント共有をサポート
マネージドなイベントバスサービス EventBridge に関するアップデートです。
今回のアップデートで、同じアカウントかつ同じリージョンに存在するイベントバス同士でイベントを共有できるようになりました。
これにより EventBridge の異なるイベントバスのすべてのイベントを単一のイベントバスに集約することができます。
逆に、単一のイベントバスから複数のイベントバスに向けてイベントを送信することもできます。
実装する場合は、イベントバスのターゲットを別のイベントバスにしてあげればいいみたいです。
■ メリット
- イベントバスをより柔軟に運用できるようになります。 ex) アプリケーションとイベントバスが 1:1 で結びつくように設計する
■ 料金
- 別のイベントバスに送信されたイベントは、カスタムイベントの料金に従います。
- 100 万件の公開済みカスタムイベントごとに 1.00USD
■ リージョン
- 東京も含まれます。
AWS Application Cost Profiler が一般提供開始
AWSが、新しく AWS Application Cost Profiler を発表しました。
サービスについてざっくり説明すると、
複数ユーザに共有されているアプリケーションでデプロイされた AWS リソースのコストを、各ユーザ単位で算出するサービスです。
実際にサービスを触るとき、コストを算出する単位は「テナント」という概念で表します。
例えばテナントを部門単位で設定した場合、AWS リソースのコストを部門単位で算出することが可能です。
元となるデータセットは、AWS Cost Explorer, AWS Cost & Usage Report といった AWS のコスト管理サービスからインプットすることができます。
最終的にレポート形式で S3 に吐き出してくれるのですが、日次および月次、もしくはその両方を選択することができます。
■ メリット
- AWS リソースから発生するコストの内訳をテナントごとに明確にすることで、各テナントのリソース利用状況の把握出来ます
- テナント利用状況から無駄を明らかにしてコスト効率アップにつなげることができます。
■ 利用料
- S3 バケットに出力されるレポートサイズ 1 GB につき 毎月 5 ドルかかります。
- 無料利用枠により、最初の 30 GB 分は無料になります。
■ リージョン
- 中国 リージョンを除くすべての商用リージョンでお使いただけると公式アップデートに書いてありましたが、
- 僕がコンソールで触った時点ではまだ東京リージョンでは使えませんでした。
使ってみた感想としては、かなり難しいサービスだなと感じました。
というのも、現状 GUI ですべてが完結するサービスでない、S3 バケットや KMS を自前で準備する必要があるなど、ある程度 AWS の知識がある方でないと使えないためです。
今後のアップデートでより使いやすくなることに期待したいですね!
Amazon SageMaker Autopilot が自動デプロイオプションをサポート
入力したデータを基に、モデルの生成、トレーニングなど ML プロセスを自動化する Amazon SageMaker Autopilot に関するアップデートです。
今回のアップデートで、自動デプロイオプションが登場し、
有効にすることで最適なトレーニング済みのモデルを自動デプロイできるようになりました。
もう少し具体的にいうと、Autopilot が推論エンドポイントを自動生成して、最適なモデルをデプロイしてくれます。
■ メリット
- 開発者やデータサイエンティストは、機械学習に関する工数を減らすことができます。
データセットを入力するだけで推論を行うことができるようになります。
■ 利用料
- 各 ML プロセスで実行するリソースに対して課金されます。詳細は公式ドキュメントをご覧ください
https://aws.amazon.com/sagemaker/pricing/
■ リージョン
- 東京リージョンで利用できます。
公式から Autopilot の 10分チュートリアルが出ていたので、こちらと合わせて本機能も試してみるといいと思います。
AWS License Manager が 過去のライセンス使用状況レポートを提供開始
AWS 上でソフトウェアライセンスを一元管理できる AWS License Manager に関するアップデートです。
今回のアップデートで、ライセンス使用状況のスナップショットを取得し、これらのレポートを S3 バケットに直接保存できるようになりました。
レポートは2パターン作れます。
- License configuration report...消費されたライセンス数とライセンス設定に関するレポート
- Resource report...リソースごとのライセンス消費に関する詳細レポート
■ メリット
- レポートを通してライセンスの最大使用量を簡単に閲覧することができるので、ライセンス費用の削減につながります
■ 利用料
- 追加料金なし
■ リージョン
- 東京リージョンで利用できます
AWS Load Balancer Controller version 2.2 が利用可能に
■ AWS Load Balancer Controller
- Kubernetes クラスターにおいて、 AWS Elastic Load Balancer を設定・管理するリソースです。
今回のアップデートで、AWS Load Balancer Controller version 2.2 が利用可能になりました
このバージョンアップグレードでは、ELB がトラフィックを簡単にルーティングできるようにするための、複数の拡張機能が追加されています。
個人的に便利だなと感じたのが、NLB がインスタンスモードターゲティングをサポートしたことで、ノード単位でトラフィックを分散できるようになったことです。
NLB, ALB どちらにも拡張機能が追加されているので、詳細をドキュメントで確認してみてください
■ 注意事項
- 今回のリリースから、新しく作成される NLB のスキーム項目のデフォルト値が「internal」になります。
インターネットに公開する場合は変更する必要があるので気を付けてください。 - 今回リリースされたバージョンをインストールするには、Kubernetes のバージョンが 1.16 以降である必要がございます。
AWS Solutions の AWS Data Streaming Solution for Amazon MSK が更新
■ AWS Data Streaming Solution for Amazon MSK
- Amazon MSK 向けの AWS データストリーミングソリューション
- データをストリーミングするApache Kafka のマネージドサービスである Amazon MSK と コンシューマーとして EC2 がデプロイされます。
- Apache Kafka を用いてストリーミングデータをキャプチャする仕組みを実装したい場合におすすめのソリューション。
今回のアップデートでは、こちらのソリューションが更新され、大きく3つの変更が加わりました。
- Apache Kafka バージョン 2.8.0 および、2.6.2 のサポート 。
セキュリティの修正とパフォーマンスを向上が含まれます。 - ブローカーノードの EBS サイズを変更できるパラメータ値の追加 。
サイズを適切にすることでコスト削減が行えます。 - Amazon MSKクラスターの拡張パーティションレベルモニタリングのサポート 。
有効にすると、コンシューマーのラグメトリクスを AmazonCloudWatch で利用できるようになります。
こちらのソリューションをお使いの方は、ぜひアップグレードを検討してみてください
AWS Solutions で Serverless Bot Framework ソリューションが更新
AWS Solutions で公開中の Serverless Bot Framework ソリューションに関するアップデートです。
■ Serverless Bot Framework
- エンドユーザと会話を行うチャットボットを実装するソリューション
- チャットボットの実装には Amazon Lex が、テキスト音声読み上げには Amazon Polly が使われています。
今回のアップデートでは、ソリューションに追加の Lambda と Dynamo DB が統合された結果、チャットボット利用の拡張できるようになりました。
今回新しく追加されたリソースと Lex を統合することで、新しく3つのことができるようになります。
- Lex が Lambda 関数でインテントを実行し、インテントデータを DynamoDB に保存する
インテント...ユーザの発話に対して実行するアクションを表す。
ex) ユーザのピザを注文をトリガーに OrderPizza インテントを実行する - Lex が Lambda 関数経由でDynamoDB からデータを取得し、スロット検証に行う
スロット...インテント内で定義するパラメータのこと。ex)「AMAZON.NUMBER」スロットタイプを使って、ピザの注文数を認識することができる - Lex が Lambda 関数経由で外部 API に接続する
外部 API と連携できるようになったことで、ソリューションの柔軟性がかなり上がりましたね。対話型チャットボットを利用する際は、ぜひこちらのソリューション検討してみてください。
以上8件、05/20のアップデートでした。
最後に
過去の放送やSNSもやっているのでフォローしていただけると嬉しいです!
また来週!
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