同じ業務オペレーターの中で優先順序を設定し、2段階に振り分けて着信させる設定を紹介します。
要件
基本的な要件は下記の想定とします。
- 製品サポート対応を行うキューを設定します
- オペレーターを優先着信させる 「T1オペレーター」とそれ以外の「T2オペレーター」に分類します
- お客様からの入電時、対応可能であれば「T1オペレーター」へ着信させます
- 対応可能な「T1オペレーター」が不在の場合のみ、「T2オペレーター」へ着信させます
設定
キュー
製品サポート対応用のキューを2つ作成します。
名前をそれぞれ「製品お問い合わせ(T1)」、「製品お問い合わせ(T2)」としました。
コンタクトフロー
顧客キューフロー
お客様からの入電がキュー待機する間実行されるコンタクトフローを定義します。
待機中アナウンス・音楽を再生し、30秒経過後、待ち呼が「製品お問い合わせ(T1)」キューにある場合は「製品お問い合わせ(T2)」 へ転送する動作を定義しています。
- No1: プロンプトのループ
- お客様をお待たせすることのアナウンスと待機中音楽を設定し、30秒でタイムアウトするよう設定します
- No2: コンタクト属性を確認する
- システム>キュー名に "T1" を含むか否かによって分岐させています
- No3: キューへ転送
- No2で待ち呼が 「製品お問い合わせ(T1)」キュー にある場合に分岐します
- 「製品お問い合わせ(T2)」 キューへ転送します
入電時のコンタクトフロー
対応可能人員を確認し、「製品お問い合わせ(T1)」キュー、または、「製品お問い合わせ(T2)」キューへ振り分けます。
- No1: ログ記録動作の設定
- 有効設定します
- No2: 音声の設定
- 任意です。ここでは Takumiニューラルに設定しました
- No3: 顧客キューフローの設定
- 先の手順で作成した顧客キューフローを設定します
- No4: 作業キューの設定
- 「製品お問い合わせ(T1)」キューを設定します
- No5: 人員の確認
- No4で設定した「製品お問い合わせ(T1)」キューに対応できるオペレーターが1人以上いるか否か判定、分岐します
- No6: 作業キューの設定
- 「製品お問い合わせ(T1)」キューに対応できるオペレーターがゼロの場合に遷移ます
- 「製品お問い合わせ(T2)」キューを設定します
- No7: キューへ転送
- 判定結果に応じて決定したキューへ転送します
ルーティングプロファイル
T1オペレーター用、T2オペレーター用の2つを設定します。
「製品お問い合わせ(T1)」キューに対応できるのは「T1オペレーター」のみ、
「製品お問い合わせ(T2)」キューは「T1オペレーター」、「T2オペレーター」共に対応できる設定となることがポイントです。
T1オペレーター用
優先着信させる 「T1オペレーター」用のルーティングプロファイルを定義します。
入電時点で「製品お問い合わせ(T2)」キューへ転送されたお客様であっても対応可能になり次第着信させたいので、対応キューとして、「製品お問い合わせ(T1)」、「製品お問い合わせ(T2)」の2つを同じ優先度で設定します。
T2オペレーター用
T2オペレーターについては「製品お問い合わせ(T2)」キューのみを設定します。
以上で設定は完了です。各コンタクトフローを「公開」し、入電時のコンタクトフローを電話番号に関連付けて動作確認します。
動作ケース
状況による動作ケースをいくつか挙げてみます。
(1) T1、T2ともに対応可能オペレーターありの状態で入電
- T1オペレーターありのため、「製品お問い合わせ(T1)」キューへ転送されます
- 最も待機時間が長いT1オペレーターへ着信します
(2) T1オペレーターは全員対応中、T2オペレーターは対応可能ありの状態で入電
- 対応可能なT1オペレーターがいない(=「製品お問い合わせ(T1)」キュー対応可能オペレータゼロ)ため、「製品お問い合わせ(T2)」キューへ転送されます
- 最も待機時間が長いT2オペレーターへ着信します
(3) T1、T2ともに対応可能オペレーターありの状態で入電したが、T1オペレーターが対応できなかった
- T1オペレーターありのため、「製品お問い合わせ(T1)」キューへ転送されます
- T1オペレーターへ着信しましたが、PCがハングアップし、受電操作できませんでした
- 待ち呼となり、顧客キューフローでアナウンスと待機中音楽が再生されます
- 30秒タイムアウト後の判定により、「製品お問い合わせ(T2)」キューへ転送されます
- 対応可能なT2オペレーターへ着信
(4) T1、T2ともに全員対応中の状態で入電、T1オペレーター先に対応可能状態となった
- 対応可能なT1オペレーターがいないため、「製品お問い合わせ(T2)」キューへ転送されます
- T1オペレータが対応可能状態になると同時に着信します
※T1オペレータはどちらのキューについても対応可能なルーティングプロファイルのため着信します ※T2オペレータが先に対応可能状態になった場合は、同様にT2オペレータへ着信します
最後に
実際はキューの種類や優先順位、オペレーターごとの対応可能業務の組み合わせなど複雑になると思いますが、今回はシンプルな基本例として紹介しました。 ご参考になれば幸いです。