【Amazon Connect】フリーダイヤルに接続出来ない事象について

記事タイトルとURLをコピーする

こんにちは。テクニカルサポート課の めぐろ です。

Amazon Connect を利用のお客様より、フリーダイヤルに接続出来ない(かけられない)お問い合わせをいただくことがあります。

例えば、こんな状況です。

  • 会社の固定電話からは繋がる
  • 個人の携帯電話からも繋がる
  • Amazon Connect からだと繋がらない

よって、Amazon Connect で何か制限してるのでは無いか?という感じです。

AWS に問い合わせてみると、Amazon Connect は特に制限してないので発信先に確認してみてね という回答になるものと推察されます。 回答を受けて、発信先に そちらのフリーダイヤルに Amazon Connect というシステムから電話をするとかけられないのですが と問い合わせると、 こちらも Amazon Connect を拒否するような設定はしていません という回答になるものと推察されます。

何だよ! Amazon Connect! という流れにならないように、どういう設定によって起こり得るかについて説明したいと思います。

前提

本記事は Amazon Connect から NTTコミュニケーションズのフリーダイヤルに接続出来ない事象について記載しています。
(KDDI や SoftBank でも起こりえますが、可能性として一番発生しやすいであろう NTTコミュニケーションズ を例として説明します。)

Amazon Connect だけをターゲットに拒否出来るのか

フリーダイヤル側では Amazon Connect であることを知る術が無いため となります。

実際拒否されているのは何故か

フリーダイヤルには 発信端末拒否機能 なるものがあり、発信する端末によって、許容するか / 非許容とするか を設定出来ます。 この設定により、Amazon Connect からフリーダイヤルへの接続が拒否されることがあります。

フリーダイヤル カスタマーコントロールでの発信端末拒否機能設定画面
フリーダイヤル カスタマーコントロールでの発信端末拒否機能設定画面

上図では、公衆電話, 衛星電話, 携帯電話, 他社直収, NTTcom電話(050), 他社電話(050) で設定が可能となっています。 高機能なフリーダイヤル・インテリジェントサービスだと選択肢が増えます。

https://www.ntt.com/content/dam/nttcom/hq/jp/business/services/voice-video/freedial-navidial/freedial/pdf/op10_tanmatsukyohi.pdfwww.ntt.com

検証

当方で取得している Amazon Connect の 03, 050, 0120番号を用いて、6つの発信端末種別をそれぞれ 許容 にして接続を試してみました。 結果は以下の通り。

許容した発信端末種別
03 結果
050 結果
0120 結果
6つとも非許容
接続可!
接続不可
接続不可
公衆電話
接続可!
接続不可
接続不可
衛星電話
接続可!
接続不可
接続不可
携帯電話
接続可!
接続不可
接続不可
他社直収
接続可!
接続不可
接続不可
NTTcom電話(050)
接続可!
接続可!
接続可!
他社電話(050)
接続可!
接続不可
接続不可

接続不可の結果は "大変申し訳ありません。この番号へはお客様の電話からお繋ぎできません。" のアナウンスが流れ切断となっています。

03番号では、全て非許容でも接続出来ていることから、変更が出来ない 通話モード, ディジタル通話モード, NTT地域/Com電話 のいずれかで判定されたものと推察されます。
050 および 0120番号では、NTTcom電話(050) からの発信として判定されました。

0120番号で発信しているのに 050番号?

0120番号で発信しているのに 050番号の発信端末種別で判定されるのはおかしいのでは?と思われた方がいるかもしれません。
仕組み上、0120番号はサービス番号として存在しており着信専用の番号となるため、発信時には物理回線からの発信が必要となります。
今回の検証においては、下図の青枠部分で NTTcom電話(050) の回線が使われていたものと推察されます。

Amazon Connect 利用時の概要構成図
Amazon Connect 利用時の概要構成図

blog.serverworks.co.jp

注意事項

Amazon Connect では、複数のキャリアにて電話番号の割り当てが行われています。(Coverage Guide にて Multi-Carrier Available となっている番号)
割り当てられた番号によっては、今回の検証とは異なる発信端末種別で拒否されることもある 旨ご認識ください。

Amazon Connect Telecoms Country Coverage Guide https://d1v2gagwb6hfe1.cloudfront.net/Amazon_Connect_Telecoms_Coverage.pdf d1v2gagwb6hfe1.cloudfront.net

補足

KDDI や SoftBank でも以下のような同様の機能があります。

KDDI フリーコール
 機能名称 : 発信許容端末選択
 選択肢 : 携帯電話, PHS, 公衆電話, 加入電話

SoftBank フリーコールスーパー
 機能名称 : 接続端末指定
 選択肢 : 固定電話, 携帯電話, 公衆電話, 衛星電話, 船舶電話, デジタルモード

まとめ

  • フリーダイヤル側の設定により、発信端末種別毎に接続の許可/拒否を設定することが出来る
  • Amazon Connect が発信に利用する回線種別が、拒否された発信端末に合致する場合は接続が出来ない
  • Amazon Connect が発信に利用する回線は非公開情報のため、必ずしも発信端末が同じとは限らない
  • 該当番号への発信が必要な場合、別な番号を利用した発信を検討する

Amazon Connect からフリーダイヤルに接続出来ない事象について、どのような仕組みにより発生しているかについてまとめてみました。
このブログが皆様のお役に立てば幸いです。