こんにちは、技術四課の城です。
2020年のブログ書初めです
新年早々気になるWorkSpacesの機能リリースがありました。
Amazon WorkSpaces Migrate Enables Migration to the Windows 10 Desktop Experience and the New WorkSpaces Streaming Protocol in Beta
ドキュメントを読んで分かったこと、実際やってみてどうだったのかについてレポートしたいと思います。
1. Migrate a WorkSpace(WorkSpaceの移行)とは
ユーザーボリュームを保持したまま、別のバンドルでWorkSpaceを作り替える機能のようです。
Migrate a WorkSpace
これまでは別バンドルに移行する際は、次のように行う必要がありましたが、だいぶ楽になりそうです。
①既存WorkSpaceのユーザーボリュームのデータをバックアップ、WorkSpace外に退避
②既存WorkSpaceを削除
③新しいバンドルにてWorkSpaceを作成
④ユーザーボリュームのデータをインポート
いくつか制限や注意事項があるようですので、説明していきます。
1.1 制限(2020年1月12日現在)
制限内容としては次の通りです。
- Windows 7 バンドルへの移行は不可
- BYOLバンドルの移行先はBYOLバンドルのみ
- BYOLバンドルの移行元はBYOLバンドルのみ
- Microsoft Officeなどのプラスバンドルと非プラスバンドル間の移行は不可
- Linux WorkSpacesの移行は現在はサポートされていない
- 異なる言語設定のバンドル間での移行は可能
- 同一バンドルへの移行は不可(リビルドを使ってください)
1.2 移行の詳細
ユーザーボリュームについては保持されます。
ただし、そのまま移行されるわけではなく、最終スナップショットから再作成されますので、最大12時間のロールバックの可能性があります。
また、D:\Users\%USERNAME%フォルダーについて、初回起動時にD:\Users\%USERNAME%MMddyyTHHmmss%.NotMigratedフォルダーに移動され、新しいD:\Users\%USERNAME%\フォルダーが作成されます。
新しいユーザープロファイル(D:\Users\%USERNAME%)が作成されると、次のフォルダーについては.MotMigratedフォルダーから新しいユーザープロファイルに移動されます。
- D:\Users\%USERNAME%\Desktop
- D:\Users\%USERNAME%\Documents
- D:\Users\%USERNAME%\Downloads
- D:\Users\%USERNAME%\Favorites
- D:\Users\%USERNAME%\Music
- D:\Users\%USERNAME%\Pictures
- D:\Users\%USERNAME%\Videos
ということですので、.NotMigratedフォルダーに残っているフォルダー、ファイルについては、必要に応じて手動でコピーする必要がありそうです。
ルートボリュームについては、移行先のバンドルのものが適用されますので、必要に応じて手動で対応が必要となります。
1.3 事前に対応、確認すべきこと
下記、推奨事項となりなります。
- ルートボリュームに含まれる重要なデータのバックアップ
- データロストを避けるため、コンソールの【WorkSpacesの移行】のページにて最後のスナップショットの時刻を確認し、最終変更時刻より後であることを確認する
- WorkSpaceのステータスがAVAILABLE、STOPPED、または、ERRORであることを確認する
- WorkSpaceのサブネットの利用可能IPアドレスが枯渇していないことを確認する
- スクリプト等で複数のWorkSpacesを移行する場合には1回につき25台以下とする
2. 実際に移行してみる
今回Standard with Windows 7のバンドルからStandard with Windows 10のバンドルへ移行してみます。
移行元となるWorkSpacesについてはこちらです。
確認用にユーザーのドキュメントフォルダーやDドライブ直下にファイルなどをおいてみました。
また、追加でChromeをインストールしておきました。
こちらは移行先には残らない想定です。
余談ですが、スナップショットの前回取得時間が直前だったので、泣く泣く12時間後に再開することにしました。
対象のWorkSpaceにチェックを入れ、[アクション]、[WorkSpaceを移行]とクリックします。
移行先のバンドルを選択し、[WorkSpaceの移行]をクリックします。
上部のタブでフィルターをかけることが出来るので、上手く利用しましょう。
PENDING状態に移行します。しばらく待ちましょう。
状態がAVAILABLEとなり、問題なく、移行できました。
再作成なので、WorkSpace ID、IPアドレス、コンピューター名は変更されています。
3.移行後の確認
移行後の状態をログインして確認してみます。
Chromeはインストールされておらず、ドキュメント通りの結果でした。
また、ユーザーボリュームについてもドキュメントの説明通りで、中身は次の画像のようになっていました。
なお、.AppDataは.NotMigratedフォルダーに残されているので、ためしにChromeをインストールし、.AppData\Local内のGoogleフォルダーを.NotMigratedフォルダーからユーザープロファイルへ移動したところ、想定通り、Chromeの設定は復元できました。
さいごに
とても求められていた機能がリリースされました。
もうちょっと早ければ・・・という声は聞こえてきそうですが、Windows 7、Windows 2008R2等のサポート切れ対応にも効果的な機能ではないでしょうか。
また、AWS公式のブログポストにもありますが、WSP(WorkSpaces Streaming Protocol)の対応バンドルへの移行にも利用できそうです。
どなたかの助けになれば幸いです。
城 航太 (記事一覧)
営業部カスタマーサクセス課・課長
AWSへの移行、AWSアカウントセキュリティ、ネットワーク広く浅くといった感じです。最近はAmazon WorkSpacesやAmazon AppStream2.0が好きです。APN Ambassador 2019,2020