こんにちは。Amazon Connect専任担当の丸山です。
Amazon Connectではリアルタイムの通知をすることができるのをご存知でしょうか。
Amazon Connectの管理画面上で設定をするだけで利用できるようになります。
- できるようになること
- 前準備1:Contact Lens for Amazon Connectの設定をする
- 前準備2:ルールの設定をする
- 実演
- 実演解説
- 注意すべきポイント
- 注意ポイントに対する工夫
- まとめ
できるようになること
「返品」「上司」等のキーワードを設定してリアルタイムのクレーム検知をする、というのが王道の利用方法になるかと思います。
スーパーバイザー(SV)の方がリアルタイムアラートを検知したら、お客様とオペレーターの会話をリアルタイムモニタリングして必要に応じてサポートをするような運用を想像してください。
前準備1:Contact Lens for Amazon Connectの設定をする
Contact Lens for Amazon Connectの設定は2STEPです。
- Connectインスタンスの設定でContact Lens for Amazon Connectを有効化する
- 問い合わせフローでContact Lens for Amazon Connectを有効化する
いやいやまって、Contact Lens for Amazon Connectなに?という方は動画でご説明をしていますのでお時間のあるときにご覧いただけますと幸いです。
5:56 あたりから設定方法についてもご説明をしています。
問い合わせフローでContact Lens for Amazon Connectを有効化するときの選択肢は2つあります。
「通話後の分析」または「リアルタイムおよび通話後の分析」です。
リアルタイムの通知を行いたい場合は「リアルタイムおよび通話後の分析」を選択してください。
リアルタイム通知は不要で分析のみ必要な場合は「通話後の分析」を選ぶとよいようです。
前準備2:ルールの設定をする
Contact Lens for Amazon Connectを有効化することで会話をテキスト化することができるようになりました。
リアルタイムの通知をする場合はどのような通知をするのかを定義する必要があります。
それが「ルール」という設定です。
Contact Lens のルールの作成を行います。
条件を定義します。
Contact Lens リアルタイム分析が利用可能
を選んでください。
次に条件を設定していきます。
今回はシンプルに完全一致のキーワードを登録してみます。
わたしはこれから「注文の多い料理店」を読み上げてみようと思います。
「注文の多い料理店」にでてくる単語を登録してみます。
コンタクトカテゴリの名称を定義します。
名前には、A~Z、0~9、または「.」、「-」、「_」を使用できます。スペースは使用できません。
というルールがあります。
ここはもう少し融通がきくようにしてもらえるとうれしいのですが仕方ありません。
ルールに従ってネーミングしてください。
最後に確認をしたら[保存して公開]で設定が完了します。
実演
実際に電話をかけてみます。
リアルタイムメトリクス画面も同時に確認したいと思います。
びっくりするほど単調な朗読動画になっていますが、タイムラグ具合、テキスト化の精度などありのままでご確認いただけます。
実演解説
電話をかけてたんたんと「注文の多い料理店」を朗読しました。
ルールに設定したキーワードが発生するとリアルタイムメトリクスの画面でルールにマッチした数が表示されます。
ちなみに数字の横のめだまアイコンをクリックするとリアルタイムモニタリングができます。
アラートの数字をクリックすると、会話中のトランスクリプト(会話のテキスト情報)が確認できます。
この画面を確認しながらリアルタイムモニタリングをして適切な指示やサポートをSVが行っていく想定の機能となっているようです。
注意すべきポイント
期待しすぎないでほしい点を率直にお伝えします。
1つめはアラートと言っても積極的なアラートではない点です。
リアルタイムモニタリングの画面を見ていたら、小さな数字がさりげなく登場する程度です。
ポップアップしたり、ひとめでどのルールにマッチしたのかを教えてくれるような親切さを現状では持ち合わせていません。
2つめは完全なリアルタイムではないという点です。
1つめのルールマッチを検知するまで上記のデモでは30秒かかりました。
Contact Lens は裏側でKinesis、Transcribeを活用していると思われます。
Kinesisのストリーミングが始まるタイムラグ、Transcribeの状況によってルールマッチまでの時差はかわるものと思われます。
キーワードが出現してからアラート表示までタイムラグがそれなりにあることを理解した運用をご検討ください。
3つめはテキスト化の精度がそれなり、という点です。
精度についてはContact Lens for Amazon Connectの説明動画でも解説をしていますが、どうしても環境や話し方などに依存します。
そして日本語はとてもむずかしい言語です。
確実にキーワードがキャッチできる仕組みではない点は忘れてはいけません。
注意ポイントに対する工夫
通知が控えめではありますがカバーできる方法もあります。
ルールのアクションでは、EventBridgeイベントを生成したり、タスクを作成することができます。
例えばキーワードを検知したらSlackで通知される仕組み、みたいなものを構築することができます。
物理的に通知を可視化したければ、警子ちゃんのようなランプを光らせることもできそうですね。
まとめ
リアルタイムのアラートはコールセンターの品質を向上するための道具として活用できるものです。
Amazon Connectではその機能を提供していますが、どのような運用を行っていくかの設計こそが重要なポイントとなります。
リアルタイムでなにを対応したいのかをはっきりさせて設定を行い、運用しながら改善をまわしていくことが必須の機能になるかと思います。
コンタクトの検索でルールのマッチしたコンタクト情報は検索できますが、現在の仕様では履歴メトリクスの数字にはあがってきません。
定量的にどのような情報をどのような方法で追っていくのかの運用計画も必要になります。
そう考えるとハードルが高く感じるかもしれませんが、とりあえず簡単に試してみることができるのがAmazon Connectのよいところです。
現状思いつくルールを登録してまずは試して見るところから小さくはじめてみてもいいと思います。
もし思うような運用ができなくても、Contact Lens は1分単位の従量課金なので試してすぐにやめることも簡単です。
みなさまの業務に活用できる可能性が少しでも感じたら、まずは気軽にお試しいただければと思います。